goo

長短勤務シフト

サービス業におけるムダ削減の一つに、繁忙期と閑散期の業務平準化がある。ヒマなときには人員が余っているのに、忙しいときには残業代や追加人員コストが発生することを回避することである。

宮崎県のシーガイヤを運営するフェニックスリゾートは、繁忙日に残業代が発生せず、従業員にも無理がかからない手法を導入した。それは、「長短勤務シフト」と呼ばれるもの。

一週間のうち、土曜日と日曜日は忙しいので12時間働き、月曜日に休む。火曜から金曜日は閑散日なので1日4時間だけ勤務する、という勤務形態である。この手法によれば、労働時間は法定内になり残業代も発生しないし、社員もゆとりをもって働ける。

さらに、フェニックスで働いた経験のある主婦、学生、定年退職者を登録し、繁忙期にアルバイトとして駆けつけてもらう「SKETTO(助っ人)」と呼ばれる制度も導入している。経験者のため研修の必要もなく、人材派遣会社を通さずに直接雇用できるので手数料も発生しない。

この他、「同一労働同一賃金」の原則で、正社員と非正社員の違いにかかわらず、役割に応じて公平に給与を支払うようにしたという。

上記の試みは、社員の側から見たワークライフの質を高めると同時に、ムリ・ムダを省いてコストを低減することにつながるプロセス・イノベーションである。顧客からは見えない、こうした裏舞台における工夫を積み重ねることが、サービス企業の競争力を高めるといえそうだ。

出所:日経産業新聞2008.10.3
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )