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先日、湿し灰作りとバーベキューの集いへ行った時の話題に「号泣」がありました。
映画、芝居、オペラなどを見て、よく「号泣」するというのです・・・。
これでも涙もろいので「涙ぐむ」くらいはありますが、「号泣」はとんとご無沙汰で、
そんな出会いを内心羨ましく聞いていました。
いちねん会のランチタイムの時、映画好きの茶友Aさんが目を輝かして
「「殿、利息でござる」という映画のお話をしていいかしら?
・・・・(中略)・・・とてもいい映画で感動しました。
最後に出てくる殿様(俳優はナイショにしておきますね)がもう素敵で・・・
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もう一度見に行こう!と思っているの」
Aさんのお勧めとリラックス対策で久しぶりに映画「殿、利息でござる」を見に行きました。
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今から250年前(江戸時代)、仙台藩吉岡宿(現在の宮城県黒川郡大和町(たいわちょう)吉岡)であった実話だそうです。
殿様の見栄や浪費のため財政難に陥った仙台藩では、民衆が重税や苦役に喘いでいた。
吉岡宿でも伝馬役(馬や人足の経費は宿場負担)という重い課役に暮らしが成り立たず、
破産や夜逃げする住人が相次いでいた。
造り酒屋を営む穀田屋十三郎(阿部サダヲ演じる)は、町の行く末を案じ直訴まで思い詰めていた。
町一番の知恵者である茶師・菅原屋篤平治(瑛太演じる)から、藩に大金を貸し付けて利息を巻き上げるという、宿場復興のための秘策を打ち明けられる。
計画が明るみになれば打ち首は免れないが、それでも十三郎と仲間たち9名は、町を守るために私財を投げ打ち、計画を進めていく。
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数年かけて、ようやく目標額の5,000貫文(1,000両)を達成し、お上の説得にもついに成功するが、再び大きな難題がふりかかる。
「銭ではなく金で納めよ」
お上が銭を作り始めたおかげで金と銅銭のレートが変動し、金1,000両は5,800貫文に高騰していた。
5,800貫文は約3億4,800万円に相当するという。
追加の800貫文(約4,800万円)の金策をどうするか、この映画のクライマックスである。
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金策をめぐり3つのエピソードがありますが、中でも店を潰すことを覚悟して
「あと500貫文(約3,000万円)出させてください」(既に1500貫文(9,000万円を出資)
と願い出る浅野屋甚内(妻夫木聡演じる)とその一家の人々に胸打たれました。
店は破産、一家離散だというのに、誰ひとり取り乱すものもなく、満願成就したような穏やかな佇まい。
このような人たちが実在したなんて! 久々にタオルを出して号泣です。
浅野屋一家の「無私の心」を育んだのは陽明学の書「冥加訓(みょうがくん)」でした。
この「冥加訓」についても興味津々、もっと書きたいところですが、これにて・・・。
ぜひ映画「殿、利息でござる」を見てくだされませ。
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スタッフ
監督 中村義洋
原作 磯田道史 「無私の日本人」(文春文庫)
脚本 中村義洋 鈴木謙一
製作総指揮 大角正
キャスト
阿部サダヲ 穀田屋十三郎
瑛太 菅原屋篤平治
妻夫木聡 浅野屋甚内
竹内結子 とき
寺脇康文 遠藤幾右衛門
? 殿(仙台藩7代藩主・伊達重村)