サッと並べるだけでOKの生ハムは、人が集まるパーティーではとても便利な存在です。
生ハムには色々と種類がありますが、今回はイタリアのパルマハムを紹介しましょう。
正式名称は、Prosciutto di Parma (プロシュート・ディ・パルマ)。
ちょうど先週、パルマハム協会からゼネラルマネージャーのステファノ・ファンティ氏が来日し、プレス向けのプレゼンテーションがありました。
Stefano Fanti General Manager Conzorzio del Prosciutto di Parma
パルマハムについては何度も取り上げていますので、簡単に紹介すると、
イタリア北部エミリア・ロマーニャ州のパルマでつくられる、原産地呼称認定(DOP)されている生ハムです。
特定の産地で、特定の製造方法でつくられ、保存料や着色料などはNG!、という厳しい基準をクリアした生ハムだけが、パルマの生ハムを名乗れます。
画像では見えにくいですが、DOPパルマ認定の焼印(王冠マーク)があります。
ホック状のものは、パルマハム協会の頭文字(CPP)と加工開始年月を表示したメタルシールです。
“SET.14”なので、2014年9月に加工開始したことがわかります。
ステファノ氏によると、パルマハムの対日輸出解禁が1996年で、今年2016年は20周年の記念の年になるそうです。
現在、総数約150社のうち30社の生産メーカーが日本に輸出していますが、日本への輸出量は年々増えており、2015年度は過去最高の18%の伸び率で、輸出量は12万5000本。
日本は、ヨーロッパを除き、アメリカに次ぐ第2位の主要輸出国で、2016年も好調だそうです。
パルマハム市場は、70%がイタリア国内で、輸出は30%です。
基本的には、丸ごとのハムの塊の形で流通するわけですが、時代の変化に合わせ、スライスした生ハムをガスパック詰めした正規スライスパクが増えており、その70%が輸出市場に回ります。
日本のスーパーなどで私たちが手に取るのも、スライスパックが多いですよね。
スライスパックは、ある程度の日持ちがし、開けて並べるだけですぐ食べられます。
そのまま食べてもおいしい生ハムですが、今回は、素晴らしいアレンジでいただきました。
アレンジをしてくれたのは、パルマの料理が楽しめるレストラン「ペレグリーノ」の高橋隼人シェフ。
高橋シェフは、パルマハム協会が認定する“パルマハムのスペシャリスト”(シェフや販売店の専門家で、日本には数名しかいないそうです)です。
高橋隼人シェフ (ペレグリーノ)
生ハムは畜産加工品ですので、個体によって大きさや形に差があり、同じ熟成期間を経ても、味わいはハム一本ごとに差が出てきます。
味わいや食感は、部位によっても異なります。
シェフが右手に持っている部位は内腿で、左手に持っているのが外腿になります。
内腿は肉の塊の大きさが小さく、赤身が多くて身が引き締まっていますので、噛みしめながら、ワインとともに食べるのが良さそうでしょうか。
外腿は脂が絶妙に入り、スライスすると空気に触れてふわっとします。これを口の中に入れるjと、脂が溶け、まったりクリーミーな口どけが楽しめます。
パルマの生ハムらしさを味わうなら外腿がいいでしょうけれど、でも、ワイン好きは内腿も好きに違いありません
どちらも、基本的には、スライスし立てをそのまま摘まんで口に入れる。
以上!
ペレグリーノには、イタリアはロンバルディア州ア職人製という生ハムスライスマシンがありました。
高橋シェフが使いやすい高さに合わせて調整されているそうです。
こんなスライサーがあればいいですが、家庭ではスライスパックに頼るしかありません。
それでも、ただ並べるだけではなく、色々なアレンジを加えると、さらにおいしく&楽しく食べられます。
もっともお手軽なアレンジは、フルーツとの組み合わせ でしょうか。
今回は、カットした“ル レクチェ”(新潟産の洋ナシ)の上にスライスした生ハムを載せました。
部位は外腿。脂があり、うま味もあるからです。
果物はイチジクでもおいしいですし、メロンもよく使われますよね。
とろけるようなテクスチャーと甘みがあるフルーツが合いそうです。
さて、お次は…
小麦粉の生地を用意し、油で揚げていきます。
キツネ色に揚がった生地は “トルタ・フリッタ” と呼ばれ、ぷっくり膨れています。
アツアツのトルタの上にスライスした生ハムを載せていきます。
脂身の少ない内腿の部分ですが、アツアツの揚げたてなので、その熱気で生ハムがふにゃんとトルタに絡み付き、一緒に口の中に入れると、パラダイス~
このトルタ~は、パルマでは街角でも食べられるとか。ファストフード的存在?
時間を置いたらダメなので、揚げたて必須です!
油を使って揚げるのが大変な人は、バゲットを使うこちらがオススメです。
バゲットをスライスした上に、無塩バターを載せます。
バターは、くるんとカールさせるような切り方。空気を含ませるためかと思います。
この上にスライスした生ハムを載せ、バケット+バター+生ハムという3段構造に。
ふんわりとした外腿の生ハムがバターとバゲットを包み込み、口の中の温度で溶けます。
これは、たまらないおいしさ!
