第52番太山寺・・・長い長い石段のある札所が多いです
つづき)
5月29日
第10日目(5月29日)の行程
ホテルマイステイズ松山(バイキングの朝食が美味しくお勧め)~第52番太山寺~第53番円明寺~松山市堀江の親戚宅~第54番延命寺~第55番南光坊~第56番泰山寺~第57番栄福寺~第58番仙遊寺~第59番国分寺~別格第10番興隆寺~別格11番生木地蔵~ビジネスホテル田中屋泊
朝一番に第52番太山寺の長い石段を上りながら、松山のSさまを思い出しました。
私もですがSさまも膝を悪くされていて、施茶の場所として太山寺が候補にあがったのですが、駐車場から本堂まで長い階段を登らなくてはならず・・・ここでは無理と断念した寺です。
早朝の札所は参拝者が少なく、気持ちも新たに般若心経を唱えました。
般若心経は一番短いお経だそうで、全文276字です。
経本を開き、文字を追い、よく理解できないままにお経を唱えています。
般若心経を唱えている時は集中して無心の境地になることもあり、そんな時に「車で四国遍路」の充実感を感じます。
第52番太山寺の本堂(国宝)・・・鎌倉時代に河野氏が再建
第53番圓明寺にあるキリシタン灯ろう(十字架形灯ろう)
握手修業大師と握手しました・・・第59番国分寺
第59番国分寺は恩師N先生の生家の近くと言うことで、何か親しみのある気持ちで訪れました。
本堂近くに握手大師がいらして、ユーモラスな看板がありました。
「お大師様と握手をして
願い事を一つだけ
あれこもこれもはいけません
お大師様も忙しいですから 五十九番国分寺」
もちろん、握手して一つだけお願いしました。
事故に遭って以来、遍路中の願い事はただ一つ「結願して無事に帰れますように・・・」。
第59番国分寺・・・だいぶ日が傾いてきました
陽がだいぶ傾いて来て、境内には誰もいなかったので、ツレと般若心経をやや大声で唱和しました。
最初の頃は息が合わず、経本の読みの違い、息継ぎの場所、変なアクセントやリズムが互いに気になったり、途中で読経が止まってしまうこともありました。
毎日何度も般若心経を唱和していくうちに、自分の思う通りでなく相手に合わせていけば、向こうも自然に合わせるようになることにやっと気が付き、次第に読経に集中できるようになりました。
そんな葛藤を経ての第59番国分寺で同年代の男性のお遍路さんが声を掛けてきました。
「先ほどから聞かせてもらいました。
お二人の般若心経が美しくハモって、合唱も好いものだなぁ~と聞き惚れていました」
思いがけないお言葉にびっくりして
「お恥ずかしゅうございます」と照れて言うと、手を振って
「いやいや・・・とんでもありません。ありがとうございました」
「こちらこそ、お声掛け頂き、ありがとうございます・・・(合掌)」
「般若心経」のお軸
横浜へ帰ってから少しでも「般若心経」に近づきたいと思い、「松原泰道師「般若心経」を説く」のCDを何度も聞きました。特に次の3つを興味深く伺いました。
○ 般若心経は文字ではない
釈尊の教えを伝承する詞なので文字はあっても文字で表わさない・・・そうです。今は経本がありますが・・・教えを耳に聞いて、それを他に伝承するのが基本です。(陰の声・・・お茶の教えと同じですね)
○ 「空(くう)を説く」
空とは、全ての物事は移り変わって行く、とどまることがないという意味です。
従って、物事にとらわれず、移り変わることを受け入れる心の重要さを説いています。
○ 「無我」
無我とは、物事(人)はそれぞれが単独で存在することができないので、いろいろなものが関連して成り立っていることを意味します。
従って、人々や物事の関係に注力し、そのことに感謝する心の重要さを説いています。
松原泰道師の易しく語りかける講話を伺うと「ふむふむ・・・」とわかった気になるのですが、こうして書いてみると難しく、理解が今1つなのがよくわかります。
懲りずに思うことは、元気でツレと2人で四国遍路へまた行きたいな!
そして、無心に頭を垂れて、般若心経を合唱したいです。
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