暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

木五倍子(キブシ)の道をゆく

2016年02月27日 | 暮らし


   木五倍子(キブシ)の花房

早春の散歩道のつづきです。

今週の診察で許可を頂いたので、ウズウズそしてこわごわと水泳や長めの散歩に挑戦しようと張り切っています。
・・・ところが、プールが1週間休館中とのこと、早春の花を訪ねる散歩へ出かけました。

茶花に使う蕗の薹と木五倍子(キブシ)が目的です。
金が谷広町公園を抜けて矢指市民の森、そして「木五倍子の道」と名付けている散歩コースへ。



 公園に隣接して咲く山茱萸の大木

金が谷広町公園は白梅、紅梅、藪椿が花盛り、山茱萸も咲き始めました。
これから桜、土佐水木、伊予水木、雪柳などが次々と咲き競い、
パステルカラーに染まった景色が楽しみな公園で、しかもめったに人と会いません。
木五倍子を捜しましたが、ここでは見つかりませんでした。

大好きな矢指谷戸も3年間留守にしていた間にだいぶ変わりました。
時々水を汲んでいた一里山の湧水が使えなくなっていました。
代が変わったのでしょうか?
井戸水をポンプアップしていたのがポンプが止められ、周囲も荒れ果てていて残念!
蕗の薹を3本根付きで採取し、我が家で育てるつもりです。




湧水を汲んでいた頃の「一里山湧水」



野菜直売所で蕗の薹を買うのが楽しみでした・・・

まだ健在かしら?と案じながら「木五倍子の道」を目指しました。
花芽をつけた木五倍子を発見! まだ茶色の固い花芽です。
「花芽が開くのはあと1~2週間後かしら? それに花芽の少ないこと・・・」
さらに木が伐採されたりして本数が少なくなっていました。
少しがっかりしましたが、木五倍子を捜しながら別の道を進むと
「あったわ!」
しっかりした木五倍子が数本並んでいて、茶色の花芽をびっしりつけています。
2本だけ採取して水切りして花芽が開くかどうか、様子を見ています。


    「椿屋敷」にて


開拓した「木五倍子の道」をさらに進むと、「椿屋敷」と名付けている場所へ出ました。
赤、白、絞り、一重、八重・・・さまざまな椿の花の饗宴に目を奪われ、
風は冷たいけれど春をしっかりと受けとめて、帰途へ着きました。
1時間30分位の久しぶりに長い散歩でした・・・。   


 「花歌とてよみ侍りける」
    吉野山こぞのしをりの道かへて
       まだ見ぬかたの花をたづねむ   西行
 



如月の教室だより

2016年02月24日 | 暁庵の裏千家茶道教室


  辛夷の咲く春を待ちわびながら・・・
                     
如月の候、遠出や五葉会(七事式の勉強会)は無理できずにお休みしましたが、
暁庵の茶道教室は社中の皆様に助けられて休まず稽古しています。

如月といえば大炉。
我が家には大炉が切ってないのですが、めげずに大炉の稽古をしました。
逆勝手の点前座に薄縁を敷き、茶道口に障子戸を置きました。
炉の五徳を右下方へ寄せて風炉真形釜を掛け、左上方に雪輪瓦の代わりに或るものを入れ、
あとで湿灰を入れてもらい、灰匙をさします。


  ミモザが真っ盛りです

この日はYさんとFさんがいらっしゃいました。
月に1回、福島県I市を朝早く出発し高速バスに乗って来てくださるので、昼食をお出ししています。
実は、大げさではなく、軽めで美味しい我が家の家庭料理を食べて頂きたい・・・と、
毎回あれこれ考えてお出しするのがささやかな楽しみになっています。
この日はドライカレー、ホウレンソウの胡麻和え、タクワン、味噌汁だったかしら?
早めに来てくださったFさんと三人で仲良く「いただきます!」

大炉の初炭手前に始まって薄茶、昼食後に後炭手前と濃茶、
「大炉のお稽古は初めてです」と言いながら、Yさんが頑張りました。
その後にFさんに薄茶ともう一度後炭手前をしてもらいました。

大炉はなんといっても後炭手前に風情があり、焙烙の湿灰を撒く所作が見せ場でもあります。
焙烙は京都・壬生寺で購入した思い出の品を使いました。
炭斗に後炭を組んでおき、中立で炭の様子を見て後炭に必要な炭を見積もって炉の左上方隅へ入れます。
集中して大炉の点前が続いたので、頭も身体も大炉仕様になり、逆勝手とは思えないスムーズなお点前になりました。
「来年は、親友Kさん宅の大炉でお稽古しましょうね!」
今日お話しした大炉の違いや特徴がもっとわかり易くなることだろう・・・と楽しみもできました。


(そろそろ「木五倍子(キブシ)の道」を歩いてみよう!)

