リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ゆく年くる年

2020年12月31日 19時34分27秒 | 日々のこと
危惧していた通り、今日の東京の新型コロナ感染者は1000人を優に超え1300人に到達しました。新年のめでたさも吹っ飛ばす勢いです。

2020年を終えるにあたって、今年吹っ飛んでコンサートなどについてはもう何度も書きましたので、今年できたことを振り返り来年の展望をしたいと思います。

昨年の8月終わり頃から翻訳を始めたR.ダウランドの「とりどりのリュート曲集(VARIETIE OF LUTE-lessons)」はめでたく1月始めに訳し終えました。連載は8月から1月一杯まで続きましたが、現在でもこの連載にアクセスしていただく方もいて、大変ありがたく思っています。残念ながら出版を引き受けてくれるところはありませんでしたが、レイアウト、訳のみなおしなどを行った自家版を来年には出そうと思います。

4月終わり頃から夏にかけて、コンピュータまわり、録音機器などを大幅に刷新しました。デスクトップをインテル第9世代(今はもう第11世代ですが)のCPUに更新しメモリも大幅増設(64ギガ)しましたし、ミュージックインターフェイスも少し奮発、パワーディストリビュータまで新しいのに入れ替えました。そして音楽関係のアプリ(DAWと音源データ)を刷新して、新しいバージョンの使い方も研究しなおしました。今まで使い方がよくわからなかった(=宝の持ち腐れ)だったSequoia(ヨーロッパのクラシック録音では業界標準と言われているDAWです)をマスター(録音に関する部分だけですけど)できたのは大きな収穫でした。(これは実はYou Tubeのお陰です)これで自宅録音関係、音楽制作関係の環境が整いました。これもコンサートやレッスンが減ってまとまった時間が取れた賜物です。

機材の環境を整えていく際、当然不要品が出てきますが、これはメルカリで売って経費を節約できました。メルカリデビューですね。メルカリで物品を販売してわかったのは、いいものであれば必ずその道に欲しい人がいるということです。安物買いはよくないというのが今更ながらよくわかりました。

4年前に取り組んだヴァイスのコンチェルトのフルート・パート・リコンストラクションを大幅刷新して、当ブログでも連載で発表しました。幸いなことに現代ギター社が2021年2月号にギター編曲版を掲載していただけることになりました。本家のリュート版も海外の某出版社に「持ち込み中」ですが、こちらはどうなりますでしょう。

さて来年は今年新たに取り組んだことの成果をベースにそれらを拡大して行こうかと考えています。すでにSequoiaで録音・編集したものもありますので、発表できたらと考えています。それからこれはどちらかというと趣味的になってしまうのですが、ポップス系の音楽の制作も環境が整った今やってみようかと思っています。こっちの方面の仕事はもう20年近く頂いていませんが、うまくすると・・・

ヴァイスのリコンストラクション版でオリジナルの編成(トラヴェルソとリュート)でも演奏してみたいと考えています。これは再来年になるかも知れませんが。今年中には手を着けることができなかったR.ダウランド「とりどり・・・」は最優先ですね。そしてコンサートも来年前半にポツポツと入ってきていますし、来年後半からは、1年間延期した「バロック音楽の旅14」が始まります。2021年もまだまだ今年の延長になりそうですが、徐々に元に戻っては来るでしょう。

しかし完全にコロナの影響を払拭できるのは、どうみても2022年の後半以降、いや2023年頃かも知れません。その頃に合わせてリサイタルを計画して行きたいと思っています。時間はたっぷりあります。でも実は私、家に閉じこもって機材をいじったり、録音や音楽制作をコソコソするのが性に合っているのですけどね。