memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

サバ紛争で制裁を      英国

2011-10-20 14:46:50 | 水産・海洋
英国は昨日サバ紛争の最近の状況の中でファロー諸島に制裁を科すと脅かした(10月1日Daily Exress)

漁業大臣のRichard Benyonは「北東大西洋におけるサバ資源の無謀な略奪を止めなければ資源は破滅の危機にある」 「この問題を交渉で解決したい。しかし満足のゆく解決ができなければ魚資源と英国漁業者の生活のために制裁を科す」と。「それにはファロー漁船によるEU諸国への水揚げ禁止を含む」と。

サバ漁業はスコットランド漁船に1.35億ポンドの価値があり、彼らの事業全体の95%を占めている。サバの操業はEU漁獲枠に厳密に従っている。しかし魚の回遊経路は温暖化により変化してきている。現在魚群はアイスランドやファロー諸島の北や西にも来遊している。 この危機はアイスランド漁船が英国のライバルの漁具を切断して以来のものとなっている。


渇いた巨人:水問題は渇水と不潔な汚泥  インド

2011-10-20 08:16:27 | 亜細亜海道
Ritu Prasher氏に聞いた。毎日、首都の中流階級の主婦のMrs. Rasherは午前6時半に起床、そして水について心配する。朝方に水が蛇口からチョロチョロ出てくることはまれである。ほとんどの場合一滴の水も出ない(9月29日NYTimes)

そうなるとMrs. Prasherは水供給業者を呼ばなければならない。電話がつながらず またかけなおす。しばし待たされたあとで、業者が来なかった場合バスルームのバケツにどのくらいの水が残っているかを案じる。「一日中水の心配をしなけりゃならないなんて」45歳の疲れ切ったMrs. Prasherはこの夏のことを振り返る。携帯電話を手にし、再通話のボタンを押して水業者を呼び出す。

インドでもっとも裕福な都市、国の経済はうらやましいほどに前進、Mrs.Prasherのような中流階級の人びとは水の供給に苦慮している。インド自らが世界の強国であると自負しても、最も基本的な市民に対するサービスの欠如は驚くべき政府の能力の欠如を物語っている。この危機は数十年にわたって続いてきたものであるが、ここ最近それが急速に進行している。人口の急騰、都市のゆがみ、広大な農場地帯の乾燥化などがあり、公共水道や衛生ネットワークの問題などがある。

あまりにも乏しい水の問題があり他方には汚染問題がある。数百万の人々が毎年洪水に見舞われている。今日、農場の強化や、経済張っての持続、健康な住生活にとってこれらの問題が脅威となっている危機に瀕しているのはインドの経済的野心だけではなく世界最大の民主主義のイメージについてでもある。「我々が裕福な国になるのも貧しくなるのもすべて水が要因である」とニューデリーの科学環境研究所の理事Sunita Narainはいう。水に関わる紛争はインドの直面する厄介な変化の鏡であるといえる。都市と田舎の競合する需要、根強い金持ちと貧者の区別、盛んな経済と脆弱な環境など。

ニューデリーの水の苦境はインドの各都市の典型ともいえる。この国では都会の水供給網は荒廃していて、一日のうちのわずかな時間しか公共水道の供給はできない。その需要よりもさらに大きな問題は排水である。ニューデリーはかわすを癒すこともできず、生まれる排水の十分な対応もできていない。人口の45%は公共下水道システムに対応していない。 こうした問題は国内に広がっている。7億人以上、あるいは人口の3分の2は十分な衛生環境にない。清潔な水の不足により6歳以下の子供210万人が毎年亡くなっているとUNは伝える。

政府はインド人10人のうち9人までは公共水道の恩恵を受けているというが、その中には渇水や汚染水が含まれている。世界銀行は昨年10月の報告書でインドは深刻な水不足の時代に突入したという。「劇的な変化がない限り、それも政府による水の管理がすぐに行われない限り、「インドは新しいインフラを構築する資金や、人々の経済を充足するための水にもことかく」

<河のゴミ>
伝説のYamuna河その岸辺に生まれたこの都市はインドが格闘している水管理問題の好例である。ヒンズーの神話ではYamunaは天国から地上へ続く流れとされている。しかしいまやそれは不十分なインフラの肖像画ともいえるが今もなお崇拝されている。河にかかる橋からは。プラスチックに包んだコインや甘味を投げる。また遺灰も流される。

