湿し灰づくり・・・長雨や台風で作業場が玄関へ
葉月も明日でお終い、8月31日はKさんのお稽古です。
長雨や台風襲来に備えて、湿し灰の作業場をベランダから玄関の土間へ移動させていました。
葉月中(つまり明日まで)に何とか終了したいものと、数日かけてせっせと篩っています。
しかし、バケツ3杯分(・・といっても半分の容量)なので、腰と相談の作業は思うようにはかどりません。
何とかバケツ2杯分が終了、クーラーボックス(小型)とポリ容器が一杯になりました。ヤッタね! 。
なんか、とてもリッチな気分です。
30日の午後になると台風10号が通り過ぎたらしく、雨も止み陽射しが戻ってきました。
葉月とは思えない清々しい涼風が吹き渡る夕方だったので、ツレと散歩へ出ました。
約10分ほどで帷子川(かたびらがわ)です。
濁った川水の水量は少ないのですが、ガマや葦がなぎ倒されていて、それなりの出水を思わせます。
帷子川に沿った散歩コースを歩き、湿し灰保存用のポリ容器を買うために大型100円ショップを目指しました。
桂籠に生けた葛の花
途中、葛の花独特の甘い芳香が漂う場所があり、群がって咲いている葛の花を発見。
とても採取しやすい場所と高さだったので、この花を明日の稽古に使いたい・・・と思いました。
100円ショップでキッチン鋏を購入し、目に留まった一枝を採取、
帰るとすぐに余分な葉や花を取り除き、末端をガス火で炭化させて、深水で養いました。
翌日(31日)のこと、いつもは竹尺八、桂籠、やな籠に生けていたのですが、急に釣り花入に生けたくなりました。
気難しく生けるのが難しいのですが、その日は特に難しかったです。
だいぶ葉や花を整理して、何とか落ち着いたかしら?
今日は釣り花入に生けてみました
13時過ぎにKさんが着物姿でいらっしゃいました。
紺地の着物に白地に銀の模様のある帯、とても涼しげでシックでした。
6月頃からK先生(暁庵の知人)に着物の着付けを習い始めたのですが、初めてご自分で着ていらしたのです。
「先生、どうでしょうか? おかしくないですか?
帯の手が長すぎてしまったのですが、自分では直せなくって・・・」
「とても上手に、きれいに着れていますよ。
どれどれ・・・たしかに少し帯の手が長いかしら。ここをひっぱると・・・少しは短くなったかな~」
二度目の風炉初炭手前にも挑戦し、濃茶(大津袋)で続き薄など盛り沢山でしたが、着物で頑張ってくれました。
それにしても、やはり着物でお稽古していると、
「洋服の時とは雰囲気が違って、所作もしとやかでステキだなぁ~」と思います。
着付けのK先生から
「あとはどんどん着物を着て外出して、着慣れてください」と言われているそうですが、
また、お稽古にも着物で来てくださると嬉しいです・・・。
暁庵の裏千家茶道教室 前へ 次へ トップへ
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思い思いの表情が個性的で愉しい・・・
夜毎のBGMが蝉しぐれから虫の音に変わってまいりました。
少し長めの夏休みをとっていましたが、8月24日から自宅稽古が再開です。
ブログも夏休み状態でしたが、お蔭様で、第3回お茶サロンも満席となり、御礼申し上げます。
お茶サロンでは、秋野を駆けめぐる風のささやきに皆で耳を傾けたい・・・と思いを巡らせています。
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思いがけず大学の同期生のA君からでした。
「遅くなっちゃったけれど、去年の同期会で頼まれた志野の汲み出しが出来上がったので送ります」
「えっ! 覚えていてくれたのね。 ありがとう!」
嬉しくって飛び上ってしまいました。
昨年11月15日に静岡県掛川市で開催された同期会のことを思い出しました。
何十年ぶりかで参加したA君は二十数名の参加者全員に自作の志野ぐい飲みを配ってくれたのでした。
その時、たまたま宴席が近かったので
「今、お茶を頑張っているのだけれど、茶事に使う汲み出しを作ってくれないかしら?」
と気軽に頼んでしまったのです。
それを忘れずに・・・それだけでも感激でしたが・・・。
26日に汲み出しが到着。
開けてみると、5個ずつ2セットの汲み出しが大切に梱包されて入っていました。
そして、手紙が・・・忘れたくないので記しておきます。
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昨年の同期会で依頼のあった志野の汲み出し湯呑、やっと焼きあがりましたので、お送りします。
