柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

悪魔

2016-06-26 07:15:40 | Weblog
英国のEU離脱騒動は政治評論家や外交専門家達の儲け時です、で、多いのが排他主義を原因にする論。これは私も思っていることですが、答え合わせして正しかった!との気分じゃなくて、がっかりする方が多いです。あなたと同じ意見?で。いえ、別に奢っているのではなくて、誰彼と同じ見立てってのは面白くないことです。ま、それはおいて、その排他主義を原因に上げる内でもそれを詰る論が多いのです。それを非難しても・・でしょう?これこそが大英帝国の芯、誇り高き英国民の心張棒ですから。七つの海に君臨し、他民族他人種の征服搾取と隷属を正当化してあの大繁栄を築き上げ維持してきたきた厳たる歴史です。その血が脈々と流れ続けているのです。当然です。歴史の古い国はどこでもそうでしょう。過去の栄光を決して忘れない。そして、面白くない現状を他人の所為にする。外因の所為にする。自分達は悪くないと前提する。いえ、外国を思うことはありません、我々日本人もその典型ですから。ですからあのはじけ方は必然と考えるべきでしょう。年余不満が溜まり溜まって来ていたところにその鬱憤を晴らす機会(国民投票)が与えられた、そういう条件下です。冷静な判断?そんなのはできません。山本七平の言う空気です。多数に迎合する安心感。その場限りの高揚感。世論と輿論の違い。大衆と市民の違い。あれこれ昔から定義がされて区別されますが、多数決の怖さがこれです。日経のコラムはナチスを比較に出してました。ナチスこそがこの国民投票を多用して次々に統制を強めて行ったのだと。有無を言わさぬ位付けです。議会より行政府より強い決定。でもイギリスは女王陛下がおられるのです、朕は好まぬ、とかなんとかならぬのでしょうかと別のブログで書きましたが、これも民主主義、議会政治の先進国とすればならぬことなのでしょう。今朝のTVでは国民投票のやり直しを求める動きが出ているとやらですが、いやいやいくらなんでも・・。戦が始まる時は誰にも止められぬ。NHKの大河、真田丸の中の石田光成のセリフですが、これが人間共通の性(サガ)なのでしょう。後先考えぬ高揚感に支えられた野卑な攻撃性。誰の心にもいる悪魔、と言うべきですか。
コメント
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