暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

サロマ湖  ワッカ原生花園 (2)

2009年08月12日 | 北海道-2009年8月
ワッカ原生花園のサイクルロードは「天国の道」のようでした。
まだ行ったことはありませんけれど・・・。
花に埋もれた「天国の道」をたった二人で、自転車を漕ぎながら
行くのもなかなか良いものです。

おまけに、ワッカの水は「花の聖水」と名付けられていました。
聖水を一口いただくと、金っ気(鉄分など)がとても強く、
美味しくありません。

雨がポツンときたので、ネイチャ-センタ-へ急いで引き返しました。
途中でオホ-ツクの海を悠然と眺めている鷲と再会しました。
往きにも止まっていましたが、相変わらず彫像のように動きません。


         

「まだ、いたわ。きっと尾白鷲よ」
「いいや、あれは尾白鷲ではなく、鷹か、別の鷲にちがいない」
「あらっ!鷹じゃなく鷲だと思うわ。 
でも、さっきから何を見ているのかしら?」
 と、二人でごちゃごちゃ言い合っていました。

すると、鷲が突如、飛び立ったのです。
立派な尾白鷲でした。
「さっきから何をごちゃごちゃ言ってるのじゃ。
 ワシは尾白ワシじゃ!」
と私たちにひとこと言いたくて、飛んでくれたみたいです・・アリガト。

レンタルサイクルのおじさんに
まるで「天国の道」のようだったと夢中で話すと、
ちょっと怪訝な顔をされてから
「私たちは竜宮の道と呼んでいます」

来夏も北海道へ行きたい・・・と思っています。

                          

         

      写真は「ワッカの水」「尾白鷲」「ノハナショウブ」です

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サロマ湖  ワッカ原生花園 (1)

2009年08月11日 | 北海道-2009年8月
サロマ湖を見て、その大きさに驚きました。
まるで海のようです。
面積は琵琶湖、霞ヶ浦に次いで第三位。

対岸は常呂川、湧別川から流出する土砂によって
砂嘴(さし)が発達し、オホーツク海と隔てられています。
翌日、砂嘴にある「ワッカ原生花園」を訪れました。

ワッカとは「ワッカ・オ・イ」
水の湧く処という意味のアイヌ語です。
今でも砂嘴の一角から水がこんこんと湧き出ているそうで、
自転車を借りて、ワッカの水まで行くことにしました。

サイクリングコースが整備されていて、左右は原生花園が続きます。
エゾカワラナデシコ、ハマナス、ツリガネニンジン、
エゾフウロ、ハマエンドウ、ホタルサイコ、ノコギリソウ、
エゾツルキンバイ、ワレモコウ、ツキミソウなどが咲き乱れていました。

今まで見てきた原生花園の中で最も大きく、花の種類も数も多く、
豊かな植生が見られました。

                


「芽を出し、葉を伸ばし、養分を作り、成長し、
 花をつけ、受粉し、種をつける」
原生花園の植物たちは種の保存に一生懸命です。

春が遅く、あっという間に秋から冬へ移行するサロマ湖周辺では、
花期がどうしても重なってしまうそうです。
一斉に咲き競う花たちは、サロマ湖の厳しい環境が生み出した、
生命の輝きなのです。

                           

      写真は「ワッカ原生花園」と「エゾフウロ」

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網走番外地

2009年08月10日 | 北海道-2009年8月
知床からサロマ湖へ向かう途中、映画「網走番外地」シリーズで
有名な「網走刑務所」に寄ってみました。

明治から昭和59年まで使用された網走刑務所は市街地へ移転して、
今は「博物館 網走監獄」として公開されています。
当時の受刑者たちの監獄生活が等身大の人形によって
リアルに再現されていました。

雑居房では六畳の板の間に4~5人が収監されていました。
板囲いのトイレがある部屋は、廊下の看守からは見え易く、
房内からは見えにくい斜め格子戸で遮断されています。

独居房もあり、こちらはトイレ付き三畳です。
明治の頃には、元士族の気骨ある政治犯も多かったそうですが、
北海道の開拓史は、これら受刑者が開墾、道路や鉄道の建設に
過酷な労働を強いられ、痛ましい犠牲の上で成り立ったことを
伝えています。

どんな人がどんな思いで、ここ独居房にいたのでしょうか。
廊下にはストーブ置き場が2台、冬は寒さが骨身にしみたことでしょう。
独居房内へはどうしても気が進まず、入ることができませんでした。

昼飯は食堂で「監獄食」600円也を食べました。
看守二人が見守る中、受刑者たちと一緒です。人形ですけれど・・・。
麦飯、秋刀魚の塩焼き、切干大根の煮物、胡瓜・ハム・春雨の酢の物、
味噌汁です。ヘルシーで、秋刀魚の美味しかったこと!

