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ワインな ささやき ※「はてなブログ」(https://may-w.hatenablog.com/)に引っ越します

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

シャンパーニュとチーズのマリアージュ

2013-10-27 13:27:11 | ワイン&酒
昨日(10月26日)は、一昨日(25日) に引き続き、銀座松屋 さんで開催されているワインフェア の中で、ワインセミナーの講師をしてきました。

26日のテーマは、シャンパーニュとフランスチーズのマリアージュ

フランスでは、チーズは食事のコースの最後、デザートの前に出されます。
チーズには、メインで残ったワインを合わせるもよし、懐が温かい方は新しいワインを注文するもよし(笑)
この時にシャンパーニュをチョイスする手ももちろんありです。その場合は、熟成タイプのものか、ピノ・ノワールの比率が高くてふくよかな味わいのものがいいでしょう。


Champagne Olivier et Bertrand Bouvret “La Perle” Brut NV 

今回のワインは、オリビエ・エ・ベルトラン・ブブレの“ラ・ペルル”。生産者はシャンパーニュの最も南に位置する産地、コート・デ・バールのメレ・シュル・アルス村(Merrey-Sur-Arce)のレコルタン・マニピュランで、栽培はビオロジーに近いリュット・レゾネで行っています。



“ラ・ペルル”とは“真珠”の意味。このキュヴェは年間2000~3500本の限定品。
コート・デ・バールは土壌(石灰岩、泥灰土)がピノ・ノワールの栽培に適しているため、シャンパーニュを構成するピノ・ノワールの比率が高くなり、このペルルもピノ・ノワール80%、シャルドネ20%

コート・デ・バールはシャンパーニュの最南の産地ですからブドウがよく熟し、ワインはしっかりとした味わいのものになります。

このラ・ペルルも、やさしく上品な口当たりの後、ふっくらとした味わいが口の中に広がり、バランスもgood。
セミナー参加者の皆さんも、「おいしい!おいしい!」とゴクゴク召し上がっていましたが、ちゃんとチーズと合わせてくださいね(笑)

ということで、今回登場したのは、こちらのフランス産チーズたちです。


ブリ・ド・モー(トリュフ入り) /  クロミエ   /  ブリア・サヴァラン(クランベリー)

ブリ・ド・モー は、パリの東一帯イル・ド・フランスからシャンパーニュ地方にかけて作られる大型の白カビチーズで、チーズの王様と呼ばれています。チーズ好きなフランス人が最後に辿り着くのがこれ、という存在で、熟成するとトロ~リとした状態になり、大理石のストッパーで流れ出すのを止めなければならないほど。
ブリには、モーの町で作られるこのプリ・ド・モーと、ムランの町で作られるブリ・ド・ムランの2種類があり、モーの方が大型で、味わいはデリケート、ムランはやや小ぶりになり、味わは力強く男性的と言われます。

クロミエ もイル・ド・フランス産の白カビタイプのチーズ。ブリ・ド・モー、ムランと並び、3兄弟と呼ばれ、3つの中では一番小型ですが(12.5cm~15cm)、厚みがあります。熟成の微妙な過程を味わいますが、地元では中にやや芯が残った状態が好まれているとか。

ブリア・サヴァラン という名前は商標です。この名前は、『美味礼賛』の著者ブリア・サヴァランから。チーズに思い入れのあったブリア・サヴァランは、「チーズのないデザートは片目の美女」と言っています。
ノルマンディーを主な産地とし、牛乳にクリームを加えたトリプルクリームタイプのこってり濃厚なチーズです(固形乳脂肪分75%以上)。

通常、チーズとワインは同じ産地のものを合わせるのがいい、とされます。
ということは、シャンパーニュにはブリとクロミエが合いそうな予想ですが…



クロミエ(写真手前)の熟成状態は地元好みのやや芯が残る状態で、口の中に少し留まった後、マイルドに溶けていきます。

ブリ・ド・モー(写真奥)は、間にトリュフを挟み、さらに濃厚な味になっています。サンドされていますから、ブリの部分だけを食べ、トリュフの部分だけを食べ、という楽しみ方もできます。

ブリア・サヴァラン(写真右)は、外側に甘酸っぱいクランベリーが付けられています。このチーズはトリプルクリームで濃厚ですが、適度な酸味もありますので、それだけでもバランスがいいのですが、クランベリーが加わり、さらに爽やかな状態で、まるでデザートのよう。ピノ・ノワール比率の高い今回のシャンパーニュとの相性もとてもよかったと思います。

参加者の皆さんに、シャンパーニュとどのチーズとの組み合わせが一番好きでしたか?と尋ねると、見事に意見はバラバラでした。当然といえば当然ですよね。

わたしたち日本人は、シャンパーニュはアペリティフや乾杯で飲むことが多く、チーズはオードブルプレートなどに並べられることが多いですが、もちろん、そうした楽しみ方も全然OKです。

産地との組み合わせをはじめ、あまり細かいことにこだわらず、皆さんが自分の好きな楽しみ方や組み合わせを発見していただければいい と思います



※10月27日(日)28日(月)もセミナーが開催されます
 詳細は銀座松屋のHPへ → コチラ


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