作家の森崎和江さんの死亡記事です。炭鉱の歴史に興味があって、一時あれこれ古本を集めました。乱暴な時代の肉体労働の最たるもの、労働者酷使の象徴のような歴史、怖いもの見たさでもありました。写真集もいくつかあって、そのうちに有名な画集のあることも知り(山本作兵衛)、上野英信さんとこの人を知り、彼らは水俣の石牟礼道子さんにもつながると知るわけです。死亡記事に挙げられている「まっくら」「闘いとエロス」を持っています、アマゾンの古本市場はすごいことです。切羽(きりは)先山後山と言葉を知り、想像するのも難しいような過酷な現場で生きる人たちの物語です。一気に読めたのを思い出します。ちょうど最近に「火を産んだ母たち」という聞き書き本を読んでいることもあって、こういう人たちがいてくれて当時の乱暴な資本主義下のエネルギー事情は賄われていたという感慨です。搾取、なのでしょうがそんな概念では括り切れない人間の物語です。からゆきさんも読みました、人身売買の話です。日本では奴隷制度はなかったとよく欧米と比較する時に言われることですがこれは大ウソだそうで、秀吉がキリスト教を禁じたのはこの人身売買の事実を知ったからだそうです。これも事実を剔る読みものでした。合掌。
日銀黒田さんは頑なに(素人目にもそう写ります)金融緩和の継続を説きます。「値上げに対する許容性が高まっている」発言はメディアの反発を喰らい撤回に至りましたが、その後も強気です。この態度はやはりアベノミクス無謬論に拠るのでしょうね、つまり未だ権力を持ち続けている安倍さんの後ろ支えがあればこその強弁(強弁とは間違っていることを無理矢理に言い募るというニュアンスですが、間違っているかどうかは今はまだわかりません)。今利上げすると資金が回らなくなって景気回復の足を引っ張るからダメだ。黒田さんも他の経済専門家たちも同じ理由を言いますが、でもこれでもかの低金利が何年続いてますか、それでも景気が戻らないのが現実です。銀行に何千万円預けていても利息は何百円です。これは団体の会計を見ているといやでも実感します。昔は元本にさわらずとも利息分であれこれの出費を賄えていたのに今はとても無理です。働いて多く貯金してその利息で毎日を生きて行くというプランは全く立ちません。それは借金の利子も少ないということで、だから事業投資のために金を借りやすくなる、皆が金を使ってくれれば景気が戻るという魂胆ですが現実はそうは行ってない。金をいくら刷ってもほとんどが日銀に戻ってくる、世間が金を使わないからです。そういう現実なのですがそれでも今金利を上げたら一層凹むからダメだというのです。インフレ(値上がり)が高度だからアメリカ始め海外は金利を上げてます。ジャブジャブから引き締める。インフレ値上がりの原因が、アベノミクスで頻りに訴えられていたデフレマインドからの脱却という消費欲刺激の末の目論見通りならよいのでしょうが、世界的な人不足に伴う物不足にコロナ禍やロシアの侵攻が加わって、金が回り出しての物価高ではなくて給料上がらぬままの日用品日用食材の値上がりが現実です。だから黒田さんの発言になるのでしょうが、こればかりはやってみないとわからないということでしょうか。物価は上がる、円安は進む。アベノミクスの頼みの綱の株価もどんどん下がってます。大丈夫?今は平時ではないからという楽観でいいのでしょうか。素人の不安は膨らんでましょう?
