暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

五事式の会と埋火 (2)

2010年03月08日 | 茶事
3月2日に五事式の会が無事終了しました。
三回目は新メンバーの方々が半東、正客、詰と大活躍でした。

最終回の亭主でしたので半東のIさんと相談して
「埋火から火を熾す」という課題に取り組んでみました。

何と言っても灰を暖めることが第一です。
熱は上昇気流となって上へ逃げてしまうので
如何に早く効率よく炉中を暖めるかを考えました。
11時の席入後、すぐに廻り炭なので時間との戦いです。

朝早くからIさんが下火を入れて灰を暖めてくれました。
雲竜釜(釣り釜)に半分ほど湯を入れ、沸かしました。
これも釜の輻射熱を少しでも灰へ廻すためです。
さらに下火の一つを半分以上埋めて炉底の灰を暖めました。

第二に、灰の中に空気(酸素)を入れることも重要です。
火入れと同じように炉中の灰を掻き回しておく(空気を入れる)
こともしてみました。

第三に、埋め方を考えてみました。
空気の流れを遮断しないように深く掘り、炭を縦に埋めてみました。
これはHさんのご提案です。

第四は、炭の形状と熾し方です。
炉壇が浅いため、丸ぎっちょを縦に埋めるのは無理なので
小さめの輪胴(できたら風炉用)を熾し下火に入れました。
この時の下火は、どのくらい経過したら丁度良い太さになるか、
時間を計って熾す必要があります。

・・・試行錯誤で考えられる事をやってみました。

掘り出した埋火は、鶯の茶事の時より心細い火だったので、
懐石中もずっーと心配していました。
やっと赤い炭火を見た時の嬉しさは何とも言えません・・・。
朝早く来て灰を暖めてくださった半東さんに心より感謝です!

             

一方で反省することも多く、花寄せの折、花が止まらずに
何度もやり直し、花を変えたりしました。
香盆を書院棚に飾るのを忘れ、家に帰ってから
そのことを思い出しました。
・・・切りがありませんね。

             

反省材料はたくさんあったけれど、
三回とも楽しく有意義な五事式の会でした。
素晴らしいお仲間とご一緒できて、感謝しています。

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