箕面市の給食~おいしい給食をいっぱい食べましょう!

箕面市の給食は
①卵、牛乳、小麦等を調理に使わない「低アレルゲン献立給食」です
②市内産の野菜を優先的に使っています

畑訪問より(外院地区)

2024年01月20日 | 食育・地産地消

箕面市の学校栄養士は、月1回程度、給食に野菜を納入してくださる農家さんの畑をたずねて、いろいろなお話をうかがっています。
12月上じゅん、外院(げいん)地区にある農家さんの畑を訪問しました。
今回訪問した農家さんは、にんじんとこまつなをさいばいしておられます。

〈にんじん〉
にんじんは、8月から9月の間に種をまき、収かくできるようになるのが11月ごろから冬の間です。
今年の夏はとても暑かったですね。
気温が高すぎたり、大雨が降ったりしたので、8月に植えた種がダメになってしまい、9月にもう1度植えなおしたそうです。
にんじんが育つためには土の中の酸素がたくさん必要です。
もちろん水も必要なのですが、土の中の水が多すぎると酸素が不足してしまい、上手く育ちません。
こちらの農家さんは、余分な水が土の中にたまらないように、畑のうねの横に水路を作るなど、水はけの良いかん境になるよう工夫して、立派なおいしいにんじんを作っておられます。

〈こまつな〉
こちらの農家さんは、屋外の畑と、ビニールハウスでこまつなをさいばいしておられます。
1年中箕面市の学校給食に提供できるように、少しずつ時期をずらして育ててくださっています。
なんと今年度、令和5年4月から12月までの間に箕面市の給食で使ったこまつなは、ほぼこちらの農家さんが育ててくださったこまつなです!
令和6年1月以降も給食に入れてくださる予定で、1年間給食で使用するこまつなのほとんどが、こちらの農家さんの育てたものになりそうです。
すごいですね!

ビニールハウスの中では、こまつなが小さな葉を出していました。
1つのビニールハウスで、600~700kgのこまつなを収かくされるそうです。

ビニールハウスで育ったこまつなは、屋外の畑で育ったものと比べて大きさが倍くらいになり、葉もやわらかく、まっすぐ上に向かってのびて育つのが特ちょうだそうです。
屋外では、太陽の光を十分に浴びようとして横に広がる様に育ち、葉は厚くてかたいそうです。
かん境のちがいで育ちかたが変わってくるのは面白いですね。

(ビニールハウスのこまつな)

(屋外の畑のこまつな)

下の写真は、ビニールハウスの中で水をまいている様子です。
地面に置いてあるホースから水が勢いよく出ているのがわかりますか?

にんじんと同じく、今年の厳しい暑さにこまつなも苦しめられたそうで、ビニールハウスの中の温度が日中は50℃まであがり、収かくしているうちに、しおれてシナシナになっていることもあったそうです。

「このお仕事のどんなところがおもしろいですか?」とたずねると、「土づくりや植えかたなど色々試しながら工夫をした事が、育った野菜で結果としてすぐにわかる所や、同じ野菜でも気候や天気によって育ちかたが変わってくるので、毎回育てかたを変えて行かないと上手く育っていかない所がおもしろいです」とおっしゃっていました。
日々研究や工夫を重ねて育てられた野菜を、給食でいただけるのは、ありがたいですね。


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畑訪問より(新稲地区)

2023年11月11日 | 食育・地産地消

箕面市の学校栄養士は、月1回程度、給食に野菜を納入してくださる農家さんの畑をたずねて、いろいろなお話をうかがっています。
10月上じゅん、新稲(にいな)地区にある農家さんを訪問しました。

今回訪問した農家さんは、他のお仕事もしながら農業もしている兼業(けんぎょう)農家さんです。
農業が好きで、たくさんの種類の野菜を全て無農薬で育てています。
畑には鹿がよく来るそうで、鹿の角が落ちていたこともあったとか!
(農家さんが手に持っているのが鹿の角です)