通常の焼き物(酸化或いは還元)はほぼ一日の焼成で済みます。
志野焼の場合はその三倍の三日ほどかけて焼成します。
私の属しているクラブでは、10年位前までは年に7回位は志野焼をクラブ員が主体となって焼いておりました。
ところがクラブ員の老齢化と体力の衰えにより、数年前からはプロの陶芸家に焼成を委託するようになりました。
他人任せのためもあり、各人の思い描いた焼き上がりが期待できなくなったためか、
だんだんと作陶する会員も減り、作品もなかなか数が揃わなくなり、
年に1回焼成できるかどうかといった状態になりました。
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白釉薬の向こうにある文様や指あとに温かさを感じて・・・
今回3種の志野の釉薬を使って60個ほど窯に入れてもらいましたが、出来上がりはいまいちといった状態でしたが、何とか2種2セット確保できました。
形、大きさ、色合い、それぞれ若干の不揃いがあるかもしれませんが、手作りであることを考慮いただき、ご容赦ください。
アサガオ型の湯呑の胴には、「○○○」(暁庵の姓)と下手な字ではありますが隠し柄として入れさせていただきました。
ご愛用くだされば幸いです。 Aより
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くずし字の隠し柄・・・読み難いのがまた好し
手紙で作陶の御苦労の一端を知ることができ、おもわず涙が出て来ました
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A君のご厚意がありがたく、一回でも多く茶事に使いたいもの・・・とウズウズしています。
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第3回お茶サロンのお誘いです。
年2回(風炉と炉の時期に)自宅で気軽なお茶サロンを開いております。
第1回お茶サロン「聴雨の茶会」、第2回お茶サロン「聴雪の茶会」に続き、
第3回お茶サロン「お茶とハーブティーを楽しむ会」を開催します。
日時:平成28年9月24日(土)11時席入(15分前に集合)
応募期間:8月17日(水)~9月10日(土)まで
会費:7000円 (昼食代込、当日お持ちください)
このたびは暁庵の茶会と相田康子さんのハーブティー講座のコラボレーションです。
席入の後、全員で野の花を生け、香を聞き、薄茶とお菓子を楽しみ、
昼食後に別室でハーブティー講座・・・という趣旨です。
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ハーブティー講座の内容は、以下の通りです。
☆ 美味しいハーブティーの淹れ方を知りましょう
☆ 魅力あるハーブティー3種を用意し、講師と一緒に淹れて戴きます
感想などゆっくりお話ししながら愉しいティータイムをお過ごし下さい
1.水色の美しいハーブティー
2.香りの高いハーブティー
3.栄養豊富なハーブティー
相田康子さんはお茶の稽古も熱心ですが、(社)日本ティーコンシェルジュ協会1級認定講師であり、
ティーコンシェルジュチャンピオンシップで昨年今年と2年連続優勝に輝いた、ステキな方です。
どうぞお楽しみに・・・。
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少人数の気軽なお茶サロンですので、お一人でも勇気を出してお出かけ下さい。詳しくは下記をご参照ください。
お申し込みを、新たな出会いを楽しみにお待ち申しております。
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日時:平成28年9月24日(土)11時席入(15分前に集合)
茶席:拙宅・暁庵 横浜市旭区今宿
相鉄線二俣川駅下車(2台駐車可能、参加の方にアクセスなどを別途お知らせします)
会費:7000円 (昼食代込、当日お持ちください)
内容:11時席入~花~香~薄茶~別室(椅子席)にて昼食(松花堂弁当、吸い物)~(中立)~別室(椅子席)にてハーブティー講座~15時30分頃終了予定
参加募集:5名様 (最大6名様まで)
参加資格:初めての方もリピーターの方も他流の方も男性も大歓迎です
