暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

茶事入門教室のお知らせ

2010年08月15日 | 茶事教室
残暑お見舞い申し上げます

今年は暑さが一段と厳しいようですが、
油蝉の大合唱の中に蜩のソロが混じるようになりました。
皆様、お盆をいかがお過ごしでしょうか?

茶事を楽しみながら基本を学ぶ茶事入門教室
開催させていただいておりましたが、
次回の茶事入門教室(10月2日と12月の2回)は
行事や私事が重なりまして残念ながら中止とさせていただきます。

参加を予定されていた皆様には大変申し訳ございません。
心よりお詫び申し上げます。

なお、当茶事入門教室のお問い合わせは翆晶庵ではなく
暁庵宛へメール(maru-akko@mail.goo.ne.jp )で直接お願いいたします。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。

まだまだ残暑厳しき折、お体をご自愛ください。

                       

   写真は、「白粉花 (おしろいばな)」です。
        お茶では別名の「夕化粧(ゆうげしょう)」をよく使います。


                      


茶事入門教室Part2を終えて

2010年06月02日 | 茶事教室
5月29日に茶事入門教室part2・初風炉の茶事が終了しました。

亭主のNさん、半東のHさん、正客のIさん、詰のNさんにお役を
お願いしましたが、初めての方がほとんどでした・・・。

待合は、大徳寺 桃林和尚筆で「雲無心」の短冊です。
「漂う雲のように、無心な気持ちで今日の席に臨みたい」
というご亭主の気持ちが込められていました。

本席のお軸は「清流無間断」。
初風炉の茶事のテーマは、「水」です。
「五月、五月雨、雨、水・・・水は万物の源、大河の一滴、
そして今回のチャレンジが今後の成長の一歩」
と願って「水」とされたそうです。

Nさんは、仕事の合間に茶事のシュミレーションや稽古を重ね、
見事な風炉の灰型に研鑽の様子が伺われました。
初炭で使われた香合「白紙」は、漆芸家との合作です。
「お茶を通して知り合った方々とのご縁に感謝しながら、
 その出会いの中で作成した思い出の自作を・・・」

緊張しながらも見事な亭主ぶりで、主客の問答も愉しく、
おもてなしの気持ちがお客さまへ十分伝わった事と思います。
きっと今頃は茶事をやり終えた安堵と達成感に浸っていることでしょう。

Hさんも半東は初めてで、最初とても緊張した様子でした。
半東の重要な仕事の一つ、火入れの灰型をこれまた見事に作られ、
きっと猛練習されたことでしょう・・・。
懐石や薄茶を運ぶ所作がきちんと出来ていて感心しました。
あとで「S先生が水屋で細かくご指導くださり、
肩を押して送り出してくださったお蔭です」と伺い、S先生に感謝です。

             

待合でお客さまへ宿題を出しました。
初風炉の茶事ですが、別にテーマがあるようなので、
それが何かを考えて欲しいこと、
もう一つは、最後の挨拶の時に心に残ったことを一つだけ
お話しください・・・とお願いしました。

正客のIさんは、とても落ち着いて誠実な言葉で応接され、
ご亭主の趣向や気持ちをきちんと受け止められて、流石でした。
詰のNさんは足を痛めたと伺っていたので心配していましたが、
初挑戦のお役を立派に果たされました。

今回は2回目なので、相和して時が過ぎていきました。
濃茶の心地好い緊張感、その後の後炭、薄茶と、次第に座がなごんで、
お客さまも学びながらも楽しんで頂けたようで安堵しております。

最後の挨拶では、皆様それぞれ心に残ったことを話してくださって、
ご亭主も半東さんもきっと感激されたことでしょう。
茶事終了後、皆様のお顔が輝いていたのが、とても印象に残りました。

次回は10月2日と12月初めを予定しています。
また、茶事教室でお会いできます事を楽しみにしています。


                      その日はときどき

        写真は「清流無間断」
             「柏葉紫陽花」(写真提供:「季節の花 300」 )




