リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

Easy Baroque Pieces (4)

2020年12月11日 16時22分11秒 | 音楽系
ポーランドのワルシャワ大学の図書館にはなかなかいい写本があります。Rps Mus 36 Mf 2004など20**が末尾についた写本で、有名なヴァイスのあまり知られていない「大」パルティータなんかもあります。ただEasy Baroque Pieces の視点から行くと、少しレベルが高くて簡単に弾ける作品は少ないです。

同 Mf 2008 には丹念に探すと初心者フレンドリーな曲が見つかります。写本の19ページのメヌエットはとても愛らしいメロディーが印象的には技術的にはそんなに負担はありません。これは採用ですね。

あと53ページのフーガなんかも短い曲ですが初心者、中級者にはぴったりです。このワルシャワの写本には結構フーガと題された曲が入っています。多くはとても短く刺身のツマみたいな曲で、バッハのフーガみたいに込み入った曲はありません。バロック・リュートのために書かれたフーガはあまり見られないのですが、このワルシャワシリーズには結構入っています。


こちらは別のフーガ。前の曲は手の込んだプレリュードです。プレリュードとフーガという風に組んで弾くことができます。でも中級レベルではちょっと難しいかも。作者は不明です。

この写本の冒頭には、「修道院の図書館より」とドイツ語で書かれたシールが貼られています。どっかの修道院からワルシャワ大学の図書館に寄贈されたか転所されたものらしいですが、修道院でリュートを弾いていた人がいたということでしょうか。それもかなり高度な技術を持っている人です。