ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシの幼稚園 その3 「幼稚園の給食」

2009-05-14 | ベラルーシ生活
 幼稚園の給食の話が出たところで、詳しくご紹介します。
 ベラルーシの公立幼稚園では、朝食、昼食、おやつの3回の給食が出ます。
 朝食は朝8時、昼食は12時半ごろ、おやつは午後4時半ごろに出ます。
 
 幼稚園に支払う月謝のうち、ほとんどがこの給食代、と保育代ということになるのですが、日本円に直して1000円ほどでした。
 この金額はベラルーシ人でも「安い」と言っています。これは国から補助がたくさん出ているからです。
 さらに多子家庭(18歳以下の子どもが3人、あるいはそれ以上いる家庭。)だったり両親がともに身体障害者だったりすると、50%の割引きとなります。
 ちなみに月謝は銀行振り込みでした。 

 さて、給食の内容についてです。
 朝食は簡単なもので、バターが塗ってあるパンにチーズをのせたオープンサンド、2切れに飲み物(紅茶、ココア、果物のコンポート、子ども向けコーヒー飲料!)が日替わりでつきます。
 オープンサンドではなく、クッキーにバターを塗ったものであるときもあります。(このクッキーがまた大きい。そしてバターの塗り方も厚さ5ミリぐらい。)

 昼食はスープ、サラダ、黒パン、おかず、マッシュポテト、日替わりの飲み物、とリッチです。
(ああ、今自分が幼稚園に通っていたときに食べていた昼ごはんを思い出してしまいました。週に3日は母の手作り弁当で、残りの3日は卵サンドイッチと三角牛乳でした。)

 スープはボルシチ、マメのスープ、キャベツのスープ、と日替わり。
 サラダはキュウリ、トマトなどの生野菜をカットして作る野菜サラダ。ただ冬場は生野菜は高くなるので、酢漬けキュウリやキャベツ、ゆでた根菜(ビーツなど)と缶詰のグリーンピースなどをあえたものになることが多かったです。
 黒パンは一人2切れずつ配られますが、おかわり自由。
 マッシュポテトは主食のようにほぼ毎日出ていましたが、ときどき米やキビ、そばのおかゆが出るときもありました。
 おかずは、ハンバーグ、白身魚のフライ、たまねぎやにんじんと蒸し煮したお肉など、柔らかいものが出ていました。
 これもおかわり自由。

 おやつはほとんど毎回、マンナヤ・カーシャでした。
 これは小麦粉のでんぷんから作ったおかゆで、牛乳で炊き、砂糖やジャムで甘く味付けし、バターを一かけ入れた、子どもが大好きなおかゆです。
 ときどきスィルニキも出ました。(スィルニキについて詳しくはこちら。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/cook/menu.html


 朝、幼稚園へ子どもを連れて行くと、1回の入り口のそばに、このような掲示板があり、「今日のメニュー」が貼り出されています。(画像参照。)
 これで今日、自分の子どもが何を幼稚園で食べるのかすぐわかるようになっています。

 ちなみに幼稚園の中に厨房があり、調理師さんが1日3回の食事を作っています。
 食事は毎回、1グループに3人いる先生のうち「衛生担当」の先生が厨房に取りに行きます。
 食器は人数分が教室のほうにそろえてあり、食事が終わると衛生担当の先生が洗っています。 

 さて、このように充実した食生活ですが、好き嫌いをする子どもや食の細い子どもはどこにでもいます。
 ベラルーシでは子どもにおやつを持たせる親がいます。「おやつ袋」にりんごや菓子パンを入れて持たせます。
 私は1回も持たせたことがありませんが・・・。何しろ1日に給食が3回も出るのでおやつなんかあげなくてもお腹がいっぱいの状態だからです。
 好き嫌いがあって給食を食べない子どもに限って、
「給食を食べないからお腹がすくとかわいそうだ。」
とおやつを持たせる親がいます。
 とうとう保護者会で先生から
「おやつの食べすぎで、給食を残す子どもがいますから、おやつを持たせないでください。」
というお達しがありました。
 せっかくベラルーシの給食は食事のバランスを考えたメニューにしてあるのに、その代わりにおやつを食べてたら、もったいないですよね。  

(続きは 「ベラルーシの幼稚園 その4」をご覧ください。)

