ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

チリワインといえばコンチャ・イ・トロ!

2012-07-24 17:45:10 | ワイン&酒
スーパープレミアムチリワイン “セーニャ”を紹介したので、同じくスーパープレミアムチリワインである “ドン・メルチョー”「Concha y Toro」 (コンチャ・イ・トロ社)を取り上げましょう。

コンチャ・イ・トロ社の創業は1883年です。スペインのコンチャ家のドン・メルチョール・デ・コンチャ氏が仏ボルドー産のブドウをチリのマイポヴァレーに持ち込んだことから始まりました。
1933年にはサンチャゴの株式市場に上場し、また、初めて輸出(ヨーロッパ)したのもこの年。

1960年代になると、グループ内に企業の方向性を明確にしようという動きが現れます。
そこに、ドン・アルフォンソが登場します。
“ドン・アルフォンソ”とは、コンチャ・イ・トロ社の現会長 Alfonso Larrain のこと。


Alfonso Larrain, Chairman - Concha y Toro

彼は1969年に同社のディレクターとなり、1973年から1989年までゼネラルマネージャーを、1989年から1998年に副会長を勤め、現在もなお会長として活躍しています。

1960年代以降、新体制の下、高品質で世界に通用するワインを市場に出していこう!と、コンチャ・イ・トロは畑を広げ、技術革新を重ね、市場を広げていきます。

1987年には、チリを代表する名ワイン“ドン・メルチョー・カベルネ・ソーヴィニヨン”が誕生します。

1994年にはNY株式市場に参入、1996年にはアルゼンチンでオーガニック畑を購入。
コンチャ・イ・トロの高級路線は進み、市場も広がっていきます。

そして、1997年にはフランスのバロン・フィリップ・ド・ロトシルトとのパートナーシップにより、スーパープレミアムワイン“アルマヴィヴァ”が誕生しました。
セーニャは1995年、ドムス・アウレアは1996年、モンテス・アルファMは1996年と、この時代はスーパープレミアム流行でした。

しかし、コンチャ・イ・トロでは、さまざまなシリーズを生産し、スーパープレミアムだけでなく、多彩なラインナップを日本市場に送り込んできました。
ちょうど日本がワインブームの只中にあった1998年、日本市場で最も売れた輸入ワインブランド(全輸入ワインの中で)は コンチャ・イ・トロ だったといいますから、驚きです。



さて、現代のコンチャ・イ・トロ社を見てみると、2つだった畑は40に増え、世界135カ国に輸出するようになりました。

ブランドの数も非常に多いのですが、ドン・アルフォンソ会長が2011年11月に来日した際に紹介してくれたのは、 「Marques de Casa Concha」 (マルケス・デ・カーサ・コンチャ)シリーズ。



マルケス・デ・カーサ・コンチャは、チリの伝統的、古典的なスタイルを持ち、ボディがしっかりとしていながら飲みやすく、洗練された料理に合うエレガントさも併せ持つシリーズです。

「マルケス・デ・カーサ・コンチャは、食事との相性を提案したいワインです」 と、会長。

日本で発売されているのは、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カルメネールの4種ですが、この時はピノ・ノワール、シラーのワインについても紹介してくれました。

いずれのワインにもしっかりした酸味が感じられました。酸は食べ物とのマリアージュにとって重要な存在です。濃厚な果実味とのバランスもよく、エレガントで食に寄りそうスタイルだと思いました。


マルケス・デ・カーサ・コンチャ カベルネ・ソーヴィニヨン2008 
―脂の乗った肉料理にピッタリ



1960年代以降、ワインの品質を上げるには、ブドウそのものの品質を上げることが重要だと考え、ブドウそのものの良さを生かしたワインづくりを行なってきたコンチャ・イ・トロ社。

品質は高いけれどプライスはフレンドリー、というチリワインの良さを、この「マルケス・デ・カーサ・コンチャ」も当然持っています。
シャルドネは2,200円、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カルメネールは各2,400円(輸入元希望小売価格、税別)。

リリース直後からおいしく飲めます。が、特に赤は3~5年ほど寝かせた方が良さが出てくるように思いました。

(輸入元:日本リカー株式会社)


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