柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

慣習

2013-04-03 08:24:55 | Weblog
がん検診車に医者が乗らないのはまかりならぬとお上からのお達しがあって、下関は苦渋の選択でこの事業を中止すると言う話でした、それをTVは非難調で伝えます。そんなんでいいの?毎年この検診を受けてがんにならずに過ごしている人を紹介して、困りましたなんて言わせてました。ううむ。こういうすり替えというか、上っ面だけをなぞってどうよ?と居直るはマスコミの悪い癖です、いつのも手口です。本来の嘘や大無駄には全く触れない、もちろんわざとです。今医療はEBMと呼んで、きちんとデータで裏付けられた治療や処置をしなければならぬという風潮です。Evidence-based medicine 証拠に基づいた治療医療という意味です。前にここで書きましたが、通常のレントゲン撮影で肺癌が見つかるかどうかという調査は世界中で(日本以外では)やられていて、小さなものには殆ど無力だというのが常識です、もちろん大きいのは写りますよ、でも普通のレントゲン撮影で写るくらいのはもう大きすぎるというわけです。早期発見早期治療(これが正しいのじゃないですよ、ただのゴロの良さだけのキャッチフレーズです)至上風潮下においては小さいうちに見つけなければならぬのです。そのためにはCTだ、という話になっています。疑わしきはCT検査が続きますから。本気で小さいものから見つけようとするならCT検査を全員に施行すれば、今より発見率はうんと上がりましょうが、お金どうするのよ?です。とてもとても。だからそんな所(がんの発見率)を基準にはしません。おまけに検診車に積んであるレントゲン装置は医院や病院においてある装置より画像の質が落ちるのです、小さなものはおろか・・の精度なのです。毎年この検査を受けて元気に過ごしている人を紹介されても、それは単に癌が生えなかった人であるだけです、肺癌にならなかっただけです。この検査のお陰で肺がんになるのを避けられたのではないです。ここがすり替えです。見つかって精査を勧められて大病院に行く、そして治療が始まる。でも検診の効果ってなんですか?検診して早く見つけて早く治療して長生きできなければ意味がないですね。だから比較します、検診受けた人と受けなかった人の死亡率を比べます。なんとそこに差がないのです。検診受けて見つかって治療しても死ぬ人は死ぬというわけです。受けなくて死ぬ人と数が変わらないというわけです。つまり癌見つけに行ってもいい結果が得られるわけではないと言うのです。検診に意義はない。欧米ではこういう判断です。こっちの方が正しいでしょう?下関は、だからラッキーなんですよ。市民のクレームに負けた形にしておいて、世界の検診常識に沿った結果を得られるわ、経費は浮くわ。医者を確保できない、は、つまり人件費が出ないということですから。検診車に乗るような暇な医者はいくらでもいますよ実は。爺さん婆さんでいいんですからねえ。
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