暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

第2回お茶サロン 「聴雪の茶会」のご案内・・・満席になりました

2015年12月21日 | お茶サロン&ご近所さんと茶会



第2回お茶サロン 「聴雪の茶会」のご案内

今日は事始め、今年もだいぶ押し詰まってまいりました。
ただ今休暇中ですが、お茶サロン(第2回)のお誘いをさせて頂きます。
なかなかお茶事とはいきませんで、年2回(風炉と炉の時期に)自宅で気軽なお茶サロンを開きます。

前回(第1回)のお茶サロン「聴雨の茶会」に続き、炉の季節に「聴雪の茶会」を開催します。
昼間ですが、しんしんと雪が降る寒夜の心地にて、粗茶一服いかがでしょうか。

世間の喧騒を離れ、灯火の下で雪の奏でる清音に耳を傾けてみましょう。
粗茶一服差し上げ、薄茶をほっこり楽しみ、茶会後に別室で茶論(サロン)に花を咲かそう・・・という趣旨です。
少人数の茶会ですので、お出かけ下さると嬉しいです。
詳しくは下記をご参照ください。お申し込みをお待ち申しております。


日時:平成28年1月31日(日) 11時席入 (15分前集合)
   
茶席:拙宅 横浜市旭区今宿(参加の方にアクセスを別途お知らせします)

会費:7000円
 
内容:11時席入~炭~香~別室(椅子席)にて食事(懐石弁当、煮物椀、一献など)~(中立・後入)~濃茶~(後炭)~薄茶~お茶サロン(別室)~15時30分解散予定

参加募集:5名様

参加資格:初心者の方も初めての方も大歓迎!です。 
       親しく炉を囲み、ご一緒にお茶を楽しみましょう。

応募方法:メールにてお申込みください(氏名、住所、電話、簡単な茶歴など)
 
メールアドレス:akatuki-ane@grace.ocn.ne.jp

応募期間:12月13日(日)~12月27日(日)まで

その他:満席になりましたら、この欄の追伸にてお知らせいたします。





   
ご参加を楽しみにお待ちしております    


追伸
本日(12月21日)満席になりましたので、「聴雪の茶会」の応募を締め切らせて頂きます。
まだ、ご検討中の方には大変申し訳ないことですが、またのご縁がありますように願っております。
明日は冬至、柚子湯が楽しみです・・・。
本年はいろいろお世話になり、ありがとうございました!
来年もどうぞ「暁庵の茶事クロスロード」をご愛読くださいますように・・・・。
 
  

クリスマス&年末年始の長期休暇をとります

2015年12月07日 | 暮らし

 横浜・三溪園の聴秋閣・・・今年の紅葉はいまいちでした
  (2015年12月1日撮影)

今日は大雪。
まだまだ年内に暁庵の茶道教室の稽古、S先生の東京教室、五葉会、ご近所さんとのクリスマス茶会がありますが、
ブログはクリスマス&年末年始の長期休暇をとることにしました。


今年は京都から横浜への引っ越し、暁庵の茶道教室の開始むらさき茶会の開催など、
私にとって重要な事柄が続きました。
心温かき皆様のご支援のおかげで、何とか無事に今年が終わろうとしています。
ありがとうございました! 厚く熱く感謝申し上げます。

               



横浜・三溪園の春草廬・・・黄色い銀杏が降り積もっておらず残念!
なんか寂しそうな春草廬でした                      

来年は・・・お茶は・・・と考える前に、しばし休憩タイムをとりたいと思います。
1月にまた元気にブログでお会いしましょう。
どうぞ、良い年をお迎えください! 
    



