ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ボジョレ・ヌーヴォー2016を飲み比べました

2016-11-18 15:27:50 | ワイン&酒
ボジョレ・ヌーヴォー解禁日の私の毎年の恒例は、ヌーヴォーの試飲巡り(笑)

必ず行くのが、東京の銀座エリアです。
銀座の中心地には2つの大きなデパートが隣り合い、ヌーヴォーの解禁日には色々と試飲ができるからです。

今年のボジョレ・ヌーヴォーに関しては、断然、「松屋銀座」がオススメです。

銀座松屋の地下1Fのワイン売り場の前にあるカウンターには、販売中のボジョレ・ヌーヴォーがわかりやすく並べられていていました。
ヌーヴォー選択のセンスもよく、今年は15、16種類ほどらしいです。

試飲アイテムが多いのもマル。
また、試飲サービスを担当しているスタッフは感じのいい若い女性が多く、ワインの知識もしっかりとしていて、自分のお気に入りも交えながら紹介してくれました。

もう一軒の百貨店でも、今年の作柄などの基本的な質問を投げかけてみましたが、こちらもさすがにキッチリと返ってきました。こちらは売り場がかなり縮小し、試飲アイテムが少ないのが残念。

銀座松屋で飲み比べた中で私のイチオシは、以前に紹介した「ドメーヌ・ド・ラ・マドンヌ」のヌーヴォーです。うまみがあり、滋味で、ほっこりおいしい。
(輸入元:ミレジム、税抜2900円)



記事の中で紹介した Domaine de la Madone(2016年のヌーヴォーの画像ではありません)
※ドメーヌ・ド・ラ・マドンヌの記事 → コチラ


面白いところでは、ボルドーで「クロ・レオ」というワインを造る日本人の篠原麗雄(しのはら れお)さんが、ボジョレの生産者ボール・アンドレ・ブロセットとコラボして初めてつくった限定生産のボジョレ・ヌーヴォーがありました。
飲んでみると、非常に濃い!ボルドー的とも言えます。これ、ホントにガメイですか?お値段は4000円超とお高め。輸入元は徳岡。

また、ブルゴーニュのドメーヌ・アラン・ユドロ・ノエラの当主が初めてつくる「シャルル・ヴァン・カネット ボジョレー・ヌーヴォー プリムール」(ビオ認証、ノンフィルター)も試飲もできました。こちらも輸入元は徳岡。

なお、銀座エリアでは、銀座東急プラザの地下にあるフードバル&ワインショップ「TOKUOKA WINE&GOURMET GALLERY GINZA」(徳岡運営)で、解禁日の11月17日~20日(日)までの期間限定で16種の新酒飲み比べができるイベントを開催するようですから、こちらに行ってみるのもいいかもしれません。





その後は、キリングループの新酒利き酒会にて、アルベール・ビショー、ルイ・ジャドといったお馴染みの生産者の2016年新酒を飲み比べてきました。



アルベール・ビショーのボジョレー・ヌーヴォーは、昨日も紹介した“トロフィー・リヨン・ボジョレ・ヌーヴォー”の2016年コンクールで銀賞受賞。
キレイな赤いフルーツの風味があり、スーッと飲めるタイプでした。
この上のクラスのボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーの方は、同コンクールで金賞を受賞しています。



うまみ好きの方には、ノンフィルタータイプがオススメ。
アルベール・ビショーのボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー2016は、うまみ、コクがあり、おいしい!



おなじみ、ルイ・ジャドのボジョレ・ヴィラージュ・プリムール2016も、ノンフィルタータイプがいつも通りにおいしい!お値段は少し高くなりますけれどね。



ヌーヴォーではありませんが、ボジョレのブドウ品種ガメイの熟成の可能性を確認するために、20年経過した1996年のMoulin-a-Vinが比較試飲として特別に登場しました。



まだまだ全然元気!骨格がしっかりとしながら、ピノ・ノワールのようにも思える官能的な熟成を遂げていました。




そうそう、昨日、名前だけ紹介した「アルベール・ビショー ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー ドメーヌ・デュ・ボワ・シェーヌ 2016」を試飲できました。
トロフィー・リヨン・ボジョレ・ヌーヴォー2015で金賞を受賞した、ボジョレ南部ブルイイ村のドメーヌ仕込みで、今年初めて日本に登場しました。
しっとり、なめらかなテクスチャーで、こっくりとやさしい、明るい味わいです。アルコールも12.5%。食とともに楽しむのに良さそうです。



もうひとつ、「アルベール・ビショー ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー シャトー・ド・ヴァレンヌ 2016」も気に入りました。こちらもリヨンのコンクールで金賞を受賞しています。味わいは、よりうまみを強く感じました。こちらは、しっかりとした味わいを求める方にオススメです。



あれこれ飲み比べてみましたが、今年のボジョレ・ヌーヴォーは、ガッツリ!というよりも、果実味ふっくらで、ふわふわっと軽く上の方に浮いているようなものが多いように感じました。可愛らしいフルーツ感があり、飲みやすいけれど、薄くない。もちろん、ピンからキリまであるでしょうけれど、そんな印象を受けました。



近年は色のラインナップも充実



ルイ・ジャドのマコン・ヴィラージュ・プリムール2016(白)をキリリと冷やし、レモン味のマカロンと合わせてみたところ、バッチリでした。
白やロゼなら、ティータイムのスイーツと楽しむのもいいですね。



イタリアの新酒“ノヴェッロ”も果実味が豊かでおいしかったです



シャトー・メルシャン 日本の新酒 甲州2016(メルシャン ビジターセンター限定)

日本の新酒も飲みました。
メルシャンの新酒甲州は、甲州~!とすぐわかるほどの甲州の風味があります。
甲州好きにはたまらない1本だと思いますが、山梨まで行かないと買えません。


シャトー・メルシャン 日本の新酒 マスカット・ベーリーA 赤 2016
(メルシャン ビジターセンター限定)

マスカット・ベーリーAには独特のキャンディ的な風味が感じられることが多いですが、この新酒には、そうしたニュアンスがまったくありません。果物の風味たっぷりで、もわもわした果肉感が少しあり、なめらかでおいしい新酒です。いいなぁ~、これ





キリンホールディングスの横山清CEO(写真)によると、
ワイン市場は6年連続で伸びており、特にここ3年の伸びは過去最高の数字となっているとか。

昨日の記事にも書いたように、ボジョレ・ヌーヴォーの輸入量はピーク時と比べて半減していますが、
「日本のワイン市場は成熟し、適度に飲まれるようになってきた。ボジョレ・ヌーヴォーは、初物好きで、季節の行事を大事にする日本の文化にマッチした、季節を味わえる商品。これからもその意味合いを高めていく方向で販売していきたい。
日本のワイン市場は、これまではヌーヴォーから年末までがワイン商戦時期だったが、今はハロウィンからスタートしている。が、今後は、1月、2月、3月…と、1年を通じてずっと飲まれるようになってほしい」と、横山CEO。
仰る通りです。



今日は金曜日。
帰りがけに好きなワインを買い、家でゆっくりくつろぎながら過ごすのもいいですね

【参考】
ボジョレ・ヌーヴォー2016 本日解禁! コチラ

コメント
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