のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

農薬の空中散布、今年も

2005年07月07日 | 今年の米づくり
 写真中央の緑色の濃い田んぼが、消費者の方々が米づくりに取り組んでいるわが家のC圃。これまで除草剤も使っていない無農薬栽培なんですが、この時期、有人ヘリコプターによる農薬空中散布が行われます。
 水田に対する農薬空中散布というのは、いもち病、紋枯病向けの殺菌剤とウンカ、カメムシ向けの殺虫剤を水田域全体に散布することで、防除の効き目を高め、効率化を図ろうというものです。柏市、我孫子市周辺では明日明後日の朝早く行われます。しかし、広域的、無選択的に行われることから自然環境や人家への影響が懸念され、以前より多くの批判や反対の声が聞かれてきました。ここでさらに食品の残留農薬の基準が見直されることで、一層矢面にさらされることになりそうです。

 食品の残留農薬基準の見直しというのは、一言でいえば「残留農薬基準値が無い場合には、これまでは検出されても基準値がないのでOKでしたが、これからは基準値がない場合は一律基準(0.01ppm)を基準値にしますよ」ということのようです(農薬ネットhttp://nouyaku.net/index.html)。ポジティブリスト制といいます(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/zanryu2/050603-1a.html)。
 本来、田んぼ用の農薬は稲以外には検出されないはずですが、散布した農薬が風などで運ばれて圃場外へ流れていき(ドリフト)、野菜や果実についてしまうことがあります。もっともドリフトしやすい農薬の空中散布は農家の中からも反対の声が上がるかもしれません。

 我孫子市では来年から農薬空中散布を取り止める検討をしているそうです。農薬散布を止めることで問題は起きないのか、先進地の様子を聞いてみますと、暖かい千葉県ではいもち病の可能性は低いようですが、カメムシの被害は多くなるようです。カメムシに吸われた米は着色していて、混入していると消費者のクレームの対象になります。それを取り除くために色選別機という機械があるのですが、数百万円もする代物。またまた負担増・・・。
 農薬を受容するか、色米混入を受容するか。農家と消費者のマッチングで解決できるのでしょうか。