暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

桜の花狂い  「花の業平」

2010年03月21日 | 茶道楽
この時季になると在原業平の歌を思い出し、
これからの「桜の花狂い」の日々が思いやられます。
今年は桜とのどんな出合いがあるのでしょうか。

  世の中にたえて桜のなかりせば
      春の心はのどけからまし  在原業平(古今集)

先ずは我家の江戸彼岸桜が満開になりました。
早速、井上良斎作の唐華彫花瓶へ生けてみました。

三月に行われた五事式の会茶事入門教室では徒然棚を用いました。
淡々斎お好みの、この優雅な棚は業平棚という別名があり、
業平菱に似た形になっています。
勝手付きに二つ、客付きに一つ、業平菱の透かし模様が入っています。
戸が開けられてどんな棗が登場するのか、とても楽しみな棚です。

                     

・・実は宝塚歌劇が大好きで(・・と言っても宝塚歴は浅いです)
香寿たつきさんと安蘭けいさんのファンです。
お二人とも星組のトップスターになり、既に引退しましたが
DVDで今も舞台を時々楽しんでいます。

香寿たつきさんが在原業平を演じた「花の業平」は、
伊勢物語を題材にして、藤原高子との悲恋を縦糸に
東下りの段、伊勢斎宮との禁断の恋、
当時の陰謀渦巻く政争と犠牲になった人々などを
多彩に盛り込んだミュージカルです。

最初と最後の場面は舞台一面の桜。
桜の花は、業平の恋の始まりと終りを、
現世の抗いがたいうつろいを、象徴しているようでした。

これも「桜の花狂い」の一つで、
この時季になると「花の業平」をまた観たくなります。