3.11の原発事件に対する国の責任訴訟、最高裁は認めませんでした。二択ですからね、どっちに出ても見ている方はそれなりに理由をつけて納得するのみです。東電の責任は先に決まっていて、損害賠償は東電だけが支払うことになったそうです。国の責任は誰の責任でもないとよく言います、これは時の内閣が謝罪すればいい当時の誰々が咎められるのではないという意味ですが、今回はそれすら認められなかったという顛末です。原告の人達はさぞやの思いでしょうが、新聞の見出しになってますが津波の予見可能性をどう判断するか、最高裁はそれは無理だったと言うわけです。東電は責任ありです一方で。ここの辺りの微妙なところですか。実務者とその上の管理者の違い。国策で作った施設の事故なのに管理者責任がないとはおかしいとの批判が記事にありますが、相手が天災、しかも超ド級の天災ですからね。人災とするには少し無理があるとは素人も思います。でも、であるなら国が救済しろよ、でもあります。国家賠償とはそういうことじゃないのかい?ううむ。
衆院選の区割りの変更が公表されてます。10減10増というやつです。この根拠が一票の格差なるもので一票の値打ち(重み)を人口割で計算して非難するものです。そういう訴えをしつこくやる者がいて、なれば裁判所も無視はできません、公正公平平等を旨にした民主主義社会ですから。毎回判決は同じです、この格差は違憲だ、でも今回行なわれた選挙は有効だというもの。この選挙自体が無効だと出た日にはやり直しですからこれまた大変。その辺り裁判所も忖度してる。でも、参院選で鳥取島根、高知徳島で合区ってのをつくりましたが、これも姑息策で。でも、やられた地区の議員は大変なわけです、地盤のじの字、看板のかの字もない所で選挙するんですから。で、今次大改革です、メディアが面白がってるのが当地山口と二階さんの和歌山です。確かに山口県から4人も出るのは多いですわ、150万いないんですよ人口。が、ご存知の通り自民党の重鎮を多く輩出してきた経緯です、簡単に手を付けられる所じゃないです。安倍さん、元副首相だった高村さん、今の外相林さん、防衛相岸さん。林さんは先の衆院選で無理矢理に参院から悲願の鞍替えしたことでした、定数減がわかってましたからあの機を逃がすわけにはいかなかったのでしたが。4が3に減ります。高村父は引退してて今はその息子が引き継いでますが、順当に考えればこやつが降りて比例に回って、後の三人で分ける。んでしょうねぇ。和歌山も今回初めて見ましたが面白い区分けです。都市部と田舎とくっきり分かれてる、選挙区の広さの違いが顕著です。和歌山の人達はこれが普通なんでしょうけれど。ここは3から2です。二階さんは南部の田舎地域が地盤のようです。ここに参院親分の世耕さんが出るとか出ないとか。先の衆院選の当県山口三区の河村・林の確執の再現となるのでしょうか。和歌山では盛り上がってるのでしょうねぇ。あそこの地方版を読みたい気分です。
岸田さん、国会閉会を機にしたTV会見してました。こういうのを多くする人ですね、菅さんの轍を踏まない方針ですか。参院選を前にしてますから、これは選挙対策の一つでもありましょう、野党にはできぬ宣伝です。で、聴いてると感染症対策に力を入れると。内閣官房付の内閣感染症危機管理庁なるものを新設して構えると言うてました。はいはい、大丈夫ですか?新しい委員会やら協議会やら作って結局まとまらなかった轍は過去にいくらでもあります。イラ菅さんが東北大津波の時に慌ててバタバタやったのは記憶に新しいことですが、こういう会議慣れしてる連中(役人)の考えそうなことです。さらには今までの組織を統合して日本版のCDC(アメリカの感染症対策機関です)を作るとも言うてました。はいはい。昨日の報道ステーションで早速埼玉医大の教授が噛みついてました、人選をしっかりしろと。今まで右往左往したことを反省しろと。暗に尾身さんや館田さん達の批判だと聞いてました。別の感染症関連の有識者会議のメンツが新聞に載ってましたが、あらら、素人さんばかり。ええ?と驚くことでした。専門家で固めると同じことばかりしか考えないですからまずいことも多いのです、かの渡部昇一さんは専門家の間違いを指摘できるのは素人の素朴な疑問からだと喝破していましたが、さりとて素人さんの感想だけでは・・でもあります。いや、どんなメンツでもきちんと正しく判断解析してきちんと指示を出してくれれば何の問題も不服もないのですが、そうじゃなかったですからねこの3年。こういう不満も溜まっているということです。面白く聞きましたが、朝日はこれを狙っての報道でしたか。
梅雨入りした途端に当地雨の日が続きます。梅雨とはそういうことなのですおかしな言い方ですが、先月は妙に照り付ける暑い日があって、そのうちに暑さが止んで今度は「冷たい雨」です。今後の経過はわかりませんが、空梅雨とは言わぬまでも語義通りのイメージ通りの梅雨空というのを最近知らなかったでしょう?降れば大雨ゲリラ豪雨とかで、降らねば何日もそれが続く。ジメジメだらだらと何日も降り続くという本来さがなかったですよね。TVの天気予報が詳細に亘ようになってあれこれ教えてくれることですが、梅雨前線が沖縄から段々に北上する、暫く居座った後にそれを夏の太平洋高気圧が北に押し上げて梅雨が明ける、真夏の到来というザックリの季節感は変わりません。当地気温が上がりません、じめじめむしむしでないのは有難いことですが、天気の解説は北から寒気が流れ込んでいるからと教えてくれます。雨には降られるのみ、風には吹かれるのみ。太古の昔から変わらぬ環境関係にじっと身を置くのみなのです。
何十年ぶりの円安を頻りに報道してます。黒田さんがそれに答えて、円安で収益を上げる企業がその儲け分をどんどん投資に回して経済を回復させてくれと国会で話しているのを観ましたが、ああ?そもそもアベノミクスの空回りはそこがうまくいかなかったことでしょうに!と素人がツッコめることでした。言う所のトリクルダウン神話です。どこかが大儲けすればそこから富がこぼれてくるという机上の空論です。特に今は平時じゃないです、今後どうなるかそれこそ見通しのつかない時にコロナ禍下にやっとの儲けを投資に向ける余裕などないでしょうに。まずは今までの穴の補填ですわね。そこのところどういう理解なんでしょうね。円高で潤う業界もあればその逆もあるのは当然です。円安なら海外でモノを売り易くなるんでしょうが、原材料不足で商品そのものを作りにくくなってれば歯がゆいことで。黒田さんはやはり浮世離れしたお公家さん思考なのでしょうか。で、日経平均株価見るに26989円(6/13)とありました。こっちは相変わらず詳しくないのですが、一時3万円に届くかなんて囃し立ててたのに、アベノミクスの唯一の数字効果は株価の上昇(見せかけだという声もよく見ますが)でしょうに。こりゃ黒田さん更迭ですかねぇ。いや安倍さんの肝煎り人事でしたからね更迭はできぬことでしょうか。辞任へのカウントダウンですか。
中日根尾が投手転向だそうです。ああ?新聞は残酷です、高校時代の華々しい栄光を並べた後に、遊撃手としては守備に難があり、外野手としては打撃不足、だから投手に転向だと。体のないのがやはりネックですかね。でも立浪監督もそうでしたけれどねぇ。昔広島に居た頃、球場で立浪をよく観ました、上から見ててもああ小さいなと思う人でした。でも、ルーキーの時からショートのレギュラーでしたからね。非力は一緒なのに。その分監督も歯がゆいんでしょうねぇ。さて生き残れるか、です。ロッテの藤原はなんとか残ってますが。
