そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



ショーン・オブ・ザ・デッド [Blu-ray]
クリエーター情報なし
KADOKAWA / 角川書店


まだまだ日本では「カメラを止めるな!」ブームが続く秋だが、当初から「カメラを止めるな!」と並ぶゾンビ映画の傑作として各所から名前が挙がっていた2004年のイギリス映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」。
そんなに面白いのかと、ようやくBlu-rayで観賞。
その感想。

うーん。
僕はこの感じの映画が合わない。
星は1つ半。★1/2

映画の前半、建て込みの部分はとても良い。
イギリスの日常の中、忍び寄るパンデミックの影。
主人公たちはそんなことに気付かず、コメディタッチで伏線が次々と張られていく。
観ていると伏線回収への期待値がどんどん上がっていく。
登場人物は主人公を含めてよくいる欧米のハチャメチャ馬鹿野郎パリピキャラ設定ばかりなのだが、それも良い。
そう、ゾンビが実際に主人公たちを襲い始めるまでは良かったのだ。
ところが、である。
実際にゾンビの襲撃が始まると、案外それがマジのゾンビで、噛まれると死んでゾンビになって生き返るという設定はロメロのゾンビそのままだし、頭を切断するか脳みそを吹き飛ばす以外にゾンビは止まらないというのもいわゆるゾンビものの定番。
それはそれでいいのだけど、ゾンビの襲撃が始まっても主人公たちは相変わらずバカで、馬鹿な行動をしたせいでゾンビに食われるといういつものパターンが踏襲され、韓国映画「新感染」で感じたのと同じイライラにさいなまれて、「とてもじゃないけど観てられんなこのバカたち!」って気持ちに中盤以降なってしまった。
こういういわゆるバカな登場人物が出てきて、足を引っ張る映画を良しとするか嫌いなのかは人それぞれだろう。
僕はバカが出てくると途端に醒めるタイプなので、この映画は後半だいぶキツかった。
だってみんなバカなんだもん。
相手はゾンビだっつーの。
なんで素手で普通に立ち向かうのか?
噛まれたら終わりなのになぜそんなに無防備でいられるのか?
意味が分からない。
リアリティがない。
ゾンビ映画にリアリティを求めるのはどうかという意見もあると思うが、「ゾンビという大ウソ」を付いているからこそ、それ以外の部分ではリアリティにリアリティを重ねないと観ていられない絵空ごとになっちまうよ、と僕は常々思っているし、このブログでも言及してきた。
同じことがこの映画には起こっている。
「カメラを止めるな!」は、あくまでリアルにゾンビの発生した世界ではないという設定だし、その上登場人物に馬鹿は1人もいないので、あれほどの傑作になったのだとも思う。

うん、とにかく、この作風が僕は嫌い。
よく考えたらサイモン・ペッグの映画、基本的にあんまり面白いと思わないんだよね。
感性が合わないんだと思う。
これがすごく好きだという人の気持ちはまったく分からないけど、そういう人がいるのも世の中だと思っています。
人の感性は多様だからね。

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