茶事入門教室Prat2(第1回)

2010年03月19日 | 茶事教室
3月13日に茶事入門教室Prat2(第1回)が終了しました。

今回は亭主、半東、正客、詰と希望者がいらして
その方々にお役をお願いしました。

亭主のSさんには一度打ち合わせに来て頂き、
あとはメールで連絡を取り合いました。
初めての亭主だったので、点前、道具の説明、席中の会話など
覚えることや考えることが一杯で、大変だったと思います。

緊張を少しでも和らげてもらいたいと水屋指導のS先生に
激励役?をお願いしました。
「その役は上がり症(自称?)の私にぴったり。
 少しでもSさんのお役にたてるよう努めますね」
と、親身のサポートをしてくださったようです。

竹花入へ生けられた木瓜と寒芍薬(別名クリスマスローズ)、
間合いの好い銅鑼の音色、そして美味しく練られた濃茶に、
Sさんの一生懸命さが凝縮されていると思いました。
そのお気持ちは客方へも十分伝わったことでしょう。

「これから、益々精進して参りたいと思っております」
Sさんから嬉しいメールが届きました。

              

半東のMさんは、茶事や茶会をご自身でなさっている表千家の茶友です。
「私がお教えすることがあるのかしら?」

すると、ご主人(裏千家流)が亭主をなさる時に半東がつとまるよう、
裏千家流の半東を是非勉強したいというのです。エライ!
それで、炉中の整え方、敷き香、下火の入れ方、火入の灰型、
濡れ釜、続き薄で水屋から薄茶を持ち出すタイミングなど、
本に書かれていないところを実際に経験して頂きました。

正客のIさんは茶事のお仲間(男性)なので、
私としては教えやすいような、教えにくいような・・でした。
気になる点や質問はなるべく解り易くお話したつもりですが、
「ちょっと言いすぎかしら?」
と反省したりしました。
とても素直に拙い指導をお聞き入れくださって感謝しています。

お詰のSさんは初めての参加でしたが、とても前向きな方で
「次回も続いてお詰を勉強したい」
と、嬉しいお申し出がありました。
いろいろな方に交替でお役を経験して頂きたいので、
「ゆっくり一歩ずつお勉強してね・・」
と、その旨をお伝えしました。

お役を含め、茶事の基本や働きなどを皆で学んでいきたいですね。

次回の教室は風薫る5月。
同じ顔ぶれですので、主客ともに一層、気持を合わせて
初風炉の茶事を楽しみたいと思っています。

                          

茶事入門教室Part2 のご案内

2010年02月03日 | 茶事教室
茶事を楽しみながら基本を学ぶ
「茶事入門教室 Part2」を開催いたします。

茶事とは、亭主が客を招き、季節感を大切にし自然体で、
心をこめてお茶を差し上げるという一連のおもてなしです。
日々の茶の稽古と同様に茶事も経験と修練を積むことが必要ですが、
茶事を学び合う教室が少ないのを残念に思っていました。

「茶事同好の方が一人でも多くなって欲しい。
 茶事を心から楽しんでほしい!」
そんな思いで昨年より茶事入門教室を開催しています。

私自身も初心に戻り恩師、先輩にお教え頂きましたことを
皆様にお伝えできればとても嬉しいです。

前回同様に全2回で1コースとなります。
裏千家の茶事を基本にいたしますが、流派や茶歴にこだわらず
お気軽にご参加ください。
  
    日時  第1回 3月13日(土)  雛の茶事 (正午の茶事)
         第2回 5月29日(土)  初風炉の茶事 (正午の茶事)
    席入り 11時30分(集合11時)
    場所  翆晶庵  (横浜市南区新川町5-29)
         横浜市営地下鉄ブルーライン 吉野町駅下車 徒歩4分
    会費  お一人様 32,000円 (2回分一括)
    定員  10名 (6名様以上で開催いたします)