ニューデリーでYamuna河は死んでいる。Yumuna河がこの都市に入るところではヒマラヤの峰から246マイルの下流にあたるそこでは比較的清浄である。 市水道局のthe New Delhi Jal Board,は毎日2.29億ガロンの取水を再おこなっていてこれは飲み水として最大規模のものである。ところが河がこの都市を去るところではニューデリーの下水となってしまっている。住民は毎日9.5億ガロンの排水を流している。首都を貫通する流れは有害な黒い糸となり、未処理の排水が表面に、メタンガスが浮かび上がってくる。

新漁業監視船は回航中    アイスランド

2011-10-20 08:15:58 | 海事
アイスランドの新しい大型漁業監視船MV THORは建造地のチリーの造船所を離れ14,000浬先のレイキャビック近くの基地に向かっている(10月17日FUD)

パナマ運河を通航し米国のボストンとカナダのハリファックスに寄港したのちアイスランド到着は今月末の予定。(17日現在ではすでにボストンを出港した)

新しいTHORは2007に建造に着手、アイスランドの保有する3隻の沿岸警備隊の漁業監視船、2機のヘリ、偵察機などの旗艦となる船である。この艦隊の業務はふたつあって、違法操業の取り締まり、一般的な海域警備と事故に遭遇した漁船の捜索、救助活動などである。アイスランド沿岸警備隊のモットーは“常に準備済み”であり、1920年位創設以来漁業水域の監視にあたっている。

グリムスビー、ハル、アバデイーンなど英国のトロール船のベテランにとってはTHORの名称は古い響きを持つ。1970年のタラ戦争では英国トロール船や海軍の駆逐艦と衝突したのがアイスランドの砲艦THORである。長く続いた漁業紛争でこの砲艦は英国トロール船の漁具を切ろうとした。一度は英国の漁業支援船舶に火を噴いたこともあった。こうしたエピソードの後、英国海軍はトロール船団の保護にあたることになった。
アイスランドは英国に対し年間65,000トンの漁獲枠を申し出たが英国漁業界と英国政府によって拒否された、彼らは110,000トンを要求した。この紛争はアイスランド側が200浬規制をしたことで英国漁業者負けに終わった。

<本船概要>

IMO number : 9426893
Name of ship : THOR
Call Sign : TFIA
Gross tonnage : 4049
DWT : 2089
Type of ship : Patrol Vessel
Year of build : 2011
Flag : Iceland
Status of ship : In Service/Commission

新欧州漁獲枠はとんでもない   英国

2011-10-20 08:15:16 | 水産・海洋
欧州漁業委員会はアイルランド海でのさらなる漁獲枠削減を発表した。この発表は2012年に向けてのものでマダラ枠はゼロ、エビについては17%のさくげんとなっている(9月28日BBCNI)

地元漁業者らはこの提案はとんでもないものと評し、これによりアイルランド海では白身魚対象漁船は壊滅すると非難。最大の問題はらい根戸のマダラ漁獲枠がゼロとなることだ。ハッドクについても漁獲枠が25%削減される。北アイルランド魚類生産者機構のDick Jamesは白身魚漁船を稼働不可能にするという。

さらにニシン漁獲枠の25%削減についても怒りが発生、漁業者らは資源が十分であることの証拠があるという。また経済面で最大の問題はエビ漁獲の17%削減である。漁業者らはこの提案は科学的でなく、エビ資源は安定しているという。

漁業大臣のMichelle O'Neillは失望を隠さない。「来月には自分と関係者は地元漁業者とともに欧州委員会に対して環境的、社会経済的に納得のゆく方策を委員会に対して求めることになる」と。「自分は英国内の他の漁業担当大臣とも緊密に協力し、交渉の優先順位について合意したうえで秋のぎ漁業委員会にのぞむ」と。また欧州議会メンバーのDiane Doddsは新しい漁獲枠は北アイルランドの漁船団に終焉をもたらす」と表明。 「自分は委員会に対しより常識のある方策をとるよう求める」と同女史はいう。

「資源状態が健全なことや我々の漁船団が持続可能な漁業活動のために責任ある対応をしていることを頭に入れるべきだ」と。エビの漁獲減少はマダラとの混獲に関連している。新提案は11月のブラッセルでの漁業担当大臣の会合の年次漁獲枠交渉の基礎となる。