ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2024年8月11日。ウクライナ侵攻から902日目

2024-08-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年8月11日。

 ウクライナ大統領は今日、ロシアが占拠するウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所でロシア軍が火災を発生させたとSNSに投稿しました。
 同大統領はザポリージャ原発の敷地内にあるタワーから大きな煙が上がる映像をテレグラムに掲載。放射線の数値は正常だとした上で、ロシアが「ウクライナと全欧州および世界を脅すために」原発を利用していると非難しました。
 近く(隣国ですが)に住んでいる人間としては、こういうニュースが一番心臓に悪いです。
 
「我々は世界の反応を待っている。我々はIAEA(国際原子力機関)の反応を待っている」とウクライナ大統領は述べ、「ロシアはこの責任を負わなければならない」と強調しました。

 原発の対岸に位置するニコポリのウクライナ当局者は、ロシア軍が冷却塔で大量のタイヤに放火したという非公式情報があると指摘。「挑発あるいはパニックを引き起こそうとする試み」と位置付けた。原発については「占領された状況下で可能な限り正常に稼働している」とした。
 ああ、よかった。(でもこういった情報のどこまでが本当なのか・・・。)

 一方のロシアは、ウクライナが原発の敷地内で火災を発生させたとして非難しています。
 いつものことですが、このようにお互いが相反する情報を流すので、ニュースを見ているとときどき頭がこんがらがってくる錯覚を覚えます。
 
 ザポリージャを占領するロシア側の当局者は、「ウクライナ軍がエネルホダルの街を砲撃した結果」として火災が発生したと述べ、その上で原発やエネルホダルが放射線によって脅かされる状況ではないとも述べています。
ロシア側の別の当局者は、ウクライナがドローン(無人機)で原発を攻撃したと述べている。
 ロシア外務省の報道官は、ウクライナが「核テロ」を行ったとして非難、IAEAに対応を促しています。IAEAも大変ですね。
 IAEAは今日、「夕刻に複数の爆発音が聞こえ、原発の北部から黒煙が上がるのを専門家が目撃した。同原発からは、冷却塔の一つがドローン攻撃を受けたとの報告があった。原子力の安全性に関する影響は報告されていない」とする声明をXに投稿しました。


 ロシアは、パリ五輪に国としての参加が認められず、個人の中立選手(AIN)として出場しましたが、獲得メダルは1個だけで、ロシア・オリンピック委員会(ROC)として出場した前回東京五輪の71個から激減しました。存在感がほとんどゼロです。

 テニス女子ダブルスのミラ・アンドレエワとディアナ・シナイジェルは唯一のメダルとなった銀メダルを獲得しました。記者会見では、侵攻を正当化したり支持したりする交流サイト(SNS)の投稿に「いいね」をつけていた点を問われました。メダルを取ってよろこんでいるときに記者会見でこんなことをきかれるんですね。
 シナイジェルは「政治的な質問には答えられない。今日の試合について聞いてください」と答えました。

 今回のパリ大会には、ロシア人が個人の中立選手(AIN)として15人が参加しましたが、AINに認められるにはウクライナ侵攻を積極的に支持しないことが条件なので、プーチン政権の意向に従わなかったことになります。国内では参加者に対して批判の声が出たそうです。同じ国の人からも責められるんですね。国内でも批判され、オリンピック記者会見ではスポーツと関係ない質問が出るんですね。