暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

北八ヶ岳・北横岳へ

2015年08月07日 | ハイキング・ぶらり散歩

平成27年8月3日、北八ヶ岳・北横岳へ登りました。
4,5年前、ロープウェイで登る山を探していた頃から憧れていた山です。

京都での3年間は車のない生活だったので(これはこれで良かったのですが・・・)、
愛車(?)でのドライブは久しぶりです。
朝6時30分に横浜を出発、東名高速を厚木インターから初めて圏央道へ抜け、中央高速へ入りました。
諏訪南インターから原村を通り、ビーナスラインを走り、10時30分北八ヶ岳ロープウェイへ到着。

              
   坪庭入口にあるキツツキ                   坪庭を行く         

                        
                                  ハクサンフウロ

車山や蓼科山の美しい山容を見ながらロープウェイで約7分、標高2237mの山頂駅は涼しい風が吹く別天地でした。
坪庭という溶岩台地の自然庭園が広がり、高山植物が短い夏を謳歌しています。
ゴゼンタチバナ、ジャコウソウ、フウロ、アキノキリンソウ、ホタルブクロ、アキノキリンソウ、ワレモコウ・・・。

                       
                                  ゴゼンタチバナ

曇りのち雨の予報でしたが、天気も良く頑張って北横岳山頂を目指しました。
坪庭にはたくさんの人がいたのですが、北横岳への分岐点を過ぎると人がいなくなりました。
大小の岩がごろごろしている急坂を登り始めると、いつものように体が悲鳴を上げました。
「えっ!!なにごとなの? 急にエンジン全開だもん・・・体が追い付かないよ。
 もっとスロー、もっとスロー、そのうち体もゆっくり慣れてくるから・・・」
北横岳ヒュッテあたりからやっと調子が上がってきました。

      

下山の人たちと挨拶を交わしながら、狭い山道を譲り合って登っていくと、
急に視界が開け、そこが北横岳南峰2472mの山頂です。


                              北横岳南峰から南八ヶ岳を望む

北には蓼科山が眼前にあり、南には雲の合間に南八ヶ岳の山容が幽かに見える絶景地です。
山容も見事だけれど、入道雲の美しく迫力があること!

                        

南峰から徒歩5分で北横岳北峰、ここが最高峰2480mです。

                                  
                              北横岳北峰(最高峰)2480m

帰りに七ツ池と北横岳ヒュッテに寄り、ヒュッテの珈琲でほっと一服。

                                静寂な七ツ池                   ヒュッテのストーブ     

坪庭まで下りてくると、15時近くだったので人もまばらです。
咲き乱れる高山植物の中にアキアカネが飛びかって、アキアカネ(おしょれさま)が山を下りてくるとお盆も間近です。
その日は上諏訪温泉泊なので、もう一走り(ドライバーはツレアイですが・・・)。

北八ヶ岳・北横岳の行程
ロープウエイ山頂駅(11:30)-坪庭分岐点(11:45)-北横岳ヒュッテ(12:30)-
北横岳南峰(12:50)-(徒歩5分)-北横岳北峰(13:00)-七ツ池ーヒュッテで珈琲-坪庭一周-山頂駅(15:20着)

                               


のぼうの城 忍城へ(2)

2012年02月01日 | ハイキング・ぶらり散歩
(つづき)                   (石田堤公園)
私たちが選んだコースは
JR行田駅~石田堤公園~さきたま古墳群(昼食)~水上公園~忍城~JR行田駅 です。

総大将・石田三成が築いた堤の一部が保存され石田堤公園(鴻巣市)となっていて、
新幹線高架下のシンボルモニュメントに面白い仕掛けがありました。
新幹線が通過するとスイッチが入り、突如、法螺貝が鳴り響き、
忍城水攻めの戦国絵巻を語り始めます。

                  
                 (忍城水攻めの図・・・手前が三成陣地の丸墓山と石田堤)

総延長14kmの堤を1週間で作り上げたと伝えられています。
「忍城戦記」によると、人夫の賃金は昼は銭六十文と米一升、
夜は銭百文と米一升と破格だったため、近郷近在はもちろん遠くの村からも
人夫が集まったそうです。
堤の幅は約20m、高さは6m位、しっかりした工事だったことがわかります。

ところが、堤が完成し、利根川や荒川から水が引き入れられても
忍城は浮き城のように水に浸からず、なかなか落とすことができませんでした。
ある日、嵐がやってきます。
堤は決壊し、成田軍ではなく石田軍の兵士多数が溺死し、水攻めは失敗に終わりました。
一説によると、城下の領民が堤に細工をして、決壊させたと言われています。
小田原・北条氏が降伏した後、城主・成田氏の命により忍城は開城し、戦が終結しました。

                   
                         (決壊の場所と伝える堀切橋)
                     
                         (現存する石田堤)

決壊場所という忍川・堀切橋を渡り、松が植えられた石田堤に添って
自転車を走らせ、次の目的地「さきたま古墳群」と忍城を目指しました。

忍城の手前にある水上公園で、前を走る主人が急に曲がり自転車を止めました。
とっさに対応できず曲がり損ねて横転し、左足首をひねってしまいました。
(自転車で転ぶなんて・・・年のせいかしら? ) 
少し休んで様子をみてから、忍城へ向かいました。    

                 

                 

忍城では小説「のぼうの城」の登場人物に扮した忍城おもてなし甲冑隊に迎えられ、
郷土博物館となっている城中へ入りました。
「忍城周囲の地形を見て、当時の戦略と戦いを思い描く」つもりで、
昭和63年に再建された御三階櫓へ登りましたが、展望はほとんどききません。
当時の戦いの様子は小説のなかで愉しむことにしましょう。

忍城おもてなし甲冑隊のパフォーマンスに小さな声援を送ってから
小田原合戦でただ一つ、秀吉軍が落すことができなかったという
天下の名城・忍城を後にしました。
                                     
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のぼうの城  忍城へ(1)

2012年01月30日 | ハイキング・ぶらり散歩
「これ、面白いから読んでみたら・・・」
昨秋、手渡されたのが、「のぼうの城」(金子竜著 小学館)でした。
忍城(おしじょう)攻防戦を書いた小説を一気に読みました。

しばし、「のぼうの城」にお付き合いくだされっ!

天正18年(1590)、豊臣秀吉は天下統一を阻む、最後の勢力である小田原北条氏を
討伐するため軍を進め、関東一円は戦さの渦中にありました。
武蔵国北部に勢力を誇る成田氏の居城・忍城(現・埼玉県行田市)へも
豊臣方の大軍が迫ります。

石田三成を総大将に、大谷刑部ら2万を超す軍勢が忍城を取り囲みました。
忍城の軍勢は農民兵を含めてもわずか2千人。 
ところが、のぼうさま(でくのぼうのこと)と呼ばれている城代・成田長親(ながちか)は
武力に物を言わせ、強引に開城を迫る石田三成軍のやり方に反発し、
「戦いつかまつる」
開城するはずが、無謀にも決戦を宣言してしまいます。

                 
                        (忍城おもてなし甲冑隊・・・忍城にて)

成田長親、甲斐姫、正木丹波守、柴崎和泉守、酒巻靱負(ゆきえ)らの
主要登場人物が生き生きとえがかれ、彼らの個性と地の利をを生かした、
戦いぶりが痛快で見事です。
沼に囲まれた忍城へ攻め入った三成軍は湿地帯で足を取られ、
訓練されたゲリラ戦術により、さんざんな目に合い、敗退します。

緒戦で大敗した三成は、利根川と荒川の間に長大な堤を築き、
川の水を引き入れる、水責めという奇策をとります。
三大水責めの一つという忍城水責めは壮大なスペクタル感あり、
意外性ありで面白く、詳しくはご一読をお勧めです。
今秋、野村萬斎、佐藤浩一、成宮寛貴ら出演の映画も封切られるとか・・・楽しみです。

小説を読んで以来、大いに興味をそそられ
「いつか忍城を訪ね、史跡をまわってみたい」と思っていました。

                 
                         (グリーンロードの埴輪たち)
1月15日(日)の早朝、埼玉県行田市へ向いました。
高崎線・行田駅で降りると、駅下にある行田市観光案内所に寄って
地図や情報をいっぱい頂いてから、貸自転車(無料)を借りしました。

その日は風もなく、冬にしては温かな日和でした。
冬枯れの田園地帯を新幹線に添って走り、石田堤(鴻巣市)を目指しました。(つづく)

       のぼうの城 忍城へ(2)へ              


観月茶会(3) 蔦の細道

2011年10月10日 | ハイキング・ぶらり散歩
お茶の郷・観月茶会の翌日、茶会へ参席した三人で
宇津ノ谷峠(うつのやとうげ)にある「蔦の細道」を歩きました。

宇津ノ谷峠は藤枝市岡部町と静岡市駿河区宇津ノ谷の間にあって、
峠を越す道が平安時代から現代まで時代に応じて造られ、
五つの道が現存しています。
その一つ、「蔦の細道」は平安時代の最も古い道で、
在原業平が東下りの折に通りかかり、和歌を詠んでいます。

   駿河なる 宇津の山べの うつつにも
       夢にも人に あわぬなりけり   業平

 
藤枝市岡部町側から道の駅を通り抜け、蔦の細道公園に車を停めました。
公園には在原業平、鴨長明、阿仏尼らが詠んだ歌や漢詩の板碑が
ずらりと並んでいます。
川添いに舗装された山道を登っていくと、
「蔦の細道」と書かれた石碑があり、けわしい古道になりました。

「この急峻な道を市女笠の女人が登って行ったのかしら・・・」
と思いながら、急な勾配、石がごろごろした道を喘ぎながら登りました。
茶畑やみかん畑もあり、今では山奥という感じはありませんが、
当時は蔦の生い茂る寂しい難所だったことでしょう。

                
                      (蔦の細道を行く)
                
                      (峠から岡部町方面の眺め)

急坂にやっと身体が慣れてきた頃、見晴らしの良い場所へ出ました。
藤枝市岡部町の方角が見渡せ、業平の歌が刻まれた歌碑があります。
ここが「蔦の細道」の峠で、ここから静岡市丸子方面へ下ります。
「さぁ、これからが本番!」と思っていたので、あっけない道のりでした。
杉林の道を下ると、現代の道・国道1号線に出ました。

                
                
                      (宇津ノ谷の集落)

旧東海道の丸子宿と岡部宿の間に宇津ノ谷という間宿(あいのしゅく)があり、
屋号をかかげた家並みが街道の面影を伝えています。
その一軒、お羽織屋と呼ばれる石川家に寄りました。
天正18年(1590年)3月、小田原の北条氏征伐に通りかかった
豊臣秀吉から拝領した「陣羽織」が飾られています。

                
                       (岡部宿の柏屋)

宇津ノ谷の集落を過ぎ、国産レンガで造ったという明治のトンネルを抜け、
旧東海道を歩き、元の蔦の細道公園へ戻りました。
ゆっくり見ながら2時間くらい歩いたでしょうか?
岡部宿の大旅籠(おおはたご)「柏屋(かしばや)」を見学してから
Mさんに焼津駅へ送ってもらい、また鈍行に乗って帰ってきました。

電車に乗るとすぐにぐっすり。
Hさんに声を掛けられ、車窓を見ると
富士山が青々と美しく、白い雲を従えて聳えていました。

     (観月茶会(2)へ)                         

                    

ぶらり黄金町バザール

2011年09月15日 | ハイキング・ぶらり散歩
                  (大岡川風景  横浜市中区黄金町)
    
               
               
                  (アートによる町の再生  日の出スタジオ)
     
    黄金町バザール2011
      展示期間 9月2日~11月6日 (木曜休)
      会場    京急日の出町駅から黄金町駅の間の高架下スタジオ他
      詳細はHPへ http://www.koganecho.net/


まだまだ暑さが残る九月の或る日、
ヨコハマ大岡川沿いをぶらり散歩・・・と言いたいところですが、
茶会に使う印刷用和紙を求めて「小林紙工」へ出かけました。

「小林紙工」は、パッケージなど紙製品を扱う卸問屋です。
三年ほど前に翠晶庵の横山さんに連れて行ってもらって以来なので、
京急黄金町駅の近くという記憶しかありません。
           
              
                 (黄金橋近くのインフォメーション) 

場所を尋ねに「ちりめん屋」(中区初音町)という店に飛び込むと、
「黄金町バザール2011」が開催中だと教えてくれました。
黄金町から日の出町へかけて京急の高架下のスタジオや店舗、周辺の店舗、
近くの空き地を会場として、黄金町在住、在外のアーティストが参加し、
作品展示やバザールが繰り広げられています。

「黄金町バザール2011」の界隈をまちあるきマップを片手に歩き、
アート作品やお店を覗いてみました。
出逢った作品やまちの風景を写真でご紹介しましょう。
どんな発見をするか、どんな掘り出し物や出会いがあるか、
それはあなた次第かもしれません・・・。

小林紙工(中区日ノ出町2-145)、永野鰹節店(中区日の出町1-99)、それから
打出庵大黒屋(中区初音町)のわらび餅もお勧めです。
覗いてみてください。

             
               (ネコのヌイグルミの制作販売  製作者 安部泰輔さん )
              
               (モダンな古本屋さん)
              
               (由緒ある日の出湧水)
              
               (涼を感じる道端のスイレン鉢)