ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

コロナ時代のワイン試飲会のパターンいろいろ

2020-12-01 21:44:39 | ワイン&酒

例年であれば、年間約90件前後のワイン試飲会に出向いて取材していますが、さすがに今年は新型コロナウイルスの影響で、試飲会の開催自体が非常に限定的です。

 

春はほぼ壊滅的でしたが、感染が落ち着いてきた秋は、大きなワイン試飲会がいくつか開催されています。

その中で、いくつかを紹介したいと思います。

紹介するのは、試飲会の中身ではなく、形式(スタイル)の方です。

 

まずは、ワインの試飲会の基本的なことを紹介します。

業界関係者の方はご存じのことですが、これを読んでくださる方の中には、試飲会とは何ぞや?という方もいらっしゃると思うので、まずは試飲会の標準形式を紹介したいと思います。

 

 

ワインの試飲会は、レストランやワインショップが、自店で販売するワインを見つけるためのとても有効的な手段のひとつです。

何十、何百というワインの中から、うちの店にはコレ!というのを見つける最大のチャンスです。

また、日本に未輸入のワインが紹介されることもあり、その場合は、輸入元の方が、自分のところで扱いたいワインを探すことができるチャンスです。

 

ワインジャーナリストである私が試飲会に足を運ぶのは、ワインのトレンドを把握し、次に来そうなワインを探ったり、まだ誰も知らないようなワインを発掘したり、これ!というワインを見つけることが大きな目的です。

 

ワインの試飲会では、気になったワインをグラスに注ぎ、口に含んだら、飲み込まずに紙コップなどに吐き出します。

吐き出さずに飲む方もたまにいますが、多くの人は吐き出します。

飲んだら酔っぱらってしまい、その後の仕事に支障が出てしまうかもしれないからです。

 

しかし、この「吐き出す」という行為は、コロナの時代には非常に危険なわけです。

その人がウイルスの保菌者だった場合、吐き出したワイン自体や飛沫などにウイルスが含まれてしまうかも?

使用後のワイングラスは、徹底的に洗浄、除菌しなければなりません。

 

そうしたさまざまな危険性があるため、ワインの試飲会の主催者は、さまざまなリスク対策をとる必要があります。

例として、私が参加した3つの試飲会の対策を紹介しましょう。

 

1)ワインは吐き出さずに飲む!

吐き出したワインや飛沫、こぼしたワインなどにウイルスが含まれる可能性があるため、その試飲会では、吐き出すことはNGで、必ず飲んでください、といわれました。

ワイングラスを使うのも危険なので、小さなプラカップを使い捨てしました。

小さなプラカップでは味がよくわからないですし、1回使って捨てるのはエコではないですし、なによりも、全部飲まないといけないのが辛かったです。

 

2)会場のあちこちに半個室形式の吐き出しスペースを設置

このときはワイングラスで、吐き出し用の大きな紙コップが配布されました。

会場の隅に、何カ所も吐き出したワインを捨てるスペースが作られていて、パーテーションで仕切り、飛沫が拡散しないようにしていました。

紙コップの中身を捨てに行きやすかったので、これはとても楽でした。

 

3)小さい紙コップ&吐き出し場所が遠い

ワイングラスが使えたのはマル。

ただし、吐き出し用の紙コップがとーっても小さい!プリンカップくらいです。

当然、紙コップはすぐにいっぱいになります。

捨てる場所は?と訊くと、試飲会場から外に出て、さらに離れた場所の屋外のテラス。

そのテラスに出るまである程度の距離を歩き、テラスに出る手前には段差があるため、股関節を手術した私には、距離&段差が辛かったです。

テラスに出るには、手に持っている荷物を置かないと不安定で怖かったです。

何度も捨てに行かないといけなかったので、足の悪い私には酷でした。

 

というようなパターンがありましたが、ストレスなく試飲できたのは、2)です。

 

主催者も、色々な対策を考えてのことですが、参加者にもさまざまな事情があるので、それを考慮していただけると助かります。

 

 

なお、会場が「密」にならないように、今はどこも1時間前後と時間を区切り、特定時間帯での事前予約必須となっています。

人数制限しているので、試飲会場にいる人が少なく、ストレスなく試飲できるのはいいです。

でも、試飲できる時間が非常に短いので、会場が広くてアイテムが多い場合は、非常にせわしないです。

また、会場にいられる時間よりも、そこに行くまでの時間が長くかかったりした場合は、なんか切なくなりますね

 

試飲する際も、直前までマスクをして、試飲の時に外して、またマスクを戻します。

放す時は、もちろんマスク越し。

なんだか、実験室みたいで、呼吸の音もさせずに飲んでいます

 

この試飲会スタイル、いつまで続くんでしょう…

1日も早いコロナの収束を願ってます。

 

 

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