ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

料理と楽しむ上質ドイツワイン-マリアージュの提案

2014-03-02 15:08:15 | ワイン&酒
以前ここで 上質ドイツワイン を紹介したところ、飲んでみたい!という友人からのリクエストを受け、料理とともに楽しむドイツワインの会を友人宅にて開催しました。



フード類は、料理上手な友人がいろいろと用意してくれました


ビアシンケン (ハム、スモークチキンなどの盛り合わせ)


ドイツパン盛り合わせ


人参サラダくるみ添え ホワイトバルサミコ風味


からすみ大根 (台湾のからすみ)


レンズ豆のスープ ローストソーセージ添え


ホタテと海老芋の豆乳グラタン 


チーズ盛り合わせ


デザートいろいろ



ワインは、白5(リースリング)、赤1(シュペートブルグンダー) の6種。
すべて ドイツワインショップ 「ヴァインベルク」 の宮城 純さんのセレクトで、宮城さんにも参加いただきました。


左より)飲んだ順番もこの通り
Niedermenniger Sonnenberg Spalese feinherb 2012 Hofgut Falkenstein (Saar)
Trittenheimer Apotheke Spatlese trocken 2012 Bernhard Eifel (Mosel)
Krover Paradies Spatlese trocken 2011 Martin Mullen (Mosel)
Niedermenniger Sonnenberg Spatlese trocken 2011 Hofgut Falkenstein (Saar)
Krover Paradies "Jippi" Spatlese 2005 Martin Mullen (Mosel) <初>
Falkensteiner Hofberg Auslese 2012 Hofgut Falkenstein (Saar)

Krover Paradies "Jippi" Spatlese 2005 Martin Mullen が初登場で、それ以外は 以前に紹介済



以前に飲んだ時と今回の印象が違ったワインもありました。

例えば、Trittenheimer Apotheke Spatlese trocken 2012 Bernhard Eifel
前回は非常に繊細でやさしいタッチのワインだと感じたのですが、今回は骨格のしっかりした辛口の味わいで、キリリとしています。
これはスモークチキンや、レンズ豆スープの中のソーセージによく合いました。
飲む順番や、料理と合わせたことが、ワインの味わいに影響を与えているのでしょう。

同じ辛口ながら、少しやわらかなタッチの Krover Paradies Spatlese trocken 2011 Martin Mullen も、スモークチキンによく合い、ハム類の中ではゼリー寄せのものによくマッチしました。

素晴らしかった組み合わせが、唯一の赤、シュペートブルグンダーとグラタン


Niedermenniger Sonnenberg Spatlese trocken 2011 Hofgut Falkenstein

バターは少し加えたそうですが、ベースは豆乳を使ったグラタンで、ホクホクした海老芋(里芋の一種)とホタテの貝柱がゴロンと入っています。クリーミーでなめらかですが、しつこくありません。
この赤ワインはデリケートで軽やかなタイプですが、少し熟したニュアンスがある点が、グラタンのまろやかな味わいに合ったと思います。
タンニン分ガッチリの濃厚なカベルネ系や、同じピノ・ノワールでも樽香プンプンのマッチョなタイプでは、このグラタンには合いません。
グラタンはリッチなシャルドネとの組み合わせは定番ですが、豆乳ベースで海老芋が入るような今回のグラタンには、リッチなシャルドネではなく、軽快でやわらかな、少し熟成感の出てきたタイプの赤をぜひ合わせてみてください。



Krover Paradies "Jippi" Spatlese 2005 Martin Mullen

このシュペトレーゼが今回初登場でした。アルコール8.5%の甘口タイプ。
ドイツワインの甘さには酸が伴います。このワインも上品な甘酸っぱさがあり、料理ともいろいろ合わせられます。
おいしくて、何回もお代わりしてしまったのが、人参サラダ。ホワイトタイプのバルサミコ酢をかけてあり、このバルサミコ自体が甘酸っぱくて超美味!人参サラダにさらにバルサミコをかけ、このシュペトレーゼと味わうと、どちらの甘さもより引き立ちます。まさに相乗効果。グラタンのソースとこのワインとの相性もよかったです。

なお、Falkensteiner Hofberg Auslese 2012 Hofgut Falkensteinと人参サラダ の組み合わせもとてもおいしかったです。

後半の 甘口タイプ2種は、ラムレーズンの入った甘めチーズや、チョコレートケーキ(TOPS)ともバッチリで、アウスレーゼは黒ゴマのプリンとも合いました。



一通り飲んで&食べて感じたのは、どのタイプのドイツワインもフードと違和感なく合わせられる柔軟性がある ということ。
甘さのある白も、赤ワインも、いい相手に出合えば、素晴らしいマリアージュが楽しめます。

とりわけ応用範囲が広いと感じたのは、中辛口(中甘口)のファインヘルプ


Niedermenniger Sonnenberg Spalese feinherb 2012 Hofgut Falkenstein

繊細な酸が乗った、上品な甘さのファインヘルプは、人参のサラダによく合い、ハム類ともマッチします。グラタンソースのからんだホタテもいけました。
爽やかな甘さなので、最初にそのまま飲んでもよく、最後のデザート(フルーツを使ったものがよさそう)にも合わせられます。

実にドイツらしいワインで、アルコール度数も10.5%と軽く、いろいろな場面で使える万能選手。
こういうワインを知っていると、生活がより潤うこと間違いなしです



今回初めて出合った ホワイトバルサミコ酢 はスグレモノ

黒い通常タイプのバルサミコより酸のキメが細かく、繊細な味わいです。
これをかけると、ワインには合わなそうな“からすみ大根”も、不思議とイイ感じになってきます。
酸の乗った白ワイン好きな方は、ホワイトタイプのバルサミコを常備しておくことをオススメします。私もどこかで見つけてみたいと思っています。


センスよくてオシャレな紙ナプキン

お料理を用意してくださったKさん、ヴァインベルクの宮城さん、お世話になりました


Weinberg  -ドイツワインショップ ヴァインベルク
   http://weinbergwine.com/


コメント
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