津波に襲われた東北の8漁港の水揚げは4月以降急落している。3月11日の災害による漁船の被災もあるが、その主因は福島原発による放射線の恐れで販売がままならないことによる(11月8日Kyodo/japantimes)
漁船の出漁が減っているのは福島県の近くで漁獲された魚に対する消費者が避けるのではという恐れからである。港に留まることで燃料代を抑えることにはなるが、漁業者の損失は悪化している。
一年前に比べ、東北の5地区では漁獲が85~99%減少、消費者もこの地区からの魚を避けていると地元当局や漁業組合はいう。魚の水揚げは青森、福島、岩手、宮城の各県の主要港では水揚げが激減、市場関係者や漁業者は福島第一原発を非難している。「千葉から茨城の魚は同じ海で漁獲されている、しかし我々の魚は“福島産”と表示されているために売れない、馬鹿げたことだ」と福島県の小名浜魚市場の関係者はいう。また他の業界関係者は中国や韓国向けについても、買い付け側が値段をたたき販売不振という。
8漁港のうちの一つ、宮城県の塩釜では漁獲と販売が伸びている。これは津波による被害が比較的少なかったことと、他の港で水揚げできない漁船がこの港に入ることによる。東京にある水産物卸売協会によれば東北の漁獲減少が品不足を産み、価格の上昇を招いているという。しかし、業界人は放射能危機により消費者が魚離れを起こすことを懸念している。水産業は東北の沿岸地区では主要な経済基盤である。