ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

バラノビッチへ出張講演会&新美南吉童話朗読会

2013-11-15 |   新美南吉
 11月15日七五三に、ベラルーシの地方都市バラノビッチにある中央図書館で、日本文化の紹介そして新美南吉童話ロシア語訳の朗読会を行いました。
 生誕100年にあたる今年にミンスク以外の場所でも朗読会ができてよかったです。
 バラノビッチはミンスクから電車で1時間半ほどのところにある街で、交通の要地として発展してきたところです。今回初めて行くことになりました。前から行きたいなと思っていたのですがそれは、私の日本語の生徒さんが現在住んでいるからなのです。するとある日、中央図書館の司書さんからメールが来て、日本文化の紹介をしてほしいと頼まれました。ちょうど行きたいと思っていたので、これも運命のメールに違いないと思って行ってきました。

 図書館には60名近くの小中学生、教師、図書館関係者、地元テレビ局などが集まりました。
 まず図書館に日本に関する文献(書籍や雑誌など)を多数寄贈しました。
 この図書館は児童図書館ではないので、日本の小説は所蔵しているのですが(宮部みゆきのミステリーとかがありました。もちろんロシアで発行されたロシア語訳。)写真の多い雑誌や子供向けの本はなかったので、喜ばれました。
 そして以前チロ基金支援者の方々からいただいた寄贈品もこの図書館に記念にお渡ししました。
 立体折り紙のふくろうには、みんなびっくりしていました。
 それから、パッチワークの掛け物(紫式部の短歌入り)やくす玉などプレゼントすると、拍手が起こりました。やっぱり手作りの贈り物は喜ばれますね。
 そして一番の人気は招き猫でした。ベラルーシ人は猫好きが多いんですよ。

 寄贈品をお寄せくださった皆様、ありがとうございました!

 さて、せっかく七五三の日にバラノビッチに来たので、七五三について話をしました。
 スクリーンに着物を着たかわいい日本の子どもの画像を投影して、分かりやすく説明しました。
 女子のほうが人生1回余分に祝日があると知り、笑顔を見せるベラルーシの女の子たち。
 しかし、ひな祭りは休日ではなく、端午の節句は休日と知り、笑顔が消えるベラルーシの女の子たち・・・。(^^;)
ついでにお正月の話などもしました。ベラルーシのお正月と日本のお正月はだいぶ違うので、驚いていたみたいです。

 そして新美南吉童話ロシア語朗読会。今回は「でんでんむしのかなしみ」「あめ玉」「手袋を買いに」を朗読しました。美智子様の国際児童図書評議会第26回世界大会講演も紹介しました。
 「でんでんむしのかなしみ」の朗読の後、反応を見ると、なぜか場内はシーンとなってしまいました。でも話が気に入らなかったというわけではなく、こういう話(「かなしみは誰でも背負っているのだ・・・」という話)が出てくると全く思っていなかったらしく、びっくりしてしまったようなのです。
 「あめ玉」はなぜか妙に受けていました。さむらいが出てくるから?

 バラノビッチの子どもたちの感想が聞きたかったのですが、感想を書くアンケート用紙を配ったところ、家でちゃんと絵を描きたいから、と持って帰ることになりました。後日バラノビッチの図書館で集めて、ミンスクまで郵送くれる予定です。感想が楽しみですね。 

 その日のうちにこの図書館のフェイスブックにも登場しました。早いですねえ。こちらこちらをご覧ください。

 バラノビッチへの交通費はチロ基金が支援してくれましたが、電車に往復3時間乗ったのに、交通費が500円ぐらいだったので、びっくりしました。まだ国内の移動は安いままですね、ベラルーシ。
 おかげで助かりました。
 また招待していただければ、ベラルーシの各地に足を伸ばしたいです。

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 頼んでいたアンケート結果が届きました。(複数回答可)

あめ玉 11人
手袋を買いに 10人
でんでんむしのかなしみ 4人

 男の子はほとんど「あめ玉」に投票しますねえ。
 そしてやはり「手袋を買いに」が強いです。日本でも人気がある作品ですが、ベラルーシ人の間でも心をつかんだようです。