いくつでも食べられそうですが、バターのカロリーが高いので、ご注意を(笑)
型の上にスライスした生ハムを載せ、さらに手を加えていく次の料理は、出されると確実にテンションが上がる一皿になります。
生ハムを敷き詰めた状態 ―このまま食べたいくらいですが(笑)
この上に、パルミジャーノチーズ入りのアツアツのリゾットを載せていきます。
お皿の上にひっくり返して盛り付けたら…
卵黄入りの濃厚クリーミーなソースをかけます
仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノチーズを振り掛けて完成
見た目も美しく、口に入れると、クリーミーでトロットロ~
リゾットとソースさえ用意しておき、型があれば(小さいココット皿など、なんでもいいそうです)、仕上げに削ったパルミジャーノを振り掛けるだけ。見た目が華やかなのに、手順は意外とシンプルでした。
家庭では塊で買う機会はほぼないので、切り出した端っこが残ることはほぼないと思いますが、スライスパックの生ハムがカピカピになって残ったりすることはあるかもしれません。
そんな時には、こんな一品が作れます。
ショートパスタ入りのスープ“パルマ・アノリーニ・イン・ブロード”
生ハムの切れ端を細かくカットしたものをチーズ入りソースに混ぜ、それをショートパスタに詰めて型抜きします。
このパスタをブロード(イタリアの出汁のこと)に入れれば完成!
スープがやさしい味で、ほっとしました。
寒い季節には、身体が温まるスープは嬉しいですね。
生ハムのお供には、同じ産地のエミリア・ロマーニャ州のワインがオススメ。
特に、赤のランブルスコは定番です。
スライスパックは手軽で便利なので、ぜひとも活用したいですが、切りたてを食べるなら、スライスマシンのある店が最高です。
もちろん、高橋シェフのお店でも食べられますが、なんと、すでに半年先まで予約でいっぱいで、今は予約をお断りしている状態だとか!
そんな中、パルマハム協会のプレゼンテーションで伺えたのは幸運でした。
生ハムは並べるしか能がなかった私ですが(笑)、今回いいヒントをいただきました。
高橋シェフ、ありがとうございました
PELLEGRINO ペレグリーノ
東京都渋谷区恵比寿2-3-4
http://pellegrino.jp/
※以前は西麻布交差点近くにありましたが、2015年4月に現在の場所に移転。
今の場所は恵比寿からも広尾からもアクセスできますが、歩いてみて、広尾の方が若干近いように感じました。
生ハムには色々と種類がありますが、今回はイタリアのパルマハムを紹介しましょう。
正式名称は、Prosciutto di Parma (プロシュート・ディ・パルマ)。
ちょうど先週、パルマハム協会からゼネラルマネージャーのステファノ・ファンティ氏が来日し、プレス向けのプレゼンテーションがありました。
Stefano Fanti General Manager Conzorzio del Prosciutto di Parma
パルマハムについては何度も取り上げていますので、簡単に紹介すると、
イタリア北部エミリア・ロマーニャ州のパルマでつくられる、原産地呼称認定(DOP)されている生ハムです。
特定の産地で、特定の製造方法でつくられ、保存料や着色料などはNG!、という厳しい基準をクリアした生ハムだけが、パルマの生ハムを名乗れます。
画像では見えにくいですが、DOPパルマ認定の焼印(王冠マーク)があります。
ホック状のものは、パルマハム協会の頭文字(CPP)と加工開始年月を表示したメタルシールです。
“SET.14”なので、2014年9月に加工開始したことがわかります。
ステファノ氏によると、パルマハムの対日輸出解禁が1996年で、今年2016年は20周年の記念の年になるそうです。
現在、総数約150社のうち30社の生産メーカーが日本に輸出していますが、日本への輸出量は年々増えており、2015年度は過去最高の18%の伸び率で、輸出量は12万5000本。
日本は、ヨーロッパを除き、アメリカに次ぐ第2位の主要輸出国で、2016年も好調だそうです。
パルマハム市場は、70%がイタリア国内で、輸出は30%です。
基本的には、丸ごとのハムの塊の形で流通するわけですが、時代の変化に合わせ、スライスした生ハムをガスパック詰めした正規スライスパクが増えており、その70%が輸出市場に回ります。
日本のスーパーなどで私たちが手に取るのも、スライスパックが多いですよね。
スライスパックは、ある程度の日持ちがし、開けて並べるだけですぐ食べられます。
そのまま食べてもおいしい生ハムですが、今回は、素晴らしいアレンジでいただきました。
アレンジをしてくれたのは、パルマの料理が楽しめるレストラン「ペレグリーノ」の高橋隼人シェフ。
高橋シェフは、パルマハム協会が認定する“パルマハムのスペシャリスト”(シェフや販売店の専門家で、日本には数名しかいないそうです)です。
高橋隼人シェフ (ペレグリーノ)
生ハムは畜産加工品ですので、個体によって大きさや形に差があり、同じ熟成期間を経ても、味わいはハム一本ごとに差が出てきます。
味わいや食感は、部位によっても異なります。
シェフが右手に持っている部位は内腿で、左手に持っているのが外腿になります。
内腿は肉の塊の大きさが小さく、赤身が多くて身が引き締まっていますので、噛みしめながら、ワインとともに食べるのが良さそうでしょうか。
外腿は脂が絶妙に入り、スライスすると空気に触れてふわっとします。これを口の中に入れるjと、脂が溶け、まったりクリーミーな口どけが楽しめます。
パルマの生ハムらしさを味わうなら外腿がいいでしょうけれど、でも、ワイン好きは内腿も好きに違いありません
どちらも、基本的には、スライスし立てをそのまま摘まんで口に入れる。
以上!
