長々とお付き合いくださいまして、ありがとうございます。
忘れないうちに・・・と一生懸命思い出しながら書いていますが、はや記憶が・・・。
つづき)
看月の間で親授式が行われました。
それに先立ち、業躰先生のご指導でリハーサルが行われ、皆で練習しました。気持を合わせて礼を揃えたり、歩く動作や拝受の仕方を確認をしたり、皆、一生懸命でした・・・そして、皆で熱心に練習したことが今思うと、とても良い思い出となっています。
利休道歌「その道に入らんと思ふ心こそ 我が身ながらの師匠なりけれ」やお言葉を唱和した後、お家元が入って来られました。そして、親授式のお言葉を賜りました。
既に断片的にしか思い出せませんが、少しでも記憶に留めるために記します。どのお言葉もずっしりと重く、心に静かにしみわたって行きました。
今日から茶道を教えるプロとしての第一歩が始まりました。
「教授」になったからと言って何か特別なものが備わったわけではなく、「教授」という厳しい修行が新たに始まったのです。
弟子に問われてわからないこともあるでしょう。しかし、その場を適当に切り抜けて終わるのではなく、
「わからないけれど調べてお答えします」と素直に言える先生になって、しっかり勉強して伝えて欲しい。
「教授」という名前の持つ真の価値が自分に備わったかどうかは難しく、自分では到底わかりません。
けれども、もしかしたら弟子たちが教えてくれるかもしれません・・・。
最後のお言葉は、いつも生徒さんに教えられることが多い暁庵には何よりの今後の指針のように思われました。
茶道教室を開いた時の座右の銘「養之如春(これを養う春の如し)」を思い出しました。
これからもゆっくりと、されど一歩一歩確実に、生徒さんと一緒に茶の道を歩いていけたら・・・と思います。
2階の聴松の間でお家元から一人ずつ教授の許状を拝受しました。
数日前に右足首を捻挫し正座が大変だったので、椅子を用意してくださいました。
拝受の折も立礼のままいただくという心温まるご配慮をいただきました。(「えっ!お家元を立たせたのですか?」とツレに言われましたが・・・)
「足をくれぐれも大事にしてください」というお言葉を掛けてくださって、感謝感激しています。
ありがとうございました!
親授式が無事終わり、茶道会館の2階広間の立礼席(御園棚と喫架)でお菓子と薄茶一服を頂戴しました。
日頃、ご指導頂いているS先生のお点前にてお菓子と薄茶一服を頂戴できましたのも、忘れられない思い出になりました。
ご用意いただいたお道具も親授式をお祝いするおめでたいものばかりで、嬉しく拝見しました。
お軸は「豊楽萬歳歓」、お家元の御筆です。
花は紅椿の蕾と若葉(雪柳?)、花入は今日庵の庭前の竹で作られた一重切、銘「つれづれ」です。
御園棚のお釜は淡々斎お好みの常盤釜、水指は桶側(清渡り)、扇面蒔絵大棗(お家元の花押)、二節の珍しい茶杓は玄々斎作で銘「福寿」です。
主茶碗は、赤楽で15代直入作、お家元の銘「千年の翠」です。前日、楽美術館で「やわらかなぬくもり展」を見てきたばかりなので興味深く拝見しました。赤楽茶碗ですが赤の部分は少なく、白灰色の釉薬がたっぷり掛かっていて、削りが柔らかな印象でした。替茶碗は高麗堅手です。
・・・・こうして親授式が無事に終わり、感無量です。
(記念撮影をI氏にお願いしました・・・4月23日)
1つだけ心残りが・・・、それはコロナウイルス禍でもあり、京都や関西在住の茶友や友人たちと会えなかったことです。ご迷惑をかけても・・・と思い、どなたにも知らせず、誰にも会わずに京都から帰ってきました。
こんなことは初めてですし、今回だけでお終いにしたい・・・とコロナ終息を切に願っています。
颯々の今日庵にて・・・ (1)へ戻る (2)へ戻る