昨朝用事があって隣町の岩国に車を走らせました。米軍基地のある全国的に有名な県東部の一番の街です、およそ35㎞の道程。道路は海沿いの国道188号線、全国どこにでもある山と海に囲まれた狭い平地に道路と線路とが並走していてポツンぽつんと集落が続く風景です。いい天気でした、大きな島屋代島と小さな島が凪いだ海に浮かぶ観、北東方向には宮島を望むシチュエイションです。明け放した窓から初夏の潮風です、いい気持ち。どこにでもある田舎道ですからずっと二車線、ずっと黄色のセンターラインが延々続きます。昔から山口県の道路で有名事はガードレールが黄色であること、他県と比べて舗装率がよいことでした。後者は政治力の違いだとよく言われてました、昔はそうだったのでしょうが(岸佐藤の兄弟宰相を出した県です。離島に国鉄バスの定期便が走ったのは当県屋代島周防大島が全国初だったなんてのも自慢話でしたが)今は他県より優れていることなどないことです。一時間強の道行は、前にゆっくり走る車がいるとイライラもするのですが全線追い越し禁止道路ですからやむなし、何台も連なっているのを後ろから追い抜くわけにも行かず、そういう時はのどかな景色を見てここに住んでてよかったなと別事を考える。岩国空港に行く道なのです、時間が読めないことで地元民の間で有名なコースです、下手したら二時間もかかってしまう道です、いつ混むかわからない。と思いながら暢気に走る。田舎住まいとはこういうことなのではあります。
昨日書きました、プーチンのふんぞり返ってマイク片手にピョートル大帝の評価をする姿とその内容、ピョートル大帝を彼は尊敬しているそうでその記念館の開館式か何かの折のインタビューだったとのことですが、新聞もニュース番組も採り上げているということはやはり周りを刺激する発言だったのでした。日本はもちろん西側の政治家はあんなデカい態度で取材には応じません、と言うかああいう映像は流させませんよね。それこそどういう規制もかけられる立場に居ながらのあの映像ですからOKだったんですね。そしてあれが許される文化土壌。そんな堅い言葉じゃなくても、国民も「あんなもんじゃ」と見ているということでしょう。あんなこと日本でやった日には地上波で大叩き、SNSで叩きのめされてアウトです。もっともあの映像がロシアで流れたかどうかではありますが。プーチンの領土欲がギラリと見えたという読みです。大帝にかこつけて、という図。奪ったのではない獲り返したのだ。ウクライナがそうなのでしょう。次はフィンランド、スゥェーデンなのでしょう。NATO入りを急ぐは政策として当然でしょうが、それを自らのアピールの機としてエルドアンが反対するという、あちこちの目立ちたがりはまこと処置難い。ちなみにNATO、日本ではナトーと読みますが、英語読みはネイトウです。
バナナの話、承前。昨日の話を聞いてくれていたか中国新聞が教えてくれてました、バナナが安くなったのは1963年の輸入自由化になってからだと。63年?東京五輪の前年、私は小学一年生。いやいや、バナナが病気の時の薬のような扱いだったのは少なくとも小学の低学年時分のことだったはず。思い出せばいちごもそんなに簡単に口に入るものでもなかったです。当時の西瓜とおなじで甘みがもう一つで、西瓜には塩を振って食べてたようにいちごは砂糖と牛乳掛けて(あるいは甘い練乳コンデンスミルクかけて)潰していちご牛乳なんて言いながら食べてませんでした?63年に安いバナナが輸入され始めたんでしょうが、端々の八百屋の価格に反映されるまでにはタイムラグがあったんでしょうね。
プーチンが何かのインタビューに答えている、踏ん反りがえって態度デカいことでしたが、映像が流れます、ピョートル大帝の侵略戦争を評して、あれは奪おうとしたのではない、取り戻そうとした正当な行為だったのだと言うてました。今回もそういう意図なのだと言いたいのでしょう。北方四島のことや樺太のことと整合性がないわけですね。そんなこと考えてないというか。だからフィンランド・スゥェーデンの二国はNATOに入ろうとしている。ロシアを信じられるはずもない、いつ「取り戻し」に来るやもしれぬと。ウクライナの轍は踏まない。するとロシアの顔色見てる、オスマン大帝国のスルタンになりたいエルドアンがクルド人対応を盾に反対する。ま、戦争仕掛けるとはこんなことでしょうけれど。