リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

成金

2024年08月18日 15時04分46秒 | 日々のこと

お昼に鑑定団の再放送を見ていましたら、1500万もする絵画をポンと購入した方が出演されていました。司会者とのやりとりを聞いていますと、その方は絵には全く関心がないみたいで、1500万というお値段に興味があるみたいでした。鑑定結果は購入額をはるかに上回る2500万と出ましたのでその方は大満足でした。こういうケースを表す言い方に「猫に小判」とか「豚に真珠」なんてことばが日本にはありますが、その御仁には正にぴったりです。

名古屋の某ホールは飲食チェーンで財を成した方が作られたクラシック音楽用ホールですが、私の印象ではあまり上手なホール作りとは言えないです。200席くらいのホール天井に幅1メートルくらいの溝がホール後方から前方に向かって切ってあり、それが上に抜けています。そのせいでステージで聞こえるはずの音の何分の1かは上に抜けてしまい、客席からは何か遠いところで演奏している感じに聞こえます。どうしてこのような設計にしたのかはよくわかりませんが、その財を成した方があまりよくわかっていなくて監修を頼んだ人に問題があったのではと思います。もったいない話です。

もっとも設計した人にはその客席における音抜け問題を認識していたようで、実はこのホールのステージ上方に小さなマイクがありステージの左右からその音を流せるようになっています。何かずれていますが。

ステージはもちろん反射板で囲われていて音が上に抜けることはないので演奏者側からのクレームはないようです。私も一度だけそこで演奏したことがありますが、音はよく全体に通っていた印象を受けました。

現代はますます富の偏在が拡大しているようですが、富を得た人はそれを社会に還元するべくきちんと学び鑑識眼を鍛えて社会貢献すべきです。鑑定団に出演していた御仁についてはとても鑑識眼を養えるような人物には見えませんので、この際きっぱりとその絵画をどこかの美術館に寄贈してはどうでしょうか。目利きでなくともそれなら社会貢献できます。