ペレグリーノには、イタリアはロンバルディア州ア職人製という生ハムスライスマシンがありました。
高橋シェフが使いやすい高さに合わせて調整されているそうです。
こんなスライサーがあればいいですが、家庭ではスライスパックに頼るしかありません。
それでも、ただ並べるだけではなく、色々なアレンジを加えると、さらにおいしく&楽しく食べられます。
もっともお手軽なアレンジは、フルーツとの組み合わせ でしょうか。
今回は、カットした“ル レクチェ”(新潟産の洋ナシ)の上にスライスした生ハムを載せました。
部位は外腿。脂があり、うま味もあるからです。
果物はイチジクでもおいしいですし、メロンもよく使われますよね。
とろけるようなテクスチャーと甘みがあるフルーツが合いそうです。
さて、お次は…
小麦粉の生地を用意し、油で揚げていきます。
キツネ色に揚がった生地は “トルタ・フリッタ” と呼ばれ、ぷっくり膨れています。
アツアツのトルタの上にスライスした生ハムを載せていきます。
脂身の少ない内腿の部分ですが、アツアツの揚げたてなので、その熱気で生ハムがふにゃんとトルタに絡み付き、一緒に口の中に入れると、パラダイス~
このトルタ~は、パルマでは街角でも食べられるとか。ファストフード的存在?
時間を置いたらダメなので、揚げたて必須です!
油を使って揚げるのが大変な人は、バゲットを使うこちらがオススメです。
バゲットをスライスした上に、無塩バターを載せます。
バターは、くるんとカールさせるような切り方。空気を含ませるためかと思います。
この上にスライスした生ハムを載せ、バケット+バター+生ハムという3段構造に。
ふんわりとした外腿の生ハムがバターとバゲットを包み込み、口の中の温度で溶けます。
これは、たまらないおいしさ!
いくつでも食べられそうですが、バターのカロリーが高いので、ご注意を(笑)
型の上にスライスした生ハムを載せ、さらに手を加えていく次の料理は、出されると確実にテンションが上がる一皿になります。
生ハムを敷き詰めた状態 ―このまま食べたいくらいですが(笑)
この上に、パルミジャーノチーズ入りのアツアツのリゾットを載せていきます。
お皿の上にひっくり返して盛り付けたら…
卵黄入りの濃厚クリーミーなソースをかけます
仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノチーズを振り掛けて完成
見た目も美しく、口に入れると、クリーミーでトロットロ~
リゾットとソースさえ用意しておき、型があれば(小さいココット皿など、なんでもいいそうです)、仕上げに削ったパルミジャーノを振り掛けるだけ。見た目が華やかなのに、手順は意外とシンプルでした。
家庭では塊で買う機会はほぼないので、切り出した端っこが残ることはほぼないと思いますが、スライスパックの生ハムがカピカピになって残ったりすることはあるかもしれません。
そんな時には、こんな一品が作れます。
ショートパスタ入りのスープ“パルマ・アノリーニ・イン・ブロード”
生ハムの切れ端を細かくカットしたものをチーズ入りソースに混ぜ、それをショートパスタに詰めて型抜きします。
このパスタをブロード(イタリアの出汁のこと)に入れれば完成!
スープがやさしい味で、ほっとしました。
寒い季節には、身体が温まるスープは嬉しいですね。
生ハムのお供には、同じ産地のエミリア・ロマーニャ州のワインがオススメ。
特に、赤のランブルスコは定番です。
スライスパックは手軽で便利なので、ぜひとも活用したいですが、切りたてを食べるなら、スライスマシンのある店が最高です。
もちろん、高橋シェフのお店でも食べられますが、なんと、すでに半年先まで予約でいっぱいで、今は予約をお断りしている状態だとか!
そんな中、パルマハム協会のプレゼンテーションで伺えたのは幸運でした。
生ハムは並べるしか能がなかった私ですが(笑)、今回いいヒントをいただきました。
高橋シェフ、ありがとうございました
PELLEGRINO ペレグリーノ
東京都渋谷区恵比寿2-3-4
http://pellegrino.jp/
※以前は西麻布交差点近くにありましたが、2015年4月に現在の場所に移転。
今の場所は恵比寿からも広尾からもアクセスできますが、歩いてみて、広尾の方が若干近いように感じました。
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