暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

第8回花ゆう会を終えて

2019年03月27日 | 暁庵の裏千家茶道教室



 花は日向水木(ひゅうがみずき)、木五倍子(きぶし)、朴半(ぼくはん)


3月23日(土)は第8回花ゆう会でした。
昨年3月にブログで会員募集をし、5月19日の第1回から月1回稽古を積み重ねてきましたが、早いもので4月27日(土)の第9回を残すのみとなりました。

花月初心者を対象にした会なので、花月の足運び、花月札の扱いなど基本から学んできました。
本を読んでいるだけではわからないことも多く、実際にやってみることが重要なので、毎回3科目に取り組んでいます。
最初は内心「どうなることやら・・・?」でしたが、積み重ねていくと、確実に花月のあれこれが身について行くのがよくわかり、毎回が楽しみでした。
それに、花月経験者のN氏、WTさん、KTさんがしっかりサポートしてくださったおかげでもあります(アリガトウ!!)。


   黒一点、N氏のお点前

その日は、炭付花月(釣釜にて)、結び帛紗花月、投込み花月です。
参加者は、N氏、Hさん、Kさん、Uさん、KTさん、Sさんです。
来年度から花ゆう会へ入会されるSさんが見学に来てくださったので、早速、花月に入ってもらいました。

Sさんは「花月の会のお仲間を募集しています」に応募してくださった方ですが、とても不思議なご縁を感じました。
暁庵の第3回お茶サロンの参加者で、なんと花ゆう会の3名(Hさん、Kさん、Uさん)がそのお茶サロンでSさんと一緒だったのです。
さらに、お茶サロンのご縁でHさんとSさんが親しく交流していることも知り、とても嬉しく思いました。



毎回、炭手前を入れるようにしていますが、釣釜で炭付花月をしました。
結び帛紗花月では帛紗の結び方を皆で何回もやってみたり、仕舞い花がお水一杓の時に帛紗腰を忘れたり・・・。
投込み花月では花の人が月に当たったりして面白く、総礼&座がわりがスムースにできるようなったと感心したり・・・。

暁庵にとって花月を教えることは初めてだったので、私のほうが教えて頂くことが多かったように思います。
そして、毎回、終了後に届くステキな葉書が背中をしっかり押してくれました。
Hさん、いつもありがとう! 

 
  暁庵さま
  本日もご指導ありがとうございました
  三科目が終わった時
  「時間ありますから平花月をやりますか」
  と問われて初めて、六名でしたのに早くできるようになったこと、
  実感しました。
  来月もよろしくお願い申し上げます   
               かしこ  Hより



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泥縄ですが、和巾の稽古をしています

2019年03月21日 | 稽古備忘録・・・東京教室の稽古

 散歩の途中、大欅が切られているのに遭遇・・・「痛いだろうな・・・」


S先生の東京教室の稽古が来週に迫ってきました。
「和巾」の御指導をお願いしています・・・
頭の片隅に「稽古をしなくっちゃ・・・」という気持ちは強くありましたが、つい延び延びになっていました。

「クロスロード茶会」の準備と社中の稽古で気忙しく、気持ちが集中できなかったということもありますが、一番は稽古をして逆に膝や腰がもっと悪くなったらどうしよう・・・という恐怖心があったのです。
「その時はその時・・・」と思い切り、稽古を開始しました。

先ずは順番、位置、所作(茶道点前の三要素)に気を付けながら1回してみました。
自分で身体を動かしてみると、いろいろな所が気になりました。
和巾の扱い方、濃茶を茶碗に入れるときの茶杓、中次、蓋の扱い方、拝見の清め方、最後に拝見物を持って帰る所作など、いろいろと駄目だしが多く、夕食後にもう一度してみることにしました。

深更の茶室、障子を開け放ってガラス戸に自分の姿を映し、姿勢や所作を時々チェックしながら進めました。
2回目なので、身体が和巾の点前に馴染むようになりましたが、別の身体の方が悲鳴を上げはじめました。今は2回までが限度かしら?


  彼岸桜と木五倍子(きぶし)が満開です

それでも久しぶりの稽古に充実感を覚えました。
「あっちこっち痛いんだけれど、それでも稽古が出来たことが嬉しいし、稽古が出来たことが本当に有難いわ・・・」とツレに報告すると、
大きなマメが足裏に出来てしまい、泣く思いで四国を遍路していた時、ある方に言われたそうです。
「宿に着いたら、痛みを嘆かずに「有難う!おかげさまで今日も歩くことが出来ました」と、痛む箇所をさすり言葉に出して感謝しなさい」と。
・・・「本当にそうだなぁ~」と思います。
頑張ってくれた足腰にもう感謝です。有難うございました!





