memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

缶詰会社JOHN WESTが破壊的漁業を採用中止   英国

2011-08-04 09:54:08 | 水産・海洋

JOHN WEST社は英国で有力な最後の缶詰会社であるが、より環境に配慮した漁法に転換すると発表した(7月26日FUD)

英国の主要マグロ缶詰会社と自社ブランドを有するスーパーマーケットは混獲率の高い漁法による魚を採用しない、また太平洋の公海からのマグロを使用しないと公約した。
John Wesは英国で販売されるマグロ缶詰の3分の一を生産、世界最大の水産物加工会社Thai Unionの傘下にあり、英国の会社である Princes, Asda, Sainsbury’s, Waitrose, M&S, Tesco, the Co-op および Morrisonsなどと提携しているが, まき網とよばれる巨大な網漁具と魚群誘引装置FDAによるものをすでに採用しないとしている。FADとは魚を寄せ集めるための海面に浮かべた装置で衛星を利用したソナー装置と合わせても散られることが多い。ここいマグロを集めてから網を張り巡らし漁獲するが、同時にサメ、マグロの稚魚、ウミガメなども同時に漁獲されそのほとんどが無用として投棄される。「このことはサメやその他の海洋生物にとって大きなニュースだ」とグリーンピースの専務理事 John Sauvenはいう。

「数か月前にもマグロ缶詰の販売会社がこうした行為の不採用を決めたところであるが、今回の決定はマグロン缶詰業界にとって画期的なこと」英国の主要スーパーマーケットとマグロ缶詰ブランドは太平洋の海洋資源保護に目を向けており、大平洋の公海からのものと知れるマグロは購入しないことを約束している。

JOHN WESTの今回の決定で英国は世界で最も維持可能なマグロ缶詰市場ということになる。この環境に配慮した缶詰への転換は世界中に大きな影響を与えるであろう。英国は世界第2位のマグロ缶詰消費国であり、多くの会社が参入している。Princesは三菱傘下であり,AsdaはWalmartの傘下にあるがこれらは世界規模の協力による巨大企業である。 今後グリーンピースはJohn WestのオーナーであるMWブランドについても他国で販売するマグロ缶詰についても同様の決定を求めることになるであろう。

「この動きは英国以外でも非常に重要である。この変化は海で現れる。我々は今後世界中で環境に配慮したマグロ缶詰への転換が本当に行われるかどうかを見守る必要がある」とSauven氏はいう。「大平洋の公海における海洋資源保護は必要であるがこれは魚資源、海洋および海で働らく人や食物を海から得ている人にとって重要である」(以下省略)

クジラの皮膚標本を採取  カムチャツカ

2011-08-04 09:53:22 | 水産・海洋
ロシア極東のカムチャツカ半島のKronotsky自然保護区の研究者らは、クジラ資源の血族関係を明らかにするため30頭のコククジラgrey whalesから皮膚標本を採取するという(7月25日ITAR-TASS)

皮膚標本の重さはわずか0.5グラムであり35トンの巨体のクジラを損ねることはない。Kronotsky湾のクジラの数は45~60頭といわれる。標本採取は弓矢を使って20~25mの距離で行われる。専門家はクジラはまず何も感じることがないという。

保護区のMolosov次長は,二つの大平洋系群があることが知られている。その一つはオホーツク海と韓国の間を回遊するもので、もう一つはアラスカやカルフォルニアまで回遊する。 朝鮮半島付近に生息するクジラはおよそ200頭でありこれが数を増やすためにサハリンに接近するが、これらは絶滅の危機にさらされているという。後者はその数2万から3万頭であるとされる。

しかしながらMolosov氏はこれらを二つの系群に分けるのは誤りだという。カムチャツカの研究者らはこれらは一つの同じ群れでありそれがチュトカやカルフォルニアからサハリンや朝鮮半島にまで回遊しているのだと。

皮膚標本は今後2週間以内に採取され、それらのクジラは識別のために写真撮影されカムチャツカのクジラに登録される。コククジラ Eschrichtius robustusはヒゲクジラであり毎年摂餌と産卵場所を回遊する。長さはおよそ16メートル重量36トンに達しその寿命は50~70年である。このクジラの名前の由来は灰色のパッチと白いまだら模様によるものである。またこのクジラは捕獲される際の格闘の様子から悪魔の魚とも呼ばれた。この濾過をして摂餌するクジラは3千万年に誕生したという。