大炉仕様から通常の炉へ戻した頃、N氏から見学希望のメールが届きました。
その日はFさんの真之行と、Kさんの濃茶平点前を予定していましたが、真之行は次回に変更し、
盆香合と薄茶貴人点を見学して頂きました。

盆香合は、名物や由緒ある香合を用いて炭手前を行う時にする点前ですが、
香合台の炭の上に香合を乗せずに炭斗を持ち出し、後から盆に乗せた香合を持ち出します。
Fさんが選んだのは青磁の桔梗香合、盆は黒四方盆でした。

「盆香合を拝見するのは初めてかもしれません・・・」とN氏。
20年ほどお茶から離れていたというN氏、でもなかなかの正客ぶりです。
Fさんが貴人点で点てた薄茶を二服、美味しそうに味わってくださいました。


 クリスマスローズ
 雪起こし(ゆきおこし)とも
 寒さに強く、
 冬枯れの大地で
 雪を持ち上げて
 花を咲かせるところから。 (季節の花300より)

その後にKさんの濃茶平点前と薄茶平点前が続きます。
濃茶点前はその日が二度目、
「先生、何も覚えていません!」と言っていたけれど、
基本所作がきちんと出来ているので二度目とは思えないほどで・・・頼もしく思いました。

三寒四温の日々、春を待ちわびながらの教室だよりです。


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早春の散歩道

2016年02月18日 | 暮らし


 朴半(ぼくはん)とミツマタを備前焼・蹲に

左足の痛みをいまだに引きずりながら、できることをしています。
その一つ、散歩。
横浜の郊外に住んでいるので、近くに四国遍路の時に通ったような鄙びた山道があり、散歩するには良い処です。
左足と相談しながら30分と時間を決めてお天気が良ければ出かけるようにしています。
痛みがひどい時には歩いてはいけない・・・と言われていますが、
足が退化しそうで歩かない方が心配になります。

散歩の途中でミモザが花盛りなのを発見! もうミモザの咲く頃なのですね。
1月に降った雪のせいでしょうか、枝が折れています。
折れている枝にも黄色い花をびっしり付けていたので、一枝持ち帰りました。


 ミモザと朴半を揖保川焼花入(池川みどりさん作)へ

これも散歩の帰り道、山のようにゴミを出している家の前を通りました。
お茶とお花のO先生のお宅で、ご高齢だったのでお亡くなりになったようでした(合掌・・・)。
生花に使ったのでしょうか、大きな流木が数個捨てられていたので
「これを頂いてもよろしいかしら?」
「どうぞ持って行ってください」と息子さんらしき人。
持ち上げようとしましたがすぐにあきらめ、息子に車で運んでもらいました。
O先生と特別に親しかったわけではありませんが、茶会で一度叱られた(?)ことを懐かしく思い出しました。
大事に使わせて頂きます・・・ね。


 3つの流木を組ませて水仙を入れてみました

茶友の長野珠己さんからメールが届きました。
ご主人の釜師・長野新氏が2月21日のテレビに出演するそうです。

 2/21(日)午前9:00-9:24  BS-TBS 「こころふれあい紀行」

頂いたメールによると、
  実は、来週2/21に主人がテレビに出演することになりました!
  二胡奏者の方が日本を旅して匠を紹介、最後にイメージの一曲をプレゼントしてくださる、というもの。
  先日工房に撮影隊がみえ、一日かけて撮影されました。
  最後には生の二胡の響きにうるっと…心に触れる音色ですね。

「心ふれあい紀行」・・・忘れないように予約しました。ご一緒にいかがですか?
お釜も好きですが二胡の音色も大好きなので今から楽しみにしています。  


整形外科と麻雀教室へ通っています

2016年02月14日 | 暮らし
                          

2月14日(日)、今日はバレンタインデイであり、いちねん会(七事式の勉強会)です。
左足の痛みが治まらず、いちねん会をお休みしました。
「今頃・・・皆様、楽しくお稽古しているだろうな・・」と外を眺めると、嵐のような雨と風です。

1週間前の2月7日(日)は快晴でした。
窓から冬枯れの戸外を見ていると陽射しが暖かそうだったので、ツレを誘って散歩へ出ました。
家を出た途端、風の冷たさに驚き、内心「シマッタ!」と思ったのですが・・・。
徒歩10分ほどの公園を目指したのですが、公園の手前で左足が痛み出しました。
その痛みは我慢できないほど激しくなり、そろりそろりと引き返しました。