そのため、鹿に畑をあらされないように、長さ2mの竹とあみを使って、しん入を防ぐさくを手作りしておられました。

今年はとても暑い夏でしたね。
日中は気温35度をこえる日が多く、畑では暑さ対策をしていても、種がとけてしまったり、芽が出なかったりしたそうです。
雨も少ししか降らなかったので、水の確保も大変!
毎日トラックに水を積んで畑まで運び、タンクにためておられたそうです。

こちらの農家さんは、野菜の中でも特にじゃがいものさいばいに力を入れておられます。
今はレッドムーン、デストロイヤー、デジマなどの秋じゃが(夏に植え付けをするじゃがいも)を植えていました。
下の写真の小さないもが「種いも」といって、畑に植えるためのじゃがいもです。
左がレッドムーンの種いも。
皮が少し赤いのがわかりますか?

ちょうど、植えたいもが芽を出していました。

学校給食には、だいこん、じゃがいも、にんじんなどを入れていただいています。
その他にもいろいろなめずらしい野菜を植えておられました。
これは秋植えのスナップえんどう。
えんどうは、ふつう春にとれるのですが、「秋にもさいばいできないか」とチャレンジされているそうです。

その他、こどもピーマン、くきブロッコリー、チョコレートジョロキアなど、少し変わった野菜も植えられていました。
「チョコレートジョロキア」、知ってますか?
「世界一からいとうがらし」といわれる「ハバネロ」よりもさらにからい!と言われるとうがらしです。
収かく後は、カレー屋さんで使ってもらうそうです。
(残念⁈ながら給食には出ません)

「野菜ぎらいの子どもたちが多いので、少しでもおいしい野菜を届けたいです!」とお話してくださいました。


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畑訪問より(新稲地区)

2023年10月28日 | 食育・地産地消

箕面市の学校栄養士は、月1回程度、給食に野菜を納入してくださる農家さんの畑をたずねて、いろいろなお話をうかがっています。
9月下じゅん、新稲(にいな)地区にある農家さんの畑を訪問しました。

畑には、青々とした葉をしげらせたさといもやさつまいも、まだまだ収かく中のオクラ、なす、そしてこれから育つ玉ねぎやブロッコリー、ねぎ、じゃがいもなど、いろいろな作物が植えられていました。

〈さといも〉
トトロやコロボックルが出てきそうなくらい、大きな葉っぱのさといも!
この株をほり起こすと、親いもの周りに子いもがたくさんついているんですって!

下の写真は、以前彩都(さいと)地区の畑をたずねた時に、特別にほり出してくださったさといもの写真です。
今回はさといもの姿を見ることはできませんでしたが、今回たずねた農家さんの畑でも、下の写真のようにたくさんの子いもが育っていますよ!
(さといもの種類によって、子いもの付きかたなどがちがうかもしれませんので、あくま
 でも「こんな感じで育っている」という参考です。
 彩都地区の農家さんの畑の様子は、2022年12月3日のブログをごらんください。)

月の満ち欠けを元に日付を決めていた旧暦(きゅうれき)の8月15日の夜に見える月を「中秋の名月」と言い、毎年日が変わりますが今年は9月29日でした。
「十五夜」とも呼ばれるこの時期にさといもが収かくされるので、中秋の名月は「いも名月」とも呼ばれます。
9月29日の給食には「さといものうま煮(に)」が出ましたよ。
(当日の給食の様子は、2023年9月29日のブログをごらんください。)

〈さつまいも〉
間もなく収かくをむかえるさつまいもが、すくすくと育っていました。
さつまいもは、つるを苗(なえ)として植えつけます。
4月に100本のなえを植え、順調につるがのびて育った7月ごろ、一部のつるを切って、それをなえとしてさらに植えて増やしたそうです。
後から植えたなえも、同じように大きく育っていました。
例年は9月上じゅんには収かく出来るそうですが、今年は成長がおそく、収かくまであともう少しかかるそうです。

〈???〉
これはなんでしょう?
人の身長の倍ほど高く、のびています!

