ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「第4回 医療器具寄贈」その3

2008-04-08 | チロ基金
 画像は今回購入した手術器具です。
 上の2種がドイツの医療機器製作会社カール・シュトルツ社製の鉗子2種です。大きさが少し違うタイプのものを1種ずつにしました。
 握る部分(グリップ)部分は取り外しができ、上から2番目の鉗子は取り替え用です。

 2種とも以前に寄贈したものと同じ大きさです。普通このような小さい器具は古くなるとだんだん細かい作業がしにくくなります。 
 以前寄贈したものは、大まかな作業に使用し、今回購入した新しいものは、細かい作業に使用するそうです。
 2年の耐久年数を過ぎても、まだ壊れることなく、以前寄贈した器具もまだ使っているそうですが、これは先生たちが大切に使っているからでしょう。

 画像の下の2種はロシアの医療機器製作会社PPP社製の製品です。ロシアでもこのような腹腔内視鏡手術器具を製造するようになったんですね。
 一つは鉗子ですが、グリップの形状がドイツのカール・シュトルツ社製のものと異なります。

 一番下の「網」ですが、これはどのように使うかというと、たとえば、腫瘍などを切り取る手術をしたとします。切り取られた腫瘍を「網」に入れて体外に取り出します。
 この二股に分かれた先端部分にビニール袋のような網を取り付けます。その中に腫瘍などを入れます。管は二重構造になっていて、手前の部分から内側の管を引っ張ると、袋をつけた先端部分が外側の管の中に入っていきます。
 その結果、袋の口がすぼまり、腫瘍を中に閉じ込めた状態で、体外に出すことができるのです。
(すごいですね!)

 カール・シュトルツ社製の鉗子2種はグリップ付きで530$、取り替え用鉗子を150$で購入しました。
 PPP社製の製品は鉗子と網を合わせて500$の価格で購入しました。
(合計1180$になりました。)

 予想以上にいろいろな器具が購入できてよかったです。見本市がミンスクで開催されて本当に助かりました。

 その後、4月8日に小児外科センター内で、寄贈式典を行いました。
 この手術器具を毎日のように使用するスヴィルスキー先生とアレクサンドロビッチ先生は大変喜び、
「ご協力してくださった日本人の皆さんに、医師一同、心から感謝しているとお伝えください。」
と話していました。

 チロ基金が代表して多くの日本人の方々から募った寄付金で購入した医療器具が、ベラルーシの子ども達のため使われるようになったこと、深く感謝しております。ご協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。


チロ基金の活動「第4回 医療器具寄贈」その2

2008-04-08 | チロ基金
 4月上旬にミンスク市内の商品見本市で、大掛かりな医療器具の展示会が行われることを知った、小児外科センターの先生たちは、モスクワにあるドイツの医療機器製作会社カール・シュトルツ社ロシア事務所に連絡しました。
 すると、ミンスクの商品見本市にちょうど、購入したいと思っていた手術器具をこのカール・シュトルツ社ロシア事務所が、見本商品として出品することが分かったのです。
 交渉の結果、見本用の商品なので、割引してくれるうえ、展示会の最終日に販売してくれることになりました。

 画像は医療器具の展示会の様子です。たくさんのブースがあり、国内外のさまざまな企業が医療器具を展示していました。
 このカール・シュトルツ社ロシア事務所のブースで、同社製の鉗子2種を購入しました。
 またロシアの医療機器製作会社PPP社のブースでは、鉗子1種と網を購入しました。
 

チロ基金の活動「第4回 医療器具寄贈」その1

2008-04-08 | チロ基金
 2008年4月8日、2002年9月、2004年1月と9月に続いて、第4回の医療器具寄贈活動を行いました。
 寄贈先は今まで同じく、ミンスク市立第1病院内小児外科センターです。(今までの小児外科病棟、から小児外科センターに名称を改めました。)
 寄贈した医療器具は腹腔内視鏡手術器具4点です。ドイツの医療機器製作会社カール・シュトルツ社製の鉗子2種、ロシアの医療機器製作会社PPP社の鉗子1種と網を購入しました。

 購入のため、チロ基金の集まった寄付金、合計1180$を充てました。
 この寄付金を寄付してくださったのは、日本ユーラシア協会大阪府連、八千代ライオンズクラブ、Nobu-sanの皆さんです。
 高額の寄付金をチロ基金に寄付してくださり、深く感謝しております。ベラルーシでは貴重な手術器具を、手術に必要な子どもたちの治療に使えるようになりました。
 
 今回は寄付をしていただいてから、手術器具の購入に大変時間がかかりました。
 それは、ベラルーシの関税の法律が厳しくなったのと、急激にドル安が進んだため、ドルで購入しようとしても(ベラルーシ・ルーブルに両替するとしても)ベラルーシ国内の医療器具輸入会社が、値段をつけることができなくなったからです。
 つまり、今日、この手術器具を購入したいと、この輸入会社に申し出ても、それがベラルーシに到着するころ、レートが変動して値段が変わってしまうため、値段がつけられない状態になってしまったのです。そのため、この会社では一時的に輸入自体が止まってしまいました。
 仕方がないので、別の方法がないか調べているうちに、時間がどんどん過ぎてしまったのです。
 しかし、ようやくいい方法が見つかりました。それは4月上旬、ミンスク市内で医療器具見本市が開催されたことから、解決の糸口が見つかったのです。

 画像は4月8日に行われた寄贈式典のときの記念撮影。ミンスク市立第1病院内小児外科センターにて。スヴィルスキー先生とアレクサンドロビッチ先生とプレゼンテーターのY子です。

第1回 医療器具寄贈についてはこちらです。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/medical/index.html


第2回と第3回 医療器具寄贈についてはこちらです。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/med_2004/index.html