のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

隙入らん彷徨ふ枯れ葉ガラス越し

2006年11月14日 | 梨の研修
そのおしゃれなレストランは「ベーカリーレストラン」と銘打っていて、焼きたてパンの食べ放題を売りにしていました。店内は女性たちでいっぱいになっていました。大きな窓の外では強い南風が吹いていました。


そのレストランでおなかをいっぱいにしたところで、午後から県農業総合研究センターで行われた「ちばエコなし」の研修会に参加してきました。県では「ちばエコ農産物」という認証制度を設け、環境に優しい農業を推進していますが、「なし」ではわが家も含めて7つの生産者・機関を数えるに留まっています。そのてこ入れに研修会を実施したのですが、期待ほど生産者は集まらなかった印象です。

周辺環境に与える負荷が少なくなる、経費的にも身体的にも負担が軽減される、もちろん有利に販売できる、と利点は挙げられるのですが、なにより農薬を使ったナシづくりを前提にした生産者にとっては技術的な不安が大きいのかもしれません。指導研究機関でもまだ減農薬化に取り組んでいる生産者の事例を調査している段階で、栽培技術が確立しているとはいえません。認証生産者間の情報交流も必要かと思います。

質疑では、害虫のシンクイムシ類に対する性フェロモン剤の使い方が話題となりました。幼虫が果実に被害を与えることから交尾を阻害させる性フェロモン剤を設置することで被害を抑制しようという生物農薬ですが、高価な上にその効果も目に見えない。理想をいえば、人間に無害のこの農薬を使うことにより収穫期の殺虫剤を抜けることですが、実際は、わが家も研修会で事例発表した生産者も収穫期に殺虫剤を散布しています。まだまだ検討途上の資材といえるかもしれません。

(後日、わが家に視察に来られた山梨の産地では、フェロモン剤をしっかり使いこなされていて、収穫期に殺虫剤を使わない散布体系を確立されているようです。地域によって環境が異なるとはいえ、井の中の蛙状態であることを再認識させられました)

農薬を使用するという点では、「ちばエコ」の認証を受けたからといって必ずしも化学物質の付着していない「安全・安心のなし」になるわけではありません。減農薬化の過程で生産者自身が体験し、考え、試みること。そして、それを発信することにより「物語のあるなし」になる。その物語に共感していただいたお客様と信頼関係ができる。そういうことが目指すべきことではないかと考えています。

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