・・・翌日、覚悟を決めて整形外科を受診しました。
M先生の診断によると、左足の痛みの元凶は腰にあり「腰椎すべり症」という病名です。
先生のお話では、今急に始まったことではなく、おそらく40代頃から徐々に・・・とか。
痛みを何とかしたいので、静脈注射、内服薬、貼り薬、キセノン照射をお願いしました。
対症療法の他に決め手の治療はなさそうで、姿勢を正し、上手にお付き合いするしかなさそうです。
痛みが治まったらM先生と相談しながら、筋力をつけるため水泳を再開したいと思っています。

                          
                              心花さんに頂いた干菓子で、心安らぐ一服

1月から友人の紹介で健康麻雀教室(市主催、1コース8回)へ週1回通っています。
麻雀は楽しくって好きですが、家庭麻雀なのでメンツが揃わず年に数回しかやる機会がありません。
それに、すぐに点数計算をしてくれるので、いつまでたっても点数計算ができないのが悩みの種でした。
麻雀教室へ行くことにしたのは、
一.十分愉しく、お茶のない生活は考えられないけれど、お茶以外の新しいことを何か始めたい
一.麻雀を通して新しい友人をつくりたい
一.点数計算がすぐにできるようになりたい
一、十分に頭の体操をして麻雀が上手になりたい

麻雀教室のあるスポーツセンターまで車でせっせと通っています。 


聴雪の茶会を終えて

2016年02月11日 | お茶サロン&ご近所さんと茶会


 1月18日(月)に雪が降り積もりました

1月31日(日)に第2回お茶サロン「聴雪の茶会」をしました。

1週間前から左足が痛みだし直前まで危ぶんでいましたが、開催できてホッとしています。
何とかお点前(初炭と濃茶)やお運びが出来そうだったこと、
暁庵社中の半東Fさんが獅子奮迅の働きで助けてくださったこと、
そして何より私自身が5人のお客様との「聴雪」のひと時を心待ちにしていました。

お客さまは、正客Oさまと詰のYさまは同門社中の先輩、次客Kさまはお茶サロン2回目、三客Hさまと四客Tさまは初めての参加です。
私も含め皆さま、この日のご縁をドキドキワクワクして迎えたことでしょう。


 四客Tさまお気に入り(?)のパイナップルのランプ

三客Hさまが終わりの挨拶の時に
「実は京都で暁庵さんにお会いしているのです・・・」
もうびっくり!しましたが、何処でお会いしたのかしら? 
伺うと、2013年5月21日の西本願寺で行われた降誕会(こうたんえ:親鸞聖人誕生を祝う法要)、
飛雲閣で行われた特別茶会だとか・・・。
そういえば、床のお軸と会記を二人連れの女性と一緒に拝見したような・・・。
きっと親鸞聖人のお引き合わせに違いないと、不思議なご縁を感じました。



「聴雪の茶会」のあれこれを書きたいところですが、とても素敵な茶会(自分で言うのも変ですが・・・)だったので、来年もこのテーマで茶会または茶事を続けたいと思っております。
それで、この度は御参加頂きましたお客さまからの手紙を載せさせて頂きました。

 Hさまより
本日は数々のご趣向あふれる聴雪の茶会、ありがとうござました。
ブログを発信している方が一読者を自宅へ招くことは相当の覚悟を要すると思うのですが、
そんなちっぽけな私の懸念などふきとばす暁庵さまのお人柄が一番心に残りました。
私は年がいってから入門しましたので、行きつかないのでは・・と思いつつ、
また精進したいと改めて思いました。親鸞聖人に感謝です。
どうぞお疲れがでませんよう、くれぐれもご自愛くださいませ。 まずは御礼まで。


     きんとん「下萌」

 Yさまより
厳寒の候 本日は聴雪のお茶会にお招き頂き 誠に有難うございました。
暁庵様、今日私、とても感激致しました。
テーマをどのように演出なさるのか とても興味深かったのです。
お待合のお軸から始まり、お薄席までの構成がとても自然でかつ巧妙(?)で
私達を飽きさせませんでした。
経験を積まれたご亭主様の語り口や歌に至るあふれる教養と知性も私を刺激致しました。
暁庵様のおもてなしの心が充分に伝わり、一座建立や余情残心の言葉をかみしめ
心地良く帰路に着きました。
おみ足の事が心配です。 どうぞお疲れが出ませぬようにおいとい下さいませ。
ご主人様、半東様にもよろしