ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

第8回「J.S.A.ソムリエ・スカラシップ」最終審査内容リポート

2019-02-09 19:24:00 | ワイン&酒

昨日行なわれた、若手ソムリエのコンクール「第8回J.S.A.ソムリエ・スカラシップ」の優秀者については、昨日のうちに速報でお伝えしました。

全国125名の応募者が12名に絞られ、最終審査に進めたのは、たった5名でした。
この5名が公開審査で闘い、結果、3名が「J.S.A.ソムリエ・スカラシップ 優秀賞」を手にしました。

本日は、5名のファイナルリストが臨んだ審査内容を紹介します。



最終審査に進んだ12名の選手
列の一歩前に立っているのが、公開審査に進んだファイナリスト5名です。

【第8回J.S.A.ソムリエ・スカラシップ】 ファイナリスト 5名 ※以下は審査順

石川 垣内 大樹 (株式会社 ひらまつ)
山梨 依田 己輝 (株式会社 モトックス)
東京 井出 智也 (エノテカ株式会社)
愛知 東原 教人 (丸三株式会社)
千葉 山田 琢馬 (株式会社東京會館)



<公開審査>



①本日のグラスワインリストとして用意された11本のワインをチェックし、上司のチーフソムリエに報告し、スタンバイまでを完了させる。(日本語、6分)



ワインをチェックする垣内選手



ワインチェックとスタンバイで残念ながらタイムアウトの依田選手



上司役の森審査委員長に報告をする井出選手

ワインリストは、実際のワインとヴィンテージや種類が違うものが混ざっていたり、リストには載っているものの、実物がないものがあったりと、間違い探しの要素も含まれています。
ワインチェックの後、スタンバイしてから報告する選手、ワインチェック後すぐに報告し、後からスタンバイに入る選手、報告がない選手、スタンバイを行なわなかった選手と、さまざまでした。


②2名のテーブル客へのアペリティフサービス。リクエストを伺い、提供する。(選択言語、3分)
女性客はグラスシャンパーニュ、男性客はジントニッククラッシックをオーダー。



パリのレストランに勤務する東原選手はフランス語で対応。
ジントニックを作る際の氷とグラスの扱いが手馴れていました。



ジントニックのジンの計量に思案する山田選手



グラスシャンパーニュをサービスする垣内選手

どの選手も、グラスシャンパーニュのサービスは手馴れていましたが、ジントニックの作成では差が出ました。普段から作り慣れている選手には簡単だったと思いますが、そうでない選手には大変だったようです。
ソムリエコンクールでは、こうした簡単なカクテル類の作成&サービスは、ほかでもほぼ確実に問題として出てきますので、対策が必要です。


③テーブル客2名に、この後の料理に合わせたグラスワインのリクエストを訊き、オーダーを取る(選択言語、2分)
希望料理はスカロップのセビーチェ(帆立貝のマリネ)。



いくつかの提案をして、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランに至った東原選手。
が、この前の課題②でワインのスタンバイをしていなかったため、途中でストップ。



ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランに辿り着くも、冷えが足りず、温度が高くてすぐに提供できないと説明する依田選手。

魚介を使ったさっぱりしたマリネであるセビーチェには、シャキッとしたクリスピーな白ワインを合わせるのが定石なので、ワインリストの中からニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランがすぐ出てきそうなんですが、どの選手も3回くらいは遠回りしていました。
セビーチェ自体を知らない選手もいたかもしれないですね。

シャンパーニュ デュヴァル・ルロワの指定されたキュヴェ(ファム・ド・シャンパーンニュ)の魅力、セールスポイントを男性客(実はデュヴァル・ルロワ社の副社長ジュリアン氏)に説明する(選択言語、2分)



垣内選手



井出選手



山田選手

皆さん、一生懸命に説明されていました。



5人のファイナリストによる審査後すぐに各選手の得点が表示されましたが、その点数に、ゲスト審査員による点数、最終審査前に行なわれた5名の個別面接時の点数が加えられ、3名の優秀者が決定しました。




井出智也(エノテカ) 垣内大樹(ひらまつ)  東原教人(La Reserve Paris)

3名の優秀者には、コンクールのスポンサーのひとつであるデュヴァル・ロロワ社よりフランス研修旅行(9月、シャンパーニュ地方訪問、レストラン研修など)が贈られました。

また、同スポンサーであるボルドーのネゴシアンであるジョアンヌ社より、3月にベルギーで行なわれる世界最優秀ソムリエコンクールの観戦ツアー招待が、ワインズ・オブ・チリからは、1名をチリに招待(4月、該当者は垣内選手)、などが贈られました。

このほかにも、ニュージーランドグローワーズ賞(過去のソムリエ・スカラシップ優秀者に授与:佐々木健太、岡村敏道)、ルーイン・the heart of wine賞(井黒卓)が贈られました。





最終審査まで進んだ12名の選手

27歳以下という年齢制限がありますので、チャレンジできる年数は限られていますが、2回、3回と挑戦している選手が多くて感心しました。

今回は、3名のみが優秀者でしたが、他の9名にもまだチャンスはあります。
次の優秀者は、この中にいるかもしれません。



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