   三溪園に咲く水仙



口切の茶事(2015)-3(最終回)

2015年12月04日 | 茶事


(つづき)
最後に懐石のことを書いておきます。
京都で一人茶事をがんばったお蔭で、茶事の流れが身につき、懐石も少しはできるようになりました。
一人茶事は充実感、達成感があってやりがいがありましたが、
体力的に限界を感じ横浜へ戻る時に卒業することにしました。

それで、口切の茶事の懐石は京遊庵さんへお願いしました。
京都出身の方なので打ち合わせの時から京都や茶事のお話が弾み、安心してお任せすることができました。
本職ならではの提案もあり、茶事中もお客さまとの会話を楽しむ余裕が生まれました。

「懐石が美味しいと好評で、私も嬉しいわ。
 今日の久しぶりのお茶事、とても愉しくって・・・お茶事っていいわねぇ~」
と思わず京遊庵さんにお話したら
「それは好かった! 私としても何よりです」
水屋で二人で盛り上がっていました。

   

その日の献立は
   向付 鯛薄造り 昆布締め  菊花 山葵
   汁 白味噌仕立 蕪 小豆 からし
   煮物 清まし汁仕立 蟹真薯 人参 壬生菜 柚子
   焼物 鰆射込み元焼き
   強肴 海老芋 穴子 紅葉麩 ほうれん草 刻み柚子
   強肴 大根 しめじ 椎茸 人参 蓮根 胡麻和え
   小吸物 梅肉 百合根
   八寸 車海老の雲丹焼き 銀杏松葉串
   湯
   香の物 沢庵 柴漬け 水菜漬け

膳の運びや薄茶を社中のFさんとYさんにお手伝い頂いて、念願の口切の茶事をすることが出来ました。
みなさま、ご協力頂き、ありがとうございます。
「茶事はしたいけれど、できるかしら?」
と案じていましたが、京遊庵さんに懐石をお願いすれば、できるような気がしてきました。



・・・そんなことを考えていたら、お客さまから茶事の礼状を頂きました。
備忘録としてお正客Kさまのお手紙を書き留めておきます・・・心から感謝しつつ・・・。
 
    雨音をききながら幸福な余韻に包まれています
    待合から本席 口切へと心地良い緊張感の中で
    和やかでゆったりと時は流れておりました

    みよしの の口切で香り高い一服のお茶を皆々様と共に
    心ゆくまで楽しませて頂き 誠にありがとうございました

    格調高いお茶事の正客を仰せつかりましたものの 
    力不足 言葉不足で ご亭主のお気持ちに添えましたでしょうか
    どうぞお許しくださいませ

    しばらくお茶事はいいかな・・・と 
    ご自身お思いになられていたようですが
    あの場に一番ふさわしく そして
    一番輝いていたようにお見受けしました。

    古希の茶会に続き 口切の茶事と
    エネルギッシュに満ち溢れた今年のご活躍
    本当に感服いたしております

    来年にはどのような夢を描き
    又どのようなご縁に導かれ どのようにたのしまれるのか
    ・・・不思議な期待感があります
    私を含めいろいろな意味で多くの人に刺激をお与えください

    お忙しい中でのご準備等おつかれのことと存じます
    どうぞお体を大切なさって下さい     
    ご挨拶に伺うべきところですが書状にて失礼致します
                         かしこ  Kより 


Kさま、みなさま、お付き合いくださり本当にありがとうございました。
師走に入り、今年のあれこれを思い出し、感謝やら反省やらしながら来年のことをぼんやり考えています。
茶事は大好きですが、がんばらない茶事や茶会をお客様と楽しむことができたら・・・最高ですね。
来年も何卒宜しくお願い申し上げます。  


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口切の茶事(2015年)-2

2015年12月02日 | 茶事


(つづき)
正客Kさまより
「どうぞご都合により茶壺の拝見をお願いします」
「ご都合により・・・」というのは拝見の仕方がいくつかあるためで、
今回は教本とは違うN先生にお習いしたやり方で、口切の前に茶壺を拝見にお出しします。

茶壺はむらさき茶会の後に「古希の記念に・・・」という口実で購入しました。
口切は特別な行事であり、口切の茶事へお招きを受けるのは茶人として最高の栄誉とも言われていますので、
亭主としても姿勢を正し、茶壺を新たにし、日頃の感謝の心を込めました。
仁清写の茶壺で銘「みよしの」です。