    その他  亭主、半東をご希望の方は申し込み時にお申し出ください。
          お時間があれば茶事準備からご一緒にいかがですか?
          亭主・半東は18,000円(1回分)になります。  
      
                                 
          
<お申し込み>  
翆晶庵へ電話またはFAXにてお申込みください。
 TEL 045(262)3489  FAX 045(261)8546

[内容]
第1回は、雛の茶事をお楽しみ頂きながら
  1.待合(寄り付き)にて 2.腰掛け待合にて 3.蹲の使い方 
  4.席入り 5.懐石の頂き方 6.中立ち 
 1~6までを分かりやすくご指導いたします。

第2回は、第1回1~6の成果を確認しながら
  7.懐石(千鳥の杯) 8.後座の席入り 9.濃茶 
  10.後炭 11.薄茶 12.退席 まで
 後座を中心に茶事の流れに添ってご指導いたします。

季節を感じる道具組や美味しい懐石料理もお楽しみください。
ご参加を心よりお待ちしております。
                      

      写真は昨年三月の雛の茶事より


茶事入門教室(第2回)を終えて (2)

2009年12月04日 | 茶事教室
     (つづき)

後座の床にはふっくらした蕾の白椿(加茂本阿弥)と
照り葉(ニシキギ)が生けられています(写真)。

室が水を打ったように静かになり、ご亭主のS先生が練る
濃茶の香りが清々しく満ちてきました。
「とても美味しゅうございます」
お正客の声音が美味しさを語っていました。
重ね茶碗でもう一服、中正客のMさんの所作も堂々としています。

お詰のOさんが茶碗と古袱紗を拝見へ持って出る時、
裏千家流とちがうことに気づきました。
「どうぞ、ご流儀の仕方で・・・」
裏千家流では茶碗を左手に持ち、
右手で古袱紗を持って茶碗に添えて運びますが、
大日本茶道学会では古袱紗を縦に折って左手に乗せ、
その上に茶碗をのせて運びます。
いろいろあって興味深いですね。

茶入は瀬戸肩衝、茶杓は・・・。
「茶杓のごま竹の景色、貝先のお形が見事で、
 御銘を伺うのを先ほどから楽しみにしておりました」とお正客。
「福本積応師作の瑞雲でございます」
「今日の炉開きにふさわしい御銘の茶杓を拝見できて
 幸せでございます」

後炭になり、再び炉中拝見です。
この瞬間が楽しみで、見て頂きたいポイントの一つです。
炭の流れ具合が趣き深く、時の移ろいを映し出します。
ご亭主が胴炭を見事二つに割りました。
後炭では太い胴炭をそのまま生かすことが多いので
実はめったに見れないことです。

さじ香で香が焚かれ、湿し灰がたっぷり撒かれました。
輪胴が入り、初炭とは違う炭の取り方、置き方を拝見しました。
点炭で元の座に戻り、釜が清められる湯気と
濡れ釜の一瞬を鑑賞しました。
後炭は見所満載でしたね。

文透かしの煙草盆に緑釉の火入れが映えていました。
干菓子は吹き寄せ、竹の箕に盛られています。
薄茶の主茶碗は萩の俵、替茶碗は京焼きで六瓢の絵、
薄器は菊蒔絵の中棗です。
お正客から蓋置(赤楽)の拝見所望がかかりました。
そして・・・

「聞き忘れておりましたが、建水は?」
「備前でございます」と、ご亭主はにっこりです。
「塩げのようなお形の、趣ある建水ですね。
 これで最後の伊部(いんべ)がでて、やっと三べが揃いましたね」
と、お正客もホッとして嬉しそうでした。 

こうして二回目の茶事教室が一座建立のうち終了しました。
最後の挨拶の時に
「こうして此処に居ることがとても幸せでした・・・」
三客のYさんのお言葉がじぃーんと胸に響きました。

次回は3月の雛祭りの頃でしょうか? 
私も楽しみにしています。