ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

秋の気配に誘われカリフォルニアのカベルネをーBeringer Knights Valley Cabernet Sauvignon

2020-09-15 22:17:57 | ワイン&酒

最高気温35℃! 体温並み! と騒いでいた頃と比べて、9月の半ばを迎え、少ししのぎやすくなってきました。

夏はビールだ!と、この夏もビールやビール系飲料を毎日飲んできましたが、ワインも飲みたい、というのが本音です。

 

そこで、いつも飲んでいるワインよりもランクを上げ、カリフォルニアの名門ワイナリーであるベリンジャー社のカベルネ・ソーヴィニヨンを選んでみました

 

Beringer Vineyards Knights Valley Cabernet Sauvignon 2015 

(USA, California, AVA Knights Valley)

 

1876年に創業したベリンジャー社は、ドイツ出身の兄弟によって設立され、1977年に誕生したプライベート・リザーヴで名を挙げた名門中の名門です。

現在は、さまざまなレンジのワインをつくっていますが、このナイツ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨンは、産地ごとの個性を活かしたアペラシオンシリーズのひとつ。

 

ナイツ・ヴァレーは、カリストガとガイザーヴィルを結ぶルートの中間ほどに位置するAVAで、ボルドー品種の栽培に向いているとされています。

ベリンジャーの畑は、ワイナリーのあるサンタ・ヘレナから近い場所にある岩の多い沖積層の土壌です。

土壌と品種の相性はバッチリのようなので、期待をこめて飲んでみると…

 

 

濃く黒っぽい色調です。

2015年なので、まだ若くて硬いかと予想していました。

最初のひとくちめは、たしかに硬さがあります。

が、それを口の中で転がしていくうちに、丸みを帯び、甘くなってきました。

セラーから出したばかりだと、まだ温度が低いので、少し時間を置いた方がいいと思います。

 

果実味のボリュームが大きく、タンニン量も多いですが、よくこなれ、とてもまろやかでしなやか。

そこに上品な酸味が加わり、なめらかなバランス 。おいしいです。

 

 

3日かけて飲みました。

1日目はチューリップ型グラスで。

少し甘め、ゆるめに感じたので、2日目は大ぶりのボルドーグラスで。

タンニンがシュッとして、やっぱりボルドーグラスの方が相性がよさそうです。

3日目もボルドーグラスで。まったくヘタっていません。

 

 

合わせたフードは、順に、ステーキ、赤魚の粕漬、鶏手羽元とジャガイモの煮物

 

牛の赤ワイン煮込みが合うようなのですが、私はシンプルなステーキにしてみました。ソースを甘みのあるものにすれば、よりワインと寄り添います。

赤魚の粕漬けは、一見NGな気がしますが、いがにもいけました。酒粕がワインと魚をつないでくれたと思います。生臭みもありません。

鶏手羽元とジャガイモは、肉じゃがの鶏バージョンで、甘辛いタレがワインと合います。牛肉の肉じゃがなら完璧ですが、お手軽な手羽元でも大丈夫です。

カリフォルニアのカベルネは、ガッツリした料理を用意しないと飲めないイメージがあるかもしれませんが、思いついた組み合わせを試してみるのも楽しいと思います。

 

 

ベリンジャーのナイツカベルネは、カリフォルニアらしいリッチな味わいながら、手が届く価格で楽しめるワインだと思います。

2015年はすでに飲み頃になっているのがいいですね。

覚えておいて損のないワインです。

 

ベリンジャーは、創設者の直系の5代目マーク・ベリンジャーが2015年が戻ってきて、8代目のチーフワインメーカーとして活躍中。安定のワイナリーです。

 

輸入元:サッポロビール

参考小売価格:5500円

 

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