のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

霞んだり曇つたり日の長さ哉(正岡子規)

2008年03月19日 | 農のあれこれ
曇り空のもとで水仙の黄色が鮮やかに光っていました。

三回目の桜の開花予想、
このところの暖かさでやはり早まりました。
剪定作業も尻に火がついて気ばかりが焦っていますが、
鮮やかな黄色が一瞬和ませてくれます。


ところで、17日の朝日新聞の社説は
農業を「成長産業」に変えよう
というタイトルでした。

希望社会への提言シリーズのひとつで
・コメの生産調整をやめ、増産へ大転換しよう
・やる気のある農家は政府の直接保障で支える
という主張のようです。

農業再生で地域活性化の核になるという“産業”振興の視点では
経営の大規模化、効率化、企業化、農地の流動化が必要でしょう。
ぜひとも推進してほしい方策です。

しかし、食の安全や食糧安全保障、環境や農村の景観維持の
視点から考えると、
成長産業に育成するだけでは実現できない目標があるように思います。

ガーデニングブームの延長上に自給菜園の確立をという主張とか、
新規就農者の多くが有機農法をめざすとか、
食の安全に関する事件がおこるたびに
農産物直売所での売り上げが急増するとか、
もうひとつの視点からの農業振興の必要性を裏付けていないでしょうか。

わが家の父が関わっている手賀沼トラストという市民団体では
農家と地域住民の「協働」により
農村環境を保全維持しようと試みてきました。

今年6年目を迎える我が家の納得米プロジェクトでは
非農家の方々が自給用のコメを自ら栽培するという方法を模索しています。

これまでの家族経営による農業でもなく
これから求められるという企業経営による農業でもなく
もうひとつの農業経営。
多くの方が関わるということから農業法人という形態に
なると思いますが、
自給型農業法人というか、環境管理農業法人というか。

農地、機械、施設を有する農家が核となりながらも
非農家の方々も構成メンバーとなり、
場合によっては非農家の方が農家の資格をとって、
とくにリタイアした人たちによって
入れ替わり立ち代り引き継がれていくような経営
の可能性はないでしょうか。

わが家の経験では、非農家との「協働」は
慣行農法では見えなかったものが見えてくるという
農家自身の「食育」になっているように思います。
当然、確固とした地産地消システム、地域経済システムとなっています。
そして、農家後継者はなくとも農業後継者は確保される、
生きている土を守ることで人の命もつながっていく、
そんな「いのちの連鎖」システムができてくるような気がします。

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3 コメント

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育むという思想 (佐藤K)
2008-03-20 07:13:35
ブログを拝見して、産業とか経済とかの視点だけで考えると、抜け落ちるものが沢山あるような気がしました。たぶん、「生産」は「消費」に繋がるものの、「育む」とか「継承する」などとは別路線なのではないかとも思いました。経済的論理を超えた哲学的な思考が必要なのだと感じます。

ところで、春分の日は雨ですね。柏の葉、当日券があるようですよ。
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ちりとてちんのテーマ (suginofarm)
2008-03-20 13:00:31
「大きな流れの中で引き継いでいくもの」って朝ドラ『ちりとてちん』のテーマのひとつですよね。
おれがわたしがの自己主張の時代から少し変わり始めた兆しでしょうか。

柏の葉は寒そうですねえ。いえ、試合内容ではなく。
雨の日は雨の日なりの仕事がありまして…
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試合も (佐藤K)
2008-03-21 07:29:10
雨が降ると寒いです。まだ。

そして、雨が降ると試合内容も、ちょっと寒いです。レイソルは選手が怪我人が多くでました。それが心配です。

「ちりとてちん」見ています。こちらも。
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