アブラナ科のモイワナズナです。
札幌市の藻岩山に産することからの名で、本州以南での生育地は上田市のみとか。
険しい岩場に根を下ろし、4~5月に白い花を咲かせます。
他の植物との競合はなさそうですが、なんともたくましい植物です。
厳しい環境の地で咲かせた優しい花は魅力いっぱいです。
足元のおぼつかない断崖絶壁の岩場で、緊張しながら写真を撮っています。
上田市の株をカブダチナズナとして、モイワナズナと区別する説もあります。
別名説もありますが、両者の区別点とされるいくつかの特徴を撮ってみました。
根生葉の鋸歯は1~3対ありました。
葉は表も裏も毛もらじゃで、短毛や星状毛が生えています。
星状毛は3分岐から多分岐までさまざま、また、短毛との混生も見られます。
花弁は大きく見栄えがします。
盛花時期の花柱の長さを測ってみると、2~2.5mmでした。
花柱は果実にも残り(残存花柱)ますが、長さは3mmほどでした。
いくつかを調べ、自分なりに納得しました。
昨年の株と今年の株を比較してみると、心なしか今年は衰退気味です。
半世紀以上前の当地の春は、山が花で覆われたて白く見えたとのこと。
謎多き貴重な上田市のモイワナズナ、大切に見守りたいものです。