ご一緒に茶会とハーブティーを楽しみましょう
応募方法:メールにてお申込みください(氏名、住所、連絡先電話、簡単な茶歴(流派)など)
メールアドレス:akatuki-ane@grace.ocn.ne.jp
応募期間:8月17日(水)~9月10日(土)まで
(定員になり次第、応募を終了いたします)
ドレスコード:着物大歓迎(着物が好きなので・・)ですが、洋服でもOKです。
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追伸) お茶サロンの残席が1名様となりました。
ご参加を心からお待ち申しております。(8月23日)
追伸) 本日5名様の申し込みを頂いておりますが、1名様追加募集させて頂きます。
引き続き、宜しくお願い致します。 (8月25日)
追伸) 本日(8月27日)満席になりましたので、「第3回茶会サロン」の応募を締め切らせて頂きます。
ご検討中の方には大変申し訳ないことですが、またのご縁がありますように願っております。
またのご縁がありますように・・・
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(つづき)
☆ 2016年2月
雪が降りしきる東北・奥会津にバンを走らせる半澤鶴子さんの姿がありました。
大腸ガンの手術から1年経っています。
家族は心配して反対しましたが、「命懸けで行く・・」と茶事行脚へ出かけました。
今回は「雪の中の茶事」を考えていました。
「山の営み、大地の営み、いろいろな大きな息づかいを自分で体験してみたい。
ゆっくり雪と対峙してみたいなぁ~」と思いながら。
雪に深く覆われた河原(福島県大沼郡金山町)に茶事の場所を定めました。
カンジキを履き雪を踏み固める半澤さんが頼もしくも、楽しそうにも映ります。
長い青竹を引きずって来て、青竹4本を組んだ自在、雪と調和して清々しい設えでした。
雪の中から芽吹いた食材を掘り出します・・・それは大地の恵みを受け、次の世代へ繋げる命の力そのものです。
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お客さまは、道すがらに出会った高校3年生の女子3名さま。
自在に掛けられた鍋からよそう「雪中梅のみぞれ椀」、
3人の人生の門出、芽吹きを祝って、雪の中から採取した「酸葉(すいば)」がふるまわれます。
「美味しい!」「こんなの初めて食べました・・・きれい!」「あったか~い!」
心から感じ、楽しんでいる言葉が次々と発せられます。
雨漏り茶碗のように大きな滲みのある茶碗、茶の横縞のモダンな茶碗など魅力たっぷりの茶碗で、
薄茶を嬉しそうに飲んでいる3人の姿が脳裏に焼き付いています。
3人の中に地震の後、福島県相馬から避難してきた女の子がいました。
「大変なこともあるけれど、ここに来たから新しい友達にも出会えたし、良いこともいっぱいあって・・・」
若者は自らの今を受け入れ、折々の出会いを大切にして生きていました。
それは「花一輪に飼い馴らされて・・・」という言葉そのものでした。
雪の中の茶事は、70歳と17歳、人と草花、一期一会の、命と命を通わせる営みとなりました。
☆ エピローグ
最後に、半澤さんの次のような語りで「女ひとり 70歳の茶事行脚」は終わります。
「命に限りがあること、その切なさがあって、人がいたわりあって、やさしさを忘れていたのが自然とやさしくなって・・・
そんな中から生まれて来たのが茶事の世界かなぁ~と、改めて実感した旅だったように思います」
千葉県東金市の自宅の茶室、
古代紫色の小紋の着物、白地の帯、紅い帛紗を付けた半澤さんが独座観念してました。
あの滲みのある侘びた茶碗でシャカシャカとリズミカルに薄茶を点て、静かに独服する半澤さんの映像で番組は終わりました。
鶯も無事の帰宅を喜んでいるようでした。 ホーホケキョ・・・
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ほころびた梅一輪
☆ 独座観念と独座独服
独座観念・・・井伊直弼の「茶湯一会集」より
(・・・前略、茶会の後)
炉前に独座して、今暫く御咄も有るべきに、もはや何方まで参らるべき哉、
今日、一期一会済みて、ふたたびかえらざる事を観念し、或いは独服をもいたす事、この一会極意の習いなり、
この時寂莫として、打語らうものとては、釜一口のみにして、外に物なし、
誠に自得せざればいたりがたき境界なり