夜更けに松風を聴き、練香の薫りが漂う中、独り稽古に精出す・・・とてもよい時間を持つ事ができました。



千住博展(高野山金剛峯寺・襖絵完成記念)・・・そごう美術館

2019年03月18日 | 美術館・博物館




しきりに誘うものがあった。
なにもかもどこかに追いやって四国路を踏みしめたいという思いが年を追って深まっている。
そう思いながらも一方で、まだ機が熟さないというためらいがあり、なかなか踏み切ることができなかった。・・・後略


四国遍路のバイブル、辰濃和男著「四国遍路」(岩波新書)の冒頭の一節です。
「四国をまわりたい」病がむずむずと頭をもたげだした昨今のある日、そごう美術館で開催中の「千住博展」へ行きました。
昨年7月はじめに「アートをめぐる旅」の途中、直島の家プロジェクトで初めて千住博氏の作品「ザ・フォールズ」に出合い、いつか軽井沢千住博美術館を訪れたいもの・・・と思っていましたが、横浜で作品が見られるというのでツレを誘って出かけたのです。

入ってすぐに千住博の世界へ惹き入れられました。
高野山金剛峯寺奉納襖絵「瀧図」(5枚)と「断崖図」(4枚)が広い空間にゆったりと展示されていて、私を一気に異次元空間へ連れて行ってくれました。
それは、以前歩いた四国路で出会った人々であり、さまざまな経験や事象であり、それらを飛び越えた向うに弘法大師・空海(お大師様)の偉大で身近な存在(同行二人)がありました。


    「龍神Ⅰ・Ⅱ」   (撮影許可あり)
 (蛍光塗料を使っているので、明るい所では白い滝)

再び、辰濃和男著「四国遍路」から
 空海が山で得たのは、野性の生命力であり、自分が宇宙という生命体の一部だという認識だったろう。
雷雨があり、嵐があり、長雨の日々もあったろう。木々の萌える季節もあれば、日照りの続く季節もあったろう。
その自然界の移ろいのすべてが宇宙観の礎になった。



四季の「瀧図」の水の冷性に心身を清められ、断崖図」の前の腰掛けに座り、長い間飽きもせず眺めていました。
すると、焼山寺への遍路道を一人歩いている自分が脳裏に浮かんできて、「断崖図」の雲海の中から今にもお大師様が現われるような気がしました。
「遍路ころがし」と呼ばれる焼山寺への遍路道、びっしょり汗をかき、喘ぎながら魅了された、空と山と風と雲と木々と岩と・・・雄大な光景や自然が奏でるサウンドを体感した、あの時ほどお大師様を身近に感じたことはありません・・・。





    「龍神Ⅰ・Ⅱ」  (撮影許可あり)
(蛍光塗料を使っているので、真っ暗な中でブラックライトを当てると、青く輝く)

弘法大師開山の金剛峯寺、長年白襖となっていた大主殿の「茶の間」と「囲炉裏の間」に「断崖図」と「瀧図」の襖絵が奉納され、その完成記念の展示会に巡り合ったご縁に感謝です。
和紙(?)に胡粉を塗り、乾いてから揉み紙にして「断崖図」の質感や量感を工夫したエピソードや、「瀧図」の斬新な描き方など、千住博氏によって解説される制作工程のビデオも興味深く必見です。
「断崖図」の襖絵を開けると、奥の間(茶の間?)に「瀧図」の襖絵があり、その中心の滝の向こうに千住博氏が出逢ったお大師さまがいらっしゃるそうです・・・。(ステキですね 




高野山金剛峯寺 襖絵完成記念「千住博展」
 
  2019年3月2日(土)~4月14日(日)  開館時間:10時~20時
  そごう美術館(会期中無休)

    構成 1.高野山金剛峯寺奉納襖絵
       2.龍神
       3.千住博の歩み 1980-2018




花月の会のお仲間を募集しています・・・終了いたしました。

2019年03月14日 | 暁庵の裏千家茶道教室



「花ゆう会」(かゆうかい)のお仲間を募集しています
                
「五葉会」(七事式の勉強会)とは別でして、「花ゆう会」は花月を中心に七事式(最終目標)を修練する会です。
2018年5月19日に第1回・花ゆう会が始まり、皆で楽しく勉強しています。(前回の募集記事)
この度、欠員が出ましたので1名様を募集いたします。
特に資格はありませんが、楽しく回数を重ねて花月を修練して参りましょう。 
(なお、来年度の「五葉会」の欠員募集はございません)

先ずはメールにて暁庵までお申込みまたはお問い合わせくださいませ。
(お名前、住所、連絡先電話、簡単な茶歴、花月や七事式の経験の有無など、お知らせくださると嬉しいです)
メールアドレス:akatuki-ane@grace.ocn.ne.jp


