暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

峯風庵  雛の茶事 (2)

2010年03月01日 | 思い出の茶事
   (つづき)
雛たちの大歓迎を受けて童心の昔に戻れ、
正客の緊張感が少しは薄らいだようです。

釣釜での初炭手前を雛たちと一緒に拝見しました。

関西風の味付け、柿傳さんと競ったという懐石で
おもてなしを受け、感激しました。
特に一文字と黄身しんじょうの煮物碗は絶品でした。

丁寧に練り上げてくださった濃茶が美味しかったこと。
ご縁があって集まってきた道具のこと、茶事の師匠のこと、
建築家から託された峯風庵のことなど、
いろいろお話を伺えて、とても親しみを感じると共に
峯風庵で積重ねられてきた茶事や維持のご苦労に
想いを馳せました。
淡々と亭主役に徹する森さんの精神力に感服し、そして
本当に茶事がお好きなのだ・・・と。

峯風庵、最終月の茶事にお招きいただいた幸せと
ご縁を感謝しながらのひと時でした。
きっと連客の皆様も同じ思いだったことでしょう。

新しい旅立ちへエールを・・と思い、歌を詠みました。

    峯渡る春のそよ風心あらば
       北指す雁に「まつ」と伝えよ   暁庵

返歌を頂戴しました。

    海わたる風のささやき胸熱く
        時満ちる日の帰雁誓いて   森 由紀子(峯風庵)

「帰雁」が早まって、
今、森さんは大阪の万博公園にある汎庵で茶事講座
開催するなど、前にも増してご活躍中で、嬉しいです。
いつの日かまた茶事でお会いしたいと願っています。

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    写真は、何か言いたげな三人官女。