暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

桜を愛でる茶事

2010年03月24日 | 茶事
昨年(平成21年)のサクラと茶事のお話です。
4月半ばから四国遍路へ出かける前にどうしても・・と、
「桜を愛でる茶事」に茶友を我家へお招きしました。

裏庭の公園に染井吉野が十数本あるのですが、
その一本に一際見事な枝振りの桜がありまして、
「私のサクラ」と名付けて愛でております。
大きく開口している台所の窓から洗い物や野菜を切りながら、
朝な夕なに「私のサクラ」を眺め暮らしています。
・・・平和を感謝し、胸キュンになるくらい幸せな一時です。

平成21年4月5日(日)は天気も良く、満開のサクラ日和でした。
業平の歌の如く、茶事の日のかなり前から何時咲くのかしら?
満開は何日? 咲けば咲いたで、雨風や気温が気がかりでした。

茶事次第は、廻り炭、点心、菓子、中立、濃茶、薄茶(花月)でした。
お道具はもちろん、さしたる趣向もないのですが、
桜の花を愛で、散る桜を惜しみながら、粗茶一服さしあげました。

茶事が始まってから
「私のサクラ」が一番良く眺められる場所(公園)に薄縁を敷き、
腰掛を運び、緋傘を立てました。
露台(腰掛待合)から公園まで腰掛を運ぶのは着物姿の亭主には
ちと無理なので、主人にSOSでした。
中立でその腰掛へ座って頂き、しばしサクラを楽しんで頂きました。

濃茶の茶碗は佐渡の陶芸家・渡辺陶生作の楽茶碗で、サクラ色です。
佐渡の花之木旅館でこの茶碗に出合った時、もっとピンク色で
キャピキャピしていて落ち着きが欲しいと思いました。

「坂東玉三郎さんがこれと同じのをお買い上げで、使っているうちに
 とても好くなったそうですよ」と、陶生さんの奥様。
玉三郎の一言に購入を決めた思い出の茶碗です。
この茶碗は使うごとに好くなって
「玉三郎」と名付けて愛用しています。

毎年どなたかを気楽にお招きしたいものです。
今年の「私のサクラ」の開花予想は3月27日(土)、
満開予想は4月3日(土)です。

諸事情にて今年の春は茶事をいたしませんが、
薄茶一服(何服でも)や稽古のお付き合いは大歓迎です。
よろしかったらご一報ください。