                
「花ゆう会」の概要をお知らせします。
不肖暁庵がご指導させて頂きます。 (参考:暁庵の茶道教室のHP)
暁庵社中もご一緒させて頂き、5~6名で修練します。

募集人数: 1名様
日時:1年間(5月~翌4月)に全9回、原則第4土曜日(第3土曜日に変更有) 
13時集合~17時
(初回は5月15日(土)、6月29日(土)、7月27日(土)、8月、11月、1月は休会予定)
    
場所:暁庵宅 (横浜市旭区今宿 相鉄線二俣川駅下車)

内容:花月の研鑽(毎回3科目)
○ 花月を中心に基礎をしっかり勉強していきましょう。
○ 平花月、炭付花月、濃茶付花月、貴人清次花月、軸荘花月、香付花月、
  投げ込み花月、結び帛紗付花月、且座之式、三友之式など
 (基礎が出来てから四畳半花月、貴人清次濃茶付花月、茶通箱付花月を追加予定)

会費:1回4千円(内訳:会費3000円+水屋料1000円)
   
期間:5月より翌年4月まで
  (1年毎に継続の確認をいたしますが、2年継続できる方を希望します)

募集期間:3月14日~3月31日(日)まで(決まり次第、募集を終了させて頂きます)

素敵なご縁がありますようにお待ちしております
きっときっと・・・新しい世界が広がると思います・・・
  
     
追伸:募集終了はこの追伸欄にてお知らせいたしますので、よろしくお願いいたします。 

追伸)先ほど1名様のお申し込みを頂き、募集終了いたします。
   ご検討中の皆様には大変申し訳ございません・・・。(3月19日)



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弥生の五葉会 in 2019

2019年03月13日 | 暁庵の裏千家茶道教室



  花台にいっぱい春のかおりを載せて・・・三友之式


   春の苑紅にほふ桃の花したでる道に出で立つ乙女     大伴家持

3月8日(金)は五葉会でした。
上記の歌の如く、紅にほふ花を手に手に乙女たちが集まり、七事式を修練しました。
その日は思いがけず見学者があり、経験者でしたので席中に入って頂きました。
科目は廻り炭之式(釣釜にて)、結び帛紗花月、三友之式です。

廻り炭之式では埋火をし、その埋火で火を熾すのが目下の課題です。
10時過ぎに開始なので8時頃に炉に炭(胴炭他ほぼ初炭と同じに)を置き、炉中(灰)をしっかり暖めておきました。
亭主はFさん、暁庵は正客でした。
1年ぶりの廻り炭之式ですが、亭主が置いたすべての炭(胴炭を除く)を引き上げるのに苦戦しました。握力がすっかり衰えているのです。
いつも1月になると廻り炭のために泥縄で始める握力増強の訓練だけでは間に合わなくなりました。
1年通してやらなくては・・・と猛反省。何かを成すには継続する努力が必要ですが、飽きやすく訓練がなかなか続かないのであります・・・
五葉会では毎年廻り炭之式を修練しているので、皆さまスムースに炭を上げたり置いたりでき、継続することが大切と思いました。


  亭主Fさんが下火を巴半田に上げています・・・廻り炭之式

さて、注目の埋火ですが、亭主Fさんが掘り出し割ってみると、かすかに火色が見えて一同大感激!
これを大事に育てることにしました。
ところが、次の結び帛紗花月が終わっても炉中は暗く、火が熾るのに時間が掛かりそうです。
昼休みに釜を上げ、消し炭を足すとウソのように火勢がつき、湯が沸きました。



午後は三友之式です。
三友之式は、十三代圓能斎によって好まれた式で、花を入れ、香をたき、薄茶を点てるところから名づけられました。
とても優雅な式なので、五葉会の素敵なメンバーとの一交をいつも楽しみにしています。
記念に三友之式の記録を記します(全員薄茶を飲めるように6服点にしました)。

      三友之式

  白梅         二  宗曉  三
  青銅・爵

  水仙 椿          宗陽  五
  萩耳付

  雪起し 椿     五三  宗里  一
  古瓦

  椿 雪柳 南天  月 六  宗悦  二
  小代焼

  山茱萸 日光椿    一  宗厚  六
  揖保川焼掛花入

  椿 雪柳       四主 宗智  四
  鉄燈明台








 月を引いた宗悦さんが香を焚いています・・・三友之式

4月の五葉会が諸事情で休会となり、今年度最後の五葉会でした。
5月から新年度が始まりますが、新しいメンバーが加わることになりそうです・・・。
気持も新たに体力増強と維持に努め、五葉会を頑張りたいです。皆さまとご一緒に 

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