ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2024年8月10日。ウクライナ侵攻から901日目

2024-08-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年8月10日。

 9日にウクライナからベラルーシ領内に侵入したドローン数機を撃墜したと発表したベラルーシ国防相は今日、ウクライナ国境の部隊を強化したと発表しました。ついこの間、大統領が国境地帯の緊張は解消されたからと国境地帯に配置していた軍を移動させていましたが、もう緊張状態に逆戻りです。

 ベラルーシ大統領は今日の記者会見で、ウクライナから飛来したのは攻撃型ドローンだったとの見方を示し、この「挑発」に対して安全保障の対抗措置を取るよう軍参謀本部に指示したことを明らかにしました。
 またウクライナ軍が最近、ロシア西部クルスク州に仕掛けた越境攻撃に言及し、ウクライナ側には和平の用意がなく、引き続き緊張を激化させていることが分かると主張しています。

 国防相も会見で、ウクライナとクルスク州をめぐる情勢を受け、大統領がウクライナの挑発に対抗するため、国境に近い南東部ホメリとモジルの部隊編成を強化するよう指示したと説明しました。特殊部隊、地上部隊、自走多連装ロケットシステム「ポロネズ」や核弾頭の搭載が可能な弾道ミサイル「イスカンデル」を含むロケット部隊などが現地に向かい、防空システムや航空部隊が強化されていると述べました。

 またベラルーシ外務省は今日、ウクライナの代理公使を呼び出し、強く抗議したと発表。挑発が繰り返された場合、ベラルーシ側は領土保全のために報復措置を取り、首都ミンスクのウクライナ公館についても存続の必要性を問い直す可能性があると伝えたことを明らかにしました。
 相当に厳しい表現です。怒りすぎかなとも思います。いやわざと強く言っているようです。これもベラルーシ側の作戦ですね。

 さらに、ウクライナが事態を緊迫化させたことは「犯罪行為」であり、紛争拡大を図る危険な試みだと非難。近隣の欧州諸国に向けて、紛争が拡大すれば「EU諸国を含む地域全体に炎が広がり、だれも勝者にはならないだろう」との警告を発しました。
 ベラルーシはEUから攻撃を受けることを最も避けたいと考えていますから、この発言は当然です。
 ドローンを飛ばしてくるなど、ウクライナはいらないことをベラルーシにしてくれるなと思っていますよ。


 ウクライナ大統領は今日の声明で、「戦線を侵略者の領内に押し込んでいる」と強調しました。露領への越境攻撃を事実上認めたということです。「ウクライナが侵略者に圧力をかけられることを証明している」とも述べました。


 露当局は今日、クルスク州の国境地帯から7万6000人超が避難したと発表。国境から約20キロの州内の村で敵を阻止したとしています。一方、露軍がハリコフ州北部などから部隊を増援したとの情報もあります。
 今度はロシア人の避難民です。国が広いので、国境から離れたところへ避難すればいいのですが、ロシアの一般市民がどんどん巻き込まれています。