暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

「薔薇の茶会」のおたより・・・(2)

2021年06月30日 | 薔薇の茶会・・2021年5月

      奥のガゼボ(西洋風あずまや)が「赤毛のアン」薄茶席です

 

5月29日(土)に開催された「薔薇の茶会」に寄せられたおたよりの続きです。   

Iさまより

暁庵先生 お疲れはございませんか。

「薔薇の茶会」、とても印象に残るお茶会でした。

友人共々、3席のご趣向と園内の雰囲気がとてもよく、秘密の花園に迷い込んだひと時に、何とも言えぬ 幸せな思いでバラ園をあとにいたしました。

暁庵先生とお会いでき、とても嬉しく思いました。想像していた感じとおなじ佇まいの先生にご縁が出来ましたことが本当に嬉しく、もう次回のお茶会も 楽しみにしております💛

赤毛のアンのお席ではお話がとてもよく、赤毛のアンをモチーフにしたことが分かりやすく、お話の掘り下げ方がとても心地よく響きました。

他の2席の席主も巧者で和気あいあいのいいお席でした。

お声がけくださり心よりお礼申し上げます。 これからもよろしくお願い致します。    Iより

 

Mさまより

本日は素敵な薔薇のお茶会を開催していただき、ありがとうございました。猛暑の予報でしたが、程よいお天気のもと、とても楽しく過ごさせていただきました。

想像以上に広くて素敵な庭園でした。

殿堂入りの著名な薔薇から2020年の国産ブランドローズまで、色とりどりの薔薇が迎えてくれて、椰子の木や温室の多肉植物は異国のようで、不思議な形の松や灯篭や多宝塔や…そこかしこに休憩にぴったりの東屋やベンチがあり、ハーブに果樹や野菜も…モンシロチョウやアゲハやシジミチョウやアオシジミなど、蝶々もいっぱい! もうあそこに住みたいくらいです!

 

赤毛のアン席で登場した、アンがアラン夫人のために用意した薔薇とシダのテーブルコーディネート、ダイアナと出会ったときのバリーさんちの庭の牡丹、松本侑子訳の該当箇所を帰宅後もう一度読み返しました。浮島でプリンスエドワード島というのも、そう言われてみるとアンにぴったりのお菓子ですね。

 

 

小堀遠州流の「再会のバラ」薄茶席、誰が誰と再会するのかな?と思っていたところ、TIHOさんが愛したバラをご自分で絵付けされたお茶碗の数々、どれも薔薇を愛して育てた方ならではの観察力で、品種の特徴がとらえられていました。

わかば席に出た薔薇の絵柄はプリンセスドモナコ、ピース、ブルームーンでしたが、きっとまだまだたくさんあるのでしょうね、ほかのお茶碗も拝見したくなりました。

お菓子のモデルの朱雀は見たことのない品種でしたが、剣弁高芯咲の蕾が見事に表現されていました。

 

    薄茶席「再会の薔薇」(小堀遠州流なので席主の袱紗が右側です)

 

各席の茶筅立ては、N氏の作品だったのですね。前日に竹を切ってきたとおっしゃっていた灰吹きから小枝が伸びてて、カッコいい〜、と感動。どうしてきゅうりが置いてあるのかな?と思っていたら、茶杓置きとは。

水指の塗り蓋は黒と思っていましたので、溜塗に時代が付いた朱の蓋には驚きました。溜塗の棚に乗った乾漆の棗の金蒔絵とマットな質感、なんとも素敵でした。

青梅のお菓子に梅肉も入っていて歯触りもおもしろく、とても美味しかったです。「近くの石井」とおっしゃっていましたが、石井菓子舗さんというお店でしょうか?

 

      「濃茶席」(裏千家流)・・・お軸は「真楽」です

 

どのお席も、心に残る素敵なおもてなしでした。

ほんとうに楽しかったです。はしゃぎすぎてご迷惑をおかけしていなければよいのですが・・・。

みなさまご準備から後片付けまで、たいへんな中、ぜひまた企画してください、なんて言うのは勝手なお願いかもしれませんね・・・どうぞ、お疲れの出ませんように。    M 拝

 

   「薔薇の茶会」のおたより・・・(1)へ戻る   ・・・(3)へ続く

   「薔薇の茶会」・・・3席の会記へ   ・・・終章「すべて世は事もなし」へ

   「薔薇の茶会」のご案内へ

 

 


「薔薇の茶会」のおたより・・・(1)

2021年06月29日 | 薔薇の茶会・・2021年5月

         「薔薇の茶会」の会場・櫻井ファームの薔薇園

 

5月29日(土)の「薔薇の茶会」から早や1ヶ月が経ちました。

ブログ読者の皆様はいろいろ心配してくださったことでしょう。

「コロナ禍なのに薔薇の茶会をなさったのかしら?」

「「薔薇の茶会」へ行きたかったけれど、どんな茶会だったのかしら?」

「どんなコロナ対策をしたのかしら?」

「無事に終わったのかしら?」・・・・などなど

 

 

