のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

功成し名を遂げた先

2005年07月19日 | わが家の時時
 梨の出荷を前に娘たちを連れて伊豆に家族旅行に来ています。今日の昼食は中伊豆・修善寺郊外の丘陵の上にある「シャトーT.S」で。写真は数ヘクタールものブドウ畑を見下ろすテラスでアイスクリームを食べている様子。ビニールハウスのように見えるのはブドウの雨よけ栽培をしているところ。
 「伊豆ワイナリー シャトーT.S」はカラオケで有名なシダックスの会長志太勤氏がオーナーのワイナリー兼レストラン施設。志太氏は中伊豆の出身で、貧しい生活の中で父親が趣味でブドウを育てていたといいます。後年、功成し名を遂げた志太氏もワインコレクターとなりましたが、それが高じて自分自身で美味しいワインを作りたいと考えたそうです。ブドウの王様、巨峰が中伊豆で誕生したこともあって、故郷に錦を飾る形で建設したのがこのワイナリーのようです。
 社会的成功を納めた人たちの最後の夢は自分の農場を持つことだと聞いたことがありますが、まさにそれを具現化したものといえるでしょう。『太い志しを持って勤めれば必ず成功する』という志太氏のメッセージは娘たちに伝わりましたでしょうか。

 故郷の文化、環境を守りながら雇用を生み出した美しいサクセスストーリーですが、視点を変えると、外食産業のシダックスで利用する食材(ワイン)を自前で調達する農場という仕組みも見えてきます。施設内にはレストラン群とワイングッズショップ、それに無料のワインテイスティングルームも用意されています。伊豆という観光地にあって、団体バスを誘致すれば本業の宣伝にもなります。企業経営と地域おこし、さらに個人的な趣味の完璧なマッチングといえないでしょうか。

まあそんなことをぐだぐだと考える前に、わが家も梨園の前に自宅を構えているのですから、形だけみれば「功成し名を遂げた人」と同じと考えるべきかも?!日々の生活に追われる身の上ではまったく実感はありませんが。