memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

海事安全局が違法給油船MT Ortakoy-1を拘束   ナイジェリア

2011-10-28 09:35:08 | 海事
ナイジェリア海事安全局NIMASAはこの語このような行為を抑止するため、違法交易を行うものに対し厳しい警告を発した(10月10日SNT)

この警告はナイジェリア水域で違法活動を行っていたMT ORTAKOY 1の逮捕拘束にからんでのもの。NIMASAの広報担当部門のHajia Lami Tumaka によればMT ORTAKOY の拘束はナイジェリアとベニンの共同パトロール部隊がナイジェリアとベニンの国境近くの海で不審な行動をしていた2隻の船を発見したことによる。海事安全局次長のCapt. Warredi Enisuoh と海事防衛部隊司令のNavy Captain AinaがNIMASAのチームを率いて初期的な検問を実施。この結果 MT ORTAKOY は燃料油とガソリンを積んでいたが、本船はその耐航性がないばかりか有効な書類の備えもがなかったという。

同局長の Ziakede Patrick Akpobolokemiは先月違給油に従事していた船舶の拘束にナイジェリア海軍との共同により行動したことに言及。 MT ORTAKOYの拘束は過去4週間でナイジェリア水域で拘束された船としては4隻目にあたるという。 またタンカーの MT KEMEPADEが9月28日にラゴスの錨地から消えたが、この船がIMO番号を消して、ガーナのTEMAの造船所で見つかっている。この事件の際には船主と船員一人が乗船していたという。安全と治安確保のため船舶の責任としてナイジェリア水域にある船舶は無線で所在を通報するようNIMASAは求めている。(以下省略)

中国漁民31人を逮捕     韓国

2011-10-28 00:05:34 | 海事
韓国全羅道の木浦海上警察は3隻の漁船に乗った中国漁民31人を韓国経済水域に侵入したとして逮捕したと、日曜日Yonhap通信が伝えた(10月24日Global Times)

中国のアナリストは逮捕は不当な行為と非難。 中国漁船は韓国の沿岸警備隊のヘリで発見されたもので大型船舶がその行為を阻止しようとしたと地元警察は述べた。韓国海上警察は、中国側が逮捕を逃れようとして鉄棒やシャベルで乗り込もうとする韓国警察に対抗したため、催涙ガスを使用したと地元当局の発表をYonhapは引用している。

中国人31人は公務執行妨害で法的訴追を受ける可能性が高い。「韓国がかように暴力的な方法で事件を起こしたことは不必要かつ不当である、中国と韓国の関係に資するものではなく、ちょうど中国とフィリッピンの間でも似たような事件がおきている」と遼寧省社会科学研究所の韓国研究センターの理事であるLü ChaoはGlobal Times に語った。

中国と韓国の漁業協定によれば両国行政による漁船に対する法の執行においては相互に違法行為について通報する、しかし法の執行のために相手国の漁船に乗り込むことはできないと定められている。2010年12月には黄海で中国人乗組員を拘束しようとした際に、中国漁船と韓国沿岸警備隊船舶との衝突により漁民1人が亡くなっている。その際には中国政府は韓国政府に対し厳粛な表現を行い、加害者に対する法の及ぶ限りの懲罰を行うことを要求、事件による損失を求償することを求めた。

円高と水産物

2011-10-28 00:03:44 | 
日本への水産物輸入は昨年同期に比べこの7月には値上がりしていることが通関統計で分かった(10月7日Seafood Source)

昨年7月の円レートは1ドル87円、これが円高で今年は79円となった。このことで日本の買い付け力は強化されるはずだが、実際には欧州、韓国、中国などの需要増加と漁獲には限りがあることで価格が上昇している。極東ロシアからのタラバカニの価格はキロ当たり2,252円と倍に、ズワイガニは30%の価格上昇となっているがこの理由は韓国と中国における需要の増大にある。

マグロ類ではさらに競争がある。とくにEUによるもので、メバチマグロはキロ当たり850円と10%上昇した。南太平洋諸国とは日本の会社は通常6か月間一定の契約を円建てで行っている。このため円高になってもその利益を享受できない。輸入物の冷凍クロマグロの価格はキロ当たり2,889円となっている。

マダコは30%価格上昇しキロ当たり710円となったが、主要供給源であるモロッコやモーリタニアの漁獲規制が厳しくなったことによる。このため東京のスーパーマーケットの販売価格も値上がりしている。ギンダラは23%上昇してキロ当たり1,553円に、キンメダイは41%上昇、630円、ギンザケは22%上昇の575円である。この全般にわたる高値傾向は8月も続いたが、3月の震災と津波による影響で国内物の供給が制約を受けていることによる。

加えて、9月には北海道の漁業者が強烈な台風のために秋サケの定置網の網入れができなかった。このため生鮮ものが不足している。サケの回帰は順調とみられるものの価格は短期的に上昇している。

7月の総輸入量は9%減って164,000 トンだが、輸入総額は逆に増えた。水産物の卸売価格の上昇とは対照的に食品や家庭用品のスーパーマーケットでの価格は7月には下降した、と日経ビジネスは伝えている。重点販売調査の結果は食品と家庭用品60品目のうちの52品目で対前年度比で下降している。

放射線の不安

2011-10-28 00:03:12 | 水産・海洋

津波に襲われた東北の8漁港の水揚げは4月以降急落している。3月11日の災害による漁船の被災もあるが、その主因は福島原発による放射線の恐れで販売がままならないことによる(11月8日Kyodo/japantimes)

漁船の出漁が減っているのは福島県の近くで漁獲された魚に対する消費者が避けるのではという恐れからである。港に留まることで燃料代を抑えることにはなるが、漁業者の損失は悪化している。

一年前に比べ、東北の5地区では漁獲が85~99%減少、消費者もこの地区からの魚を避けていると地元当局や漁業組合はいう。魚の水揚げは青森、福島、岩手、宮城の各県の主要港では水揚げが激減、市場関係者や漁業者は福島第一原発を非難している。「千葉から茨城の魚は同じ海で漁獲されている、しかし我々の魚は“福島産”と表示されているために売れない、馬鹿げたことだ」と福島県の小名浜魚市場の関係者はいう。また他の業界関係者は中国や韓国向けについても、買い付け側が値段をたたき販売不振という。

8漁港のうちの一つ、宮城県の塩釜では漁獲と販売が伸びている。これは津波による被害が比較的少なかったことと、他の港で水揚げできない漁船がこの港に入ることによる。東京にある水産物卸売協会によれば東北の漁獲減少が品不足を産み、価格の上昇を招いているという。しかし、業界人は放射能危機により消費者が魚離れを起こすことを懸念している。水産業は東北の沿岸地区では主要な経済基盤である。