「薔薇の茶会」は無事に終了しましたが、もうもう疲れ果てて、ブログへ書く気力がありませんでした。

それでも時間が疲れを癒し、お客さまからのお便りが良薬となり、回復しましたのでどうぞご安心ください。

「百薬に まさる会後の たよりかな」・・・その素敵なお便りを「薔薇の茶会」の証しとして書き記します。

ご一読くださり、「薔薇の茶会」の余韻に浸ってくださると嬉しいです。

 

Tさまより

五月は目まぐるしく過ぎ 明日から六月 雨の季節の到来です

暁庵様 先日は素敵なお茶会にお招きいただき ありがとうございました

薔薇と光と風と そして笑顔が溢れた 素晴らしい時間を過ごさせて頂きました

コロナ禍に野外での茶会となれば 様々な場合のことを考え シュミレーションし 知恵を出し合い 更に検証し・・・と準備のご苦労さぞかしと存じますが さすがに社中の皆様の結束の強さ 何より暁庵様の情熱とパワーが見事に薔薇園とお茶席を融合させて 素晴らしい世界が出来上がっていました

おかげさまで 私達 客一同 久しぶりに お茶を通じて心を通わす悦びを 存分に感じることができました  心より感謝申し上げます

一大イベントの成功でほっとなさったと思います

お疲れでませんよう しばしゆっくりなさって下さい   かしこ    Tより

 

 

Hさまより

昨日は薔薇の茶会の楽しい一日をありがとうございました。

確かにお茶の神さまの助けがあったと思ってしまう一日でした。当日を迎えるまでの様々なご苦労が想像されました。

赤毛のアン席ではUさん、Kさんの語りかけるような席主ぶりには感心いたしました。参加者をもてなし楽しませるようなトークは学ぶところが多く、アンに因んだお道具の説明も興味深く拝聴しました。

Nさんのお席は、Nさんのテイストがあふれるお道具の組み合わせで、なにかほっとするものを感じました。Iさんのプロフェッショナルな説明もすばらしく、いつまでも聴いていたい気持ちでした。

再会の薔薇席は小堀遠州流の綺麗さびの世界につつまれ裏千家との違いに新鮮さを感じました。

午前中はお手伝いの機会をいただき、こちらもとても勉強になりました。私はどうも裏方の方が性に合っている気がします。

ご主人様もお茶碗の消毒に奔走されていらして、皆さんが力を合わせる姿を美しく思いました。

同行の茶友も久しぶりにお茶の世界を楽しんだと喜んでおりました。

まだしばらくは後の始末にお忙しいとは存じますが、どうぞお疲れのでませんようにご自愛くださいませ。

本当にありがとうございました。     かしこ   Hより

 

 

Rさまより

百花繚乱の美しい季節ですが 先日の櫻井ファームの花々は見事でした

私はまだ土曜日の余韻に浸っております

自宅でお茶会をするだけでも大変なことですが ローズガーデンで しかもコロナ禍の時

お茶道具だけでなく目隠しのカーテン、かごの荷物置き、電源の心配に扇風機、畳、消毒薬、飲み物に咳止め用キャンディー・・・暁庵様がどんなにかお考えになられ お心配りをされたのが良く分かります

今は夏も冬も快適な生活に慣れていて 身体の全てが甘やかされていますが こうして外に出てみると 自分の五感が活性化されて来るのが分かりました

強い風を感じ 初夏の日射しを浴び 緑や薔薇の香りの中でお茶を楽しむ・・・

この1年半もの間 背中を丸めて家の中に閉じ籠っていた身体が全身で喜んでおりました

 

「赤毛のアン」の植田様のお席は温かい。前回の茶事の時もですが ダイアナになった気分で スグリ酒を片手にずっとおしゃべりをしていたい気分になります

「再会の薔薇」の小堀遠州流・小林様のお席は 他流派の私達のために所作や点前の細やかな意味を説明してくださいました  

「再会」が色々な所に散りばめられていて 謎解きゲームのようでわくわくいたしました  薔薇の絵付け茶碗も素敵でした

「濃茶席」の中野様のお席はやはり流石でした

お道具組でもお話も今日庵の中にいるかのような錯覚を覚えました

お道具の一つ一つが全て調和していて 無駄もなく でも重過ぎることがなく・・・粋でした

席中お話をしてくださった箱根のお茶室にも思いを馳せておりました

 

この三席を同時に開催されるなんて 暁庵様はどうしてこんなに次々と素晴らしいことをかんがえられるのでしょうか 本当に楽しいです

どうぞお疲れを癒してくださいませ・・・と皆様はお手紙に認められるかと思いますが・・・いえいえ!

是非是非またすぐに開催してくださいませ  楽しみにしております

幸せな一日を ありがとうございました   

・・・・やはり、ゆっくりお身体を休めてくださいませ    かしこ   Rより

 

   「薔薇の茶会」のおたより・・・(2)へ続く   ・・・(3)へ続く

   「薔薇の茶会」・・・3席の会記へ   ・・・終章「すべて世は事もなし」へ

   「薔薇の茶会」のご案内へ