作業所、風呂、懲戒房、休泊所(移動監獄、通称たこ部屋)が
移築復元されており、貴重な入所体験でした。

高倉健さんの映画「網走番外地」シリーズを二人とも見たくなって、
帰宅してからゲオやブックオフでビデオを捜しました。
残念ながら、今のところご縁がありません・・・。
                            


       

       写真は「知床のオシンコシンの滝」 & 「美味しかった監獄食」

         
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知床で出合った動物

2009年08月08日 | 北海道-2009年8月
今回の羅臼岳登山では頂上制覇はなりませんでしたが、
たくさんの動物に出合うことが出来ました。

大雪渓のある岩場でエゾシマリスを見つけ、
極楽平と弥三吉水でキタキツネに出合いました。
極楽平のキタキツネなんぞは登山者に慣れきっていて、
私たちが休憩している目の前をしゃなりしゃなりと、
気取って歩いて行きました。

「写真を撮るからちょっと待って!」
と、思わず自然体で声をかけました。
もちろんキタキツネは立ち止まりませんが、声に驚く様子も無く、
まるで貴婦人のような態度でした。
「あれで止まってポーズしたら、びっくりだけどね」と主人。

さらに下って「650岩峰」近くの林の中で何やら気配がします。
ヒグマ注意の看板の近くなので「もしや?」
と思いながら鈴を鳴らそうとすると、
「鈴を鳴らすな」と言うのです。

二人で静かにしていると、
ヒグマが約二十メートル離れた林の中に現れました。
クロではなく茶髪で中肉中背のヒグマでした。
何かの葉を食べています。
「もしこっちへ来たらどうしよう・・・」
と急に恐怖心が襲い、我慢できず鈴を鳴らしました。

ヒグマは鈴の音でこちらを見てから、ゆっくりと林の奥へ消えてくれました。
「鈴を鳴らすな・・と言ったのに」と不満そうな主人。
「あなたがターザンなら鳴らしません・・」と心の中で私。
13時過ぎ、無事にホテルへ戻ってきました。

        

「ホテル地の涯」には登山者が汗と疲れを流す露天風呂が
たくさんありますが、なんと全部混浴なのです。
滝川近くにある、四つの露天風呂は無料ですが、
脱衣場もなく、野趣豊かな野天掘りです。
一番奥にある「滝見の湯」へ主人に見張り番を頼んで入りました。

原生林の奥からヒグマにウォッチングされているかもです。
でも、風呂から出る頃には私自身の野性?がだいぶ戻ってきて
「見ても見られても、そんなこと大自然の中どうでもいいや」
という気になっていました。

私の入浴中に滝川へ立派な角を持った大鹿が現れたそうです。
昨日、ホテルへ来る途中にも百頭近くの鹿に出合いました。

今年は鹿が繁殖しすぎて、地元では困っているそうです。


        
    
  写真は、「キタキツネに出合った極楽平から望む羅臼岳」 
       「ヒグマ注意の看板」
       「ホテル近くで出合った鹿」

                        

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北海道  羅臼岳

2009年08月07日 | 北海道-2009年8月
夏休み北海道旅行の最大イベントは羅臼岳登山です。
それで、羅臼岳の麓、岩尾別温泉「ホテル地の涯」に二泊しました。

車を降りたとたん、何ともいえない良い香りに包まれました。
それは甘酸っぱいスイカズラに似た花の香りです。
背後の山全体からその香りが漂ってくるようです。

あとでホテルの方にお聞きすると
「それは楡(ニレ)の花の香りでしょう。
 花は目立ちませんが、今ちょうど花盛りです。
 残念ながら、私たちの鼻はとうに麻痺していて
 その香りがわからなくなっていますけれど・・・」

羅臼岳往復で8時間かかるとのことで、
翌朝、5時半にホテルを出発しました。
久しぶりの登山なので、ゆっくり登り、行ける所まで行くつもりです。

羅臼岳のある知床半島はヒグマの生息地で、登山道に二ヶ所
ヒグマ注意!の看板がありました。
注意として、鈴などの鳴り物で早目に存在を知らせること、
食べ物などゴミを捨てないことでしょうか。
ホテルで鈴を2つ購入し、二人のリュックに取り付けました。

登ること3時間30分、ダケカンバやトドマツに覆われた樹林帯の
背丈がだんだん低くなり、所々に雪渓が見え始めると大沢に到着です。
今年は雪が多く8月だというのに大雪渓が残っていて、
雪渓を登らないと頂上へ行けません。
雪渓を登り羅臼平へ30分、それから羅臼岳の頂上まで1時間弱です。

アイゼンをつけて登る人
登山靴で果敢に登っていく人・・・いろいろです。
主人は運動靴ですので、とても無理は出来ません。
今回は大沢までとし、大雪渓を仰ぎながら昼食をとりました。

短い夏を惜しんで咲き競うエゾコザクラの群落を眺めながら
岩場にてしばし休息し、ゆっくり下山しました。
                            

     

     写真は「羅臼岳大沢の雪渓」と「エゾコザクラの群落」


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