ベラルーシの幼稚園 その2 「入園」

2009-05-14 | ベラルーシ生活
 目指す幼稚園にY子を連れて行き、
「どうしたら入園できますか?」
といきなり尋ねたわけなのですが、すると最初は「え、もう4歳?」という反応が返ってきましたが、入園に必要な書類を教えてくれました。
 親の身分証明書(パスポート)、子どもの出生証明書、入園願い届け、アンケート用紙(緊急連絡先や、親の職業、兄弟の有無、健康についての留意点や習い事などを記入する。)、健康診断書です。
 この健康診断書をもらうのが大変で、診療所内のあらゆる科を巡って診察してもらわないといけないのです。(何と言っても行列待ちが長くて大変。1週間はかあかります。)

 ようやく書類をそろえて、幼稚園に持っていくと、
「4歳児のグループは2つある。1つはロシア語グループで、もう一つはベラルーシ語グループ。ロシア語グループには空席が一つ。しかしベラルーシ語グループの子どもが一人、ちょうど4月1日からロシア語グループに移ることを希望しているため、ベラルーシ語グループに空席ができる。だからベラルーシ語グループに入ることになるけど、いいですか?」
ときかれました。
 そう、ベラルーシはロシア語とベラルーシ語の2ヶ国語が公用語なのです。
「うちの子は家では私と日本語で、父親とはロシア語で会話しているので、ベラルーシ語ができないんですけど・・・大丈夫でしょうか?」
と相談すると
「小さい子どもだから、すぐにベラルーシ語もできるようになりますよ。」
とあっさり言われ、そのままベラルーシ語グループに入園することになったのです。

 ちなみに
「この幼稚園で外国人の子どもが入園するのは初めてです。」
と言われました。
 
 第1日目は慣れるため、ということで、2時間ほどで迎えに来てください、と言われました。
 さてベラルーシの幼稚園では園児が先生にお花を贈ることになっています。
 なので、前の日からお花を買っておきました。と言うのもベラルーシの幼稚園は朝7時から登園できるのです。
 ベラルーシの花屋も朝7時から夜の10時まで開いている店がたくさんありますが、間に合わなかったら大変なので、前日に買っておきました。

 あと制服や制帽、おそろいのカバンなどもベラルーシの幼稚園はありません。
 みんな好きな格好で来ています。カバンは持ってない子がほとんどです。
 Y子には最初のうちはハンカチだのいれたカバンを持たせましたが、だんだん手ぶらで行くようになってしまいました。

 それから日本の幼稚園につきもののかわいい組の名前もベラルーシにはありません。(「ひまわり組」とか「さくら組」とかいう名前です。)
 順番に「1組」「2組」・・・で少々味気ないです。

 初登園当日は幼稚園の1階で先生が待っていてくれました。
 2階の教室に入ると、他の子どもたちが
「新しい子が来た!」
と騒いでいました。
 幼稚園入園前から新体操教室には通っていたり、月に1回はSOS子ども村の子どもたちと遊んでいたので、幼稚園初日とは言え、Y子はあまり緊張する感じではなく、他の子どもに興味津々の様子・・・。
(親のほうが心配している。)

 2時間後、迎えに行くと
「え、もう家に帰るの? 早いよー。どうして私だけ?」
とY子に文句を言われました。
 先生は
「何も問題はなかったけれど、朝ご飯を全く食べなかった。お宅では米しかたべないんですか?」
ときかれました。
 どうも興奮しすぎて、食欲が出なかったらしいです。

 こうして第1日が過ぎ、持ってこないといけないものを先生から教えてもらいました。
 第2日目はもう少し滞在時間を延ばし、昼ごはんが終わった後、迎えに来るように言われました。
 そのとおりに幼稚園に行くと、
「今日はちゃんとご飯を食べた。」
と先生が証言。
「じゃ、帰ろう。」
と言うと「帰りたくない。」
と駄々をこねるので、じゃあ、昼寝の後にまた迎えに来ます、ということになりで、再度迎えに行くと
「まだ帰りたくない。」
と言う。よっぽど幼稚園がお気に召したようで・・・。
 しかし、おやつの時間になっておかゆが配られ始めるのを見てY子は
「えー、また食べるの? Yちゃん、お腹いっぱいよ・・・。」
とつぶやいていました。

 そう、ベラルーシの幼稚園では1日3回食事が出るのです。
 
(続きは「ベラルーシの幼稚園 その3」をご覧ください。)