ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

夏のクリームシェリー

2011-08-25 22:04:57 | ワイン&酒
自宅セラーが満員御礼状態になっていたので、在庫整理をしていたら、いただきもののシェリー酒が出てきました。


Cream ALAMEDA  Bodegas HIDALGO (スペイン、ヘレス)

シェリー酒はスペインのアンダルシア地方ヘレスで造られる酒精強化ワインです。

醸造工程の中で、フロールと呼ばれる酵母の膜(産膜酵母)がワインの表面にでき(フロールができないものもある→オロロソ)、熟成の間に独特の風味をワインにもたらします。
ワインの入った樽を3、4段に積み上げ、一番下の段の樽のワインの一部を抜き取って瓶詰めしたら、すぐ上の樽のワインを下の樽に補充し、これそすべての段で行います。

つまり、積んである一番上の樽(ソブレタブラといいます)が最も若いワインで、一番下の樽(ソレラといいます)が出荷直前のワイン、ということになります。

この仕組みは“ソレラシステム”と呼ばれます。
古いワインに若いワインが混じり合い、毎回同じ風味のシェリーが出荷できるというスグレ技

シェリーにはさまざまな種類があり(辛口~極甘口、熟成の程度、酸化熟成させたもの等々)ますが、最もポピュラーなのは辛口のフィノ(Fino)でしょうか。スペイン国内でも一番人気です。

今回、私が飲んだ ALAMEDAは、クリームという甘口タイプ
フロールなしで酸化熟成したパロミノ種のオロロソをベースとし、ペドロヒメネスをブレンドしています。アルコールは18%。


左下はヘレス=シェリー原産地呼称統制委員会のマーク

色は濃い琥珀色で、独特のナッツっぽい濃厚な風味があります。コクのあるまったりとした甘みが口の中いっぱいに広がり、甘美な余韻が長く続きます。

そのまま飲むなら温度13℃でデザートワインとして。ブルーチーズやフルーツとの相性もOKといわれますが、フルーツは味の濃厚なものがオススメ。


ちょうど家にあった と合わせたところ、クリームの方が勝ちすぎてしまいました

現地では、クリームをオンザロックにしてスライスオレンジを添える飲み方もあるようなので、私もオンザロックを試してみました。暑い季節はこれはいいですね。
フィノやマンサニーリャをサイダーやジンジャーエールで割る飲み方を真似て、クリームを炭酸水で割ってみました。甘さもアルコールも薄まるし(各自の好みで調整してください)、炭酸がシュワシュワして爽やかなので、アペリティフにオススメです。



栓はプラスチックの頭+コルクのストッパータイプ保存に便利

クリームなら抜栓して4~6週間は持つ ので、しばらくこの飲み方で爽やかに夏のシェリーを楽しもうと思っています


コメント
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