ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第74回」

2008-04-19 |   ビタペクト配布活動
 4月18日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村での第74回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト2を2個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計1470個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1120部となりました。
  
 今回で通算84目のビタペクト2の配布となりました。
 のべ人数になりますが、現時点で1470人分のビタペクト2、そして1120家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクト2を開発、製造、販売しているベルラド研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by



今回、2家族が保養のため滞在しており、お話を伺いました。

(家族A)
 
 モギリョフ州クリチェフ地区(チェルノブイリ原発から約240キロ)から来た家族。お母さんが3人の子どもと、同じ村に住む子ども5人を引率してきていました。
 このうち10歳の息子と12歳の引率してきた男の子にビタペクト2を渡しました。
 10歳の男の子の体内放射能値は74ベクレル。12歳の男の子は43ベクレルでした。これはチロ基金がこの活動を始めてから、一番高い放射能値の結果でした。他の子どもたちは全員0ベクレルでした。
 兄弟は0ベクレルなのに、どうしてこの10歳の子だけ、こんなに高い放射能値が出たのか、とお母さんは心配していました。
「この間、この子だけ予防接種をしたからですか?」
と質問していました。医学の専門家でもない私でも「それは無関係です。」と説明できました・・・。
 家族全員同じものを食べているのに・・・ともお母さんは話していましたが、これはやはり放射能をためやすい体質なんだろうな、と思いました。
 3兄弟の中でその男の子だけが疲れやすいそうです。
 12歳の男の子は持病などはなく、元気だという話でした。


(家族B)
 ゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)から来た家族。お母さんと6人の養子です。(ベラルーシでは「家庭タイプの孤児院」と言います。)この家族は体内放射能値は全員0でした。
 このお母さんのお母さんも、家庭タイプの孤児院をしており、たくさんの養子を育ててきました。その娘さんも成人して結婚後、自分も家庭タイプの孤児院をしており、今回保養滞在に来ました。 
 子どもたちの健康状態も良好だそうで、本当によかったです。この調子ですね。

 このうちの一人の男の子は2005年6月におばあちゃん(自分の養母の母親)に連れられて、SOS子ども村に滞在しました。
(そのときの様子はHP「ベラルーシの部屋」内、チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第32回」をご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2005/no32.html


 当時の体内放射能値は37ベクレルでしたので、ビタペクト2をこの男の子に渡しました。その結果、3年近く経過した現在、0ベクレルになっていました。
 お母さんは大変感謝していました。私としても、ビタペクト2をあげた子どもの体内放射能値が下がっていることが分かると本当にうれしいです。

 今回も子ども達に折り紙や竹とんぼ、竹の知恵の輪などをプレゼントしました。
 折り紙や竹とんぼに子どもたちは目を輝かして、
「早く作りたい! ちょうだい!」
と、うずうずしていました。
 竹の知恵の輪は難しいだろうと、思っていたのですが、意外と短時間で子どもたちは外していました。ベラルーシ人はやっぱり器用ですねえ。

 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、手作りの竹細工を寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。