よーく先のほうを見ると・・・?

そう、答えは、オクラです!
先のほうにオクラが実っていますね。
のびたくきがでこぼこしているのは、花がさいて、オクラが実った順に収かくした後なのです。
この1本で30個以上のオクラがとれたそうです。
ぐんぐん大きくなって、きゃ立に登らないと収かくできません!
オクラがこんなに大きく、高く育つって、知っていましたか?

〈秋なす〉
「秋なす」という種類のなすがあるのだと思っていましたが、いいえ、ちがいます。
夏にもたくさん実をつけたなすですが、夏の終わりごろに、一度くきを短く切ってしまいます。
そうすると、なすは元気を取りもどし、また花をさかせて実をつけるのだとか。
そうやって秋に収かくできるなすが「秋なす」なのだそうです。

〈これから大きく育つ野菜たち〉
秋冬にむけて、いろいろな野菜のなえが植えられていました。
今年の夏のあまりの暑さに、種が芽を出さなかったり、なえがかれたりして、とても大変だったそうです。
かわいい野菜のなえたち、元気に育ってほしいですね。

(にんじん)

(ブロッコリー)

(たまねぎ)


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畑訪問より(新稲地区)たまねぎ「みのぉったま」収かく!

2023年06月10日 | 食育・地産地消

箕面市の学校栄養士は、月1回程度、給食に野菜を納入してくださる農家さんの畑をたずねて、いろいろなお話をうかがっています。
5月半ば、新稲(にいな)地区にある箕面市農業公社の畑を訪問しました。
3月上じゅんに、同じ新稲(にいな)地区の別の畑で「極早生(ごくわせ)」のたまねぎが植わっているのを見ましたが、今回は一番収かくの時期がおそい「晩生(おくて)」のたまねぎを、農業公社の職員といっしょに収かくしました!
(3月上じゅんの畑訪問の様子は2023年3月11日のブログをごらんください。)

「みのぉったま」は、農業公社が箕面市内で育てたたまねぎの愛しょう(ニックネーム)です。

給食では、4月から箕面産のたまねぎをたくさん使っています。
この日に収かくした「みのぉったま」も、給食で使いますよ。

さあ、収かくです。
たまねぎは、緑の葉の付け根の部分が自然にたおれるころが、収かくの目安だそうです。
たまねぎの収かくは、お天気のよいうちに!
雨で土がしめってしまうと、たまねぎがいたみやすくなってしまうのです。

大きく育ったたまねぎを、どんどんぬいていきます!

次は、たまねぎの葉を切り落とします。
畑に並んでいるたまねぎを、そのままハサミでリズミカルに、チョキン!チョキン!
(量が多いので、だんだん手が痛くなってきました・・・)

たまねぎについている土を、1個ずつていねいに取り除いて・・・

きれいになったたまねぎを、大きさをそろえてコンテナに入れていきます。

クイズです!
このたまねぎをよく見てください。
お店で売っているたまねぎと、どこがちがうかな?

   〈収かくしたたまねぎ〉      〈お店で売っているたまねぎ〉

私たちが食べている、たまねぎのまるくふくらんだ部分は、実は葉っぱです。
たまねぎは、実はほうれんそうやこまつなと同じく、葉を食べる野菜なんです。
下のほうに、ちょろちょろと、細くて長い根がついていますね。
お店に出す時は、この根の部分を切り落とします。
この「根をそろえて切り落とす」作業が意外に大変で、労力がかかります。
このことを学校の調理員さんに相談すると「へたの部分(根のついているところ)は調理する時に必ず切り落とすから、根はついたままでいいよ」との返事。
野菜を育てるかた、調理をするかた、両方の大変さを知って助け合えるのも、地産地消のよいところですね。

みんなで協力して、作業は夕方に終わりました!