   み吉野の山をいろどる花の雲
       今や錦の時雨ふるらし      暁庵


お正客さまはじめ全員に茶壺を右から左へ回して頂きました。
(満開の桜と同時に錦の時雨を連想してもらえたかしら・・・それと・・・)

御茶入日記を持ち出し、茶壺を持ち帰り、口切をしました。
口切をしたところで
「いずれのお茶を差し上げましょうか?」
「ご亭主様におまかせいたします」とKさま。
「承知いたしました」
茶の入った半袋3つのうち1つを取り出し、茶銘を読み上げ、挽家(ひきや)に入れました。
「千代の寿(上林)でございます」(意中のお茶だったらしく皆さまニッコリ)



詰と書かれた挽家へ葉茶じょうごの詰茶を入れ、葉茶じょうごを傾けて
「トーン トトトン」
・・・この音の響きに口切を実感しながら、残りの詰茶を壺へ戻し、合口を美濃紙で封じ、印を押しました。
お客さまも我がことのように息を詰めて見守ってくださり、心地良い一体感を感じながら・・・。

口切の後は初炭手前、炭斗のふくべを持ち出すと、どっとドヨメキが・・・。
ふくべは茶友Wさんが畑で丹精込めて育て、贈ってくださった逸品、存在感が凄かったみたいです。
なんせ、炉用の大きな炭が小さく感じるほどで、大のお気に入りです。
やっとこのふくべを使って口切の茶事ができたと感無量でした。


   炉縁は根来塗、釜は霰唐松文真形

備忘録として、口切を中心に茶事の流れを書き記しておきます。

1)客は待合で汲み出しを頂いたら、蹲を使い、席入
2)挨拶、正客が「ご都合で茶壷の拝見を」と所望する
3)亭主は壺を床から運んで、炉の下座・かぎ畳で網を脱がせ口緒をほどく。網と口緒は定座へ置く
4)茶壷を拝見に出す。 拝見の間亭主はかぎ畳に座っている
5)詰が正客へ壺を持っていく頃に席を立ち、水屋から御茶入日記を正客へ持ち出し正客前に座り、壺の下座へ置き、壺を持って戻る
6)口覆をはずし壺の封印を改める
7)正客より茶壺、口覆についてお尋ねがある(問答)
8)亭主は水屋から葉茶じょうご一式を持ち出し、壺の下座におく。
9)前畳縁内に挽家(ひきや)二つを左右同時に出し、その前に一式のった美濃紙を出す。
 挽家の蓋を左右同時に開けて横へ置き、壺の口覆をはずし右肩へ置く。
10)茶壷の口を切る。蓋を取り、口覆の前に置いて、亭主は正客に所望の濃茶を尋ねる。
「いずれのお茶をさしあげましょうか」 (問答)
11)詰め茶(薄茶)を葉茶じょうごにあけ、客に所望された袋に入った濃茶を取り出し、右の挽家に入れ蓋をする。
じょうごをまわして詰茶を「詰」と書かれた左の挽家へ入れ、残りを壺に戻す。
12)壺に蓋をして、封紙に糊をつけ合口に封をし、捺印する
13)諸道具を元に戻し、口覆をかぶせ、葉茶じょうご一式を水屋にひく
14)かぎ畳へ斜めにすわり、左手で網袋と口緒を取り、口緒を懐に入れ、右手に網を持たせ壺正面にまわる
15)茶壷を網に入れて水屋へ持ち帰る。
16)御茶入日記を下げて茶道口で礼、襖を閉める
17)初炭手前
18)懐石と主菓子
19)中立
20)銅鑼の合図で後入して濃茶点前。
21)後炭
22)薄茶点前
23)最後の挨拶をし、送礼。


 
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今日のお勧め(として過去のmy blogから)・・・「紅葉のさんぽみち-2・・・栄摂院の散紅葉」