独座独服
毎回心を洗うような茶事をしてくださる茶友Kさんが何気なく言った言葉が思い出されました。
「出来るときに出来ることを・・・と思い、今はお客さまに来て頂いて茶事をやらせてもらっているけれど、最後に行き着くところは独座独服・・・と思っているの」
まだお若い(注・・暁庵より)Kさんから茶人の覚悟のようなものを伺って、
その時は驚きましたが、今は少しはその心境に近づいた気がしています。
「女ひとり 70歳の茶事行脚」をやり遂げられた半澤鶴子さんの独座観念、清々しくも眩しくもあり、心から拍手を送ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hakushu.gif)
いつか半澤鶴子さんの茶事でお会いするご縁がありますように念じております・・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_please.gif)
「ふっ~」
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/apple_up.gif)
「女ひとり 70歳の茶事行脚」に寄り添って (その5)へ戻る トップへ戻る
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☆ 2014年11月
平成待庵での一客一亭のあと、半澤鶴子さんはさらに西へ足を伸ばしました。
やさしい空気が流れている山里(岡山県新見市坂本)に出合います。
「自然と共に暮らしていらっしゃる、つつましい人々の暮らしの中にとけ込んで茶事をしてみたい・・・」と思いました。
つづら折りの山道はすっかり秋が深まり、紅葉や黄葉は早や色あせて、野一面の枯れススキです。
晩秋の枯野の風景は人生の終焉を暗示するかのように物哀しく、それゆえに美しく心に迫ってきます。
「山里の暮らしの中の茶事」にぴったりの場所を見つけ、早速準備にかかる半澤さん。
お客さまはこの里に嫁いできて60有余年、5年前にご主人を失くされたという宮原さんと幼な馴染みの神部さん、
女性二人が急な坂道を登って来てくれました。
この日は茶飯釜の茶事、客の目の前でお話しながら釜で飯を炊いて食して頂き、そのあとに同じ釜で湯を沸かしてお茶を点てます。
出張懐石の料理人である半澤さんにぴったりの茶事だと思いながら見ていると、
釜の湯の中にサラサラと研いだ米が入れられ、風炉は石を利用したものでした。
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野趣豊かな山里の自然に溶け込んでしまっているような三人の姿、
美味しそうに料理や茶を頂くお客さまと亭主・半澤さんの顔がなんと幸せそうに輝いていることか・・・番組中一番好きなシーンでした。
また、穏やかに交わされる三人の会話がステキでした。
「80歳まで生きられるかなぁ~と思ってやっていたら、80歳を越して、
85歳まで生きられるかなぁ~と思っていたら、まぁ85歳を過ぎたけん、
今度は90歳まで生きられるかなぁ~と思っています」と神部さん(87歳)。
「このようなことは夢にも思わなかった! 「死に土産」になりました。
85、6になったらいつ逝くかわかりませんので・・・」と宮原さん(85歳)
坂道を帰っていく二人を見送る半澤さん
「こんなきれいな所でお二人に出会えて、「死に土産」という言葉まで頂いて冥利なことです」
「花一輪をそのまま生きていらっしゃるようなおばあさんに出会って、
ありのまま全てを受け入れて生きることに答えがあるように思います・・・」
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次回、冬の旅ではずっーと夢だった究極の茶事をしてみたいという思いが膨らんできたのですが、旅は中断されました。
秋の旅のあと、半澤さんは大病を患います。
こぶし大の大腸ガンが見つかり、手術を受けたのです。
幸いにも転移もなく、順調に回復しましたが、1年間療養しながら自らの命と向き合うことになりました。
その間に「自分の細胞がドックンドックンと、生きよう!生きよう!」としているのを実感したそうです。
・・・病気を受け入れ療養に努め、2016年2月、茶事行脚へ復活を遂げたのでした。(もう少しつづく)
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