ビニールハウスの中では、次に植えるたまねぎのなえが出番を待っていました。
これは、冬にたまねぎを収かくできるように、夏の終わりごろに植えるためのなえです。
少し育ったところでぬいて、そのまま植える時期がくるまで置いておくそうです。
近づいてみると、根元に小さなたまねぎの赤ちゃんがいるのがわかりますか?

〈じゃがいも〉
たまねぎ畑のとなりに広がるのは、じゃがいも畑。
いくつかほり出してみて、どれくらい大きく育っているのか確認する「試しぼり」をさせてもらいました!
土の中にはおいしそうな新じゃがいも!!
6月の給食でおいしくいただきます。



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畑訪問より(新稲地区)

2023年03月11日 | 食育・地産地消

箕面市の学校栄養士は、月1回程度、給食に野菜を納入してくださる農家さんの畑をたずねて、いろいろなお話をうかがっています。
3月上じゅん、新稲(にいな)地区にある箕面市農業公社の畑を訪問しました。

〈たまねぎ「みのぉったま」〉

畑にはたくさんのたまねぎが植えられていました!
たまねぎは、育てる時期や期間によって、品種が「極早生(ごくわせ)・早生(わせ)・中生(なかて)・晩生(おくて)」に分けられます。
新稲の畑に植えられていたのは、一番早い時期に収かくできる「極早生」のたまねぎで、11月になえを植えて、3月末~4月には収かくできるそうです。
なんと全部で3万株ほどあり、順調に育てば4月の箕面市の小中学校全校で使用する全てのたまねぎをまかなえるそうです。

農業公社が箕面市内で育てたまねぎには「みのぉったま」という愛しょう(ニックネーム)があります。

市内の他の地域の農業公社の畑には、晩生のたまねぎが植えられており、6月ごろまで箕面産の「みのぉったま」が給食で食べられそうです。
楽しみですね。

〈チンゲンサイ〉
たまねぎ畑のわきのビニールハウスには、約1000株のチンゲンサイのなえが植えられていました。

種からなえを育てて、3日前にビニールハウス内に植えかえたばかりだそうで、まだ5㎝にも満たないかわいい小さななえがならんでいました。

この小さいなえが、全部で1000株!
ビニールハウスの中はとても温かく、1カ月半ほどで約100㎏のチンゲンサイが出荷できるそうです。

箕面市内には、農業をするかたが高れいになったり、後つぎのかたがいなくて、「耕作したくてもできない農地」があります。
農業公社のみなさんは「耕作したくてもできない農地」を借り受けて、そこで野菜を育てて学校給食へ納入し、「地産地消」につなげています。
「貴重な農地」を良好な状態で守ることで、箕面の緑を守る役割もしてくださっているのですね。


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畑訪問より(新稲地区)

2022年12月23日 | 食育・地産地消

箕面市の学校栄養士は、月1回程度、給食に野菜を納入してくださる農家さんの畑をたずねて、いろいろなお話をうかがっています。
12月上じゅん、新稲(にいな)地区にある農家さんの畑を訪問しました。

かぶ、だいこん、ブロッコリー、はくさい、キャベツなどの冬野菜が、たくさん育っていました。

〈かぶ〉
真っ白なかぶが、土の中から顔を出していました。
かぶは、畑の土に直接種をまきます。
1カ所に、種を2から3つぶずつまとめてまき、芽が出ると通常は「間引き(まびき)」をします。
間引きとは、たくさんの芽がぎゅうぎゅうにくっついて育つと、根がからみあったり、栄養が十分に行き届かなくなるため、となりあった芽をいくつかぬいて、ひとつひとつが大きく育つように場所を作ることです。
でも、こちらの農家さんは、今回は間引きせずに出てきた芽を全部そのまま育ててみたそうです。
すると、写真のようにぎゅうぎゅうにとなりあったまま、おたがいに競争してそれぞれしっかり大きく育ったそうですよ!    

〈だいこん〉
9月ごろに種をまいただいこんが、写真のように育っていました。
だいこんも、かぶと同じように土に直接種をまいて育てます。
雨がふるとぐんぐん大きくなるそうで、土の中からニョキニョキと、だいこんの白い部分が顔を出しています。
12月の中じゅん、もっと太く大きく育っただいこんを、給食に出してくださいました。

〈キャベツ・ブロッコリー〉
下の写真の手前がキャベツ、向こう側がブロッコリーです。
どちらもすくすくと育っていました。

ブロッコリーの赤ちゃんが育っているのがわかりますか?
これがもっと大きく育つと、みなさんがお店でよく見るブロッコリーになります。

〈はくさい〉
9月の終わりごろに植えたはくさいが、大きく育っていました。
このはくさいは、冬の寒さに強い「晩輝(ばんき)」という品種で、まだまだ成長しています。
葉がかたく、だきしめてみるとガサガサとして、葉っぱと葉っぱの間にすきまがあるのがわかります。
これから、真ん中のしんに近い部分から新しい葉がどんどん育ち、内側の葉っぱが外側の葉っぱをおしながら大きくしっかりと育っていくそうです。

そのとなりのうねでは、別のはくさいが収かくの時期をむかえていました。
外からさわってみて、葉っぱと葉っぱの間のすきまがなくなり、ぎゅっとしまっていたら収かくの時期です。
内側から葉っぱがたくさん育って、しっかりとつまっています。

外側の広がっている葉をむいて、内側を収かくします。
中の葉っぱは外側の葉っぱに守られて、日焼けしていないので白くやわらかいです。
はくさいは「白菜」と書きますが、この名前はここからきているようです。

この農家さんは、同じ農地を2年続けて畑にするのではなく、例えば今年野菜を育てた畑は、翌年田んぼにして米を育て、また次の年には畑にして野菜を育てるそうです。
同じ農地を、毎年畑にしたり田んぼにしたりするのは大変そうですよね。
「なぜそんなことをするのですか?」「めんどうではないですか?」とお聞きすると、「連作障害(れんさくしょうがい)を防ぐためです」と教えてくださいました。

毎年同じ場所で、同じ作物をさいばいすることを「連作」と言います。
「連作障害」とは、ナス科やウリ科、アブラナ科など同じ仲間の作物を、同じ場所で何年も続けてさいばいすることで、生育が悪くなったり、かれてしまったりすることです。
かぶ、だいこん、はくさい、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーはすべて同じ「アブラナ科」の野菜です。
冬においしいアブラナ科の野菜ですが、毎年同じ場所で育てると、土の中の栄養成分がかたよって育たなくなったり、土を元気にしてくれるび生物が減って病害虫が発生しやすくなったりするそうです。
そのため、畑でアブラナ科の野菜を育てた翌年は、田んぼにして「イネ科」の植物であるお米を作り、土地の栄養成分がかたよらないようにしているのだそうです。

畑でとれた野菜は、12月から1月の給食に出荷してくださいます。
「とてもおいしいので、みなさん食べてくださいね」とおっしゃっていました。


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畑訪問より(彩都地区)

2022年12月03日 | 食育・地産地消

箕面市の学校栄養士は、月1回程度、給食に野菜を納入してくださる農家さんの畑をたずねて、いろいろなお話をうかがっています。
11月上じゅん、彩都(さいと)地区にある農家さんの畑を訪問しました。

紅葉がきれいな山並みが見える広い畑では、にんにくやねぎ、さといもなどが育っていました。

〈にんにく〉
お店で売っているにんにくは、1つの球根のように見えます。
でも皮をむいてよく見ると、いくつかの小さなにんにくが集まって、球根のようになっているのがわかります。
この小さなにんにくひとつひとつに芽があるので、畑に植えるときはにんにくをバラバラにして、小さなにんにくをひとつずつ土に植えて育てます。
畑では、10月に植えたにんにくが、緑の葉をのばしていました。

にんにくが大きく育って収かくできるようになるまでには、植えてから6カ月以上かかるそうです。
10月に植えたにんにくは、これから寒くなると葉が一度かれてしまい、そのまま冬をこします。
その後、春になって温かくなると、また新しい葉がのびてきて、にんにくがぐんっと育つのだそうです。
大きなにんにくに育つように、植える間かくをほどよく広くあけるのがコツだとか。
来年の5月ごろに、800個ほどのにんにくの収かくを予定しているそうです。

〈さといも〉
ほかの畑では、さといもが収かくの時期をむかえていました。
この日、農家さんが特別にほり出してくださいました。
さといもをきずつけないように、大きなスコップで、周りからほり起こします。

ぬけました!重い!!!
大きな土のかたまりから、白い根がたくさん見えています。

土を落とすと、子いもがいっぱい!

子いもにかくれて見えませんが、くきとつながっている部分に、大きな「親いも」があります。
さといもは、親いもの周りに子いもがたくさんつくことから、「子孫繁栄(しそんはんえい:子どもやまごがたくさん生まれて家が豊かになる、という意味)」につながると言われ、おせち料理にも使われています。

こちらの農家さんの畑には、ビニールハウスもありました。

ビニールハウスの横に、黄色い大きなタンクがあります。
よく見ると、ビニールハウスとタンクの間には、ホースがつながっています。
これは何のためのタンクか、わかりますか?

答えはなんと、雨水をためるタンクです!
作物を育てるには、水がかかせません。
しかし、この畑では、作物にまくための水が近くにないので、雨だけがたよりなんです。
雨が降らないと作物がかれてしまうため、少しはなれた場所から水を運んでくるのですが、遠くから何度も水を運ぶのはとても大変ですね。
そこで、雨どいをビニールハウスの周りにつけて、できるだけたくさんの雨水をタンクに集め、作物を育てるために使っているそうです。

ビニールハウスの側面は、ロールスクリーンのように巻き上げたり下ろしたりできるようになっていて、外の空気が入らないようにしたり、逆に取り入れたりして、ハウス内の温度を調節するそうです。
ハウスの中では、ほうれんそうやカリフラワーが育っていました。

これから、冬にむけて、さといもやほうれんそう、ねぎなど、いろいろな野菜を出荷してくださる予定です。
楽しみですね。


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畑訪問より(新稲地区)

2022年09月10日 | 食育・地産地消

箕面市の学校栄養士は、月1回程度、給食に野菜を納入してくださる農家さんの畑をたずねて、いろいろなお話をうかがっています。
9月上じゅん、新稲(にいな)地区にある農家さんの畑を訪問しました。

まだまだ暑い中、畑には、なす、かぼちゃ、きゅうり、オクラなどの夏野菜と、秋冬の収かくを目指してさつまいも、大根、カリフラワーなどが植えられていました。

〈オクラ〉
オクラのくきが、大きく高くのびていました。
くきについているポツポツしたものは「オクラを切り取ったあと」です。
背の高さより大きくのびると収かくできないので、そろそろてっぺんを切ってしまうそうです。
けれども、まだまだ収かくできます。
ヒントは根元に近い部分・・・。

根元に近い部分に、葉を残してあるのがわかりますか?
実は、ここから枝分かれしたくきをのばしてやると、花をさかせて、まだまだ収かくできるのだそうです。

〈ズッキーニ〉
ズッキーニは花も食べられるそうです。

〈カリフラワー〉
まだ芽が出たばかりです。
「グリーングリーン」と「オレンジブーケ」という二つの品種を植えているそうです。
きれいな名前ですね。

〈大根〉
カリフラワーと同じアブラナ科の野菜ですが、葉っぱの形がちがうのがわかりますか?

〈さつまいも〉
「紅はるか」という品種です。

〈にんじん〉
こちらの畑では給食に提供するため、にんじんを6・7・8・9月と毎月時期をずらしながら種をまき、一年中収かくできるかチャレンジしておられるそうです。
6月に植えたにんじん畑には、花がひとつさいていました。
花がさいてしまうと土の中のにんじんは固くなってしまうので、この畑はもう収かくの時期をむかえているそうです。

今年は、お天気にとても苦労しておられます。
暑くて雨が降らなかった時期にはうまく芽が出なかったり、成長が悪かったりしたそうです。
やっと雨が降ったかと思ったら、今度は雨続き。
先日の大雨が降ったときは畑が水につかって畝(うね)がくずれてしまい、せっかく植えた種が流れてしまったので、もう一度種まきし直したそうです。
畑をたずねた日も、前日の雨でどろがたまっている畑がありました。

雨が続くと芽が出なかったり、その後おくれて発芽して成長が不ぞろいになったり、曲がったりする原因になるそうです。
自然相手のお仕事は、本当に大変ですね。
「でも、しっかり世話をしてうまく育ったらとってもうれしいし、畑で野菜の世話をしていると心がやわらぎます。農業はとても楽しいですよ」とおっしゃっていました。

農家さんの愛情をいっぱい受けて育った野菜、2学期にいただくのを楽しみにしています。


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畑訪問より(粟生外院地区)

2022年06月11日 | 食育・地産地消

箕面市の学校栄養士は、月1回程度、給食に野菜を納入してくださる農家さんの畑をたずねて、いろいろなお話をうかがっています。
5月上じゅん、粟生外院(あおげいん)地区にある農家さんの畑を訪問しました。


畑にはじゃがいもの花がさいていました。

今育てているじゃがいもは、「とうや」「北海こがね」「北あかり」の3種類です。
じゃがいもは、品種によって花の色が白かったり、むらさき色だったりと、ちがうそうです。
中には花がさかない品種もあるそうですよ。


野菜の中には、畑に直接種をまいて育てるものと、「ポット」と呼ばれる小さな苗床(なえどこ)に種をまいて、ある程度大きく育ててから苗(なえ)を畑に植えるものがあります。
苗(なえ)を育てるには、まずハウスの中で小さなマス目のポットに種を植え、芽が出たらまた少し大きなマス目のポットに植えかえて、外の畑で十分育つくらいに大きくしてから畑に植えるのだそうです。
なすやきゅうりなどの赤ちゃん苗(なえ)が、育てられていました。

(小さなマス目の「ポット」)

(なすの赤ちゃん苗(なえ))

(少し大きくなってきました)

(もうすぐ畑デビュー)

これは、たまねぎの苗(なえ)です。
小さな緑色の玉ねぎの芽がわかりますか?


畑の土のしつ度を保ったり、雑草が生えるのを防いだりするために「マルチ」という黒いシートを張ることもあります。
こちらの畑には、マルチに開けたあなから、かわいい芽が出ていました。
さて、これは何の芽でしょうか?

答えは「オクラ」です。

なんと、昨年とれたオクラの実から種を取って植えたものだとか。
これが昨年収かくしたオクラです。

この茶色いさやの中にオクラの種が入っています。

この他にも、ごぼう、にんじん、さつまいも、かぶ、かぼちゃ、とうもろこし、ミニトマトなど、たくさんの種類の野菜を育てておられました。
野菜が大きくおいしく育つように、肥料も工夫されています。
この農家さんは、「ぼかし肥料」という肥料を使っておられます。
「ぼかし肥料」とは、米ぬかや油かすなどの有機肥料に、土や米のモミガラなどを混ぜて発こうさせたものですが、この農家さんはこれも手作りしておられます。
米ぬかとくん炭(モミガラを焼いて灰にしたもの)、油かすを混ぜて、発こうさせて作っているそうです。
時間が経って発こうが進んだものは、手でさわるとあたたかく、ヨーグルトのようなすっぱいにおいがしました。

栄養成分たっぷりの土で育った野菜を食べられる日が楽しみです。


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畑訪問より(新稲地区)

2022年03月12日 | 食育・地産地消

箕面市の学校栄養士は、月1回程度、給食に野菜を納入してくださる農家さんの畑をたずねて、いろいろなお話をうかがっています。
3月上じゅん、新稲(にいな)地区にある農家さんの畑を訪問しました。
今回はクイズ形式でしょうかいします。

では、第1問!
次の3つの写真のうち、たまねぎは何番でしょう?
1)

2)

3)

答えは1です。
2がにんにく、3がわけぎです。
見た目がよく似ていますね。
たまねぎもにんにくもわけぎも秋に植えたもので、このまま順調に育つと5月ごろには収かくできるそうです。

さて、第2問です。
この木は果物の木ですが、さて何の果物でしょうか?
ヒントは、夏の終わりに収かくし、漢字で「無花果」と書く果物ですよ!

答えは「イチジク」です。

(イチジクの写真は農林水産省ホームページから抜粋しました)

なんだか、木がかれているように見えますが、これは余分な枝を切り落とす「せん定」をしているからです。
これから暖かくなると新しい緑の芽が出てきて葉がしげってきますが、枝がたくさん重なって太陽の光があまり当たらない葉が増えると、実がなってもあまり大きくなりません。
そのため、大きい実がなるように枝を選んで残し、葉に太陽の光がたっぷり当たるようにするそうです。

では、第3問。
イチジクの木は、畑でどのように増やすのでしょうか?

1)イチジクの実を土の中にうめると芽がでてくる
2)山の中からイチジクの木をぬいてきて畑に植える
3)イチジクの枝を土にさして根づかせる

(イチジクの葉の写真は農林水産省ホームページから抜粋しました)

答えは3、「イチジクの枝を土にさして根づかせる」です。
「挿し木(さしき)」といって、小枝を土にさして育てる方法です。
 
これが、さし木にする小枝です。
よく見ると小さい芽が出ているのがわかります。
この枝を土にさすと、根がはえて、少しずつ育って写真のような大きな木になります。
2年目で実がいくつかなり、5年目くらいで出荷できるような大きくておいしいイチジクが実るそうです。

最後の問題です。
畑の中に、大きな穴がありました。
中には水がたまっています。
さて、これは何でしょうか?

1)いたずらで作った落とし穴
2)雨水をためておくためにほった深い穴
3)井戸

答えは3の井戸です。
畑のある新稲(にいな)地区は川から遠いので、田んぼに使う水が足りません。
そのため、この地区には大小のため池がいくつもあり、地域で管理して田んぼや畑に使う水を確保していました。
また、畑のそばをほって水がわくところは井戸として使い、田んぼや畑に使う水を補っているそうです。
(まちがって落ちてしまうような危険なことがないように、板や石でふたをしてありました)

この農家さんでは、このほかにもたくさんの種類の野菜を育てていらっしゃいます。

〈ソラマメ〉         

〈レタス〉

〈ほうれんそう〉

ほうれんそうの土の上にまかれている茶色いつぶは、お米を脱穀(だっこく)した時に出る「もみがら」です。
寒さから小さな芽を守り、しつ度を保つ効果もあるそうです。

〈えんどうまめ〉

えんどうまめにも、いなわらで作った防寒コートが着せられていました。

ほうれんそうのもみがらや、えんどうまめのいなわらも、農家さんの田んぼで育てたお米を収かくした後のものです。
「いねかりには機械を使いません。
 昔ながらの方法で、カマを使って一株ずつかり取ります。
 その後、いねを袈裟懸け(けさがけ)にして干してから脱穀(だっこく)するので、いなわらもこ
 のように使うことができるんですよ。
 お米をとった後のいなわらやもみがらも、大切に利用しています」とおっしゃっていました。

(「袈裟懸け(けさがけ)」とはこんな風にいねをかけて干す方法です)

「自然のめぐみをありがたくいただいて、余さず生かす」とはこういうことなのだと思いました。
実際に畑に行ってお話をお聞きすると、作物の様子だけでなく、地域のことや自然のめぐみについても知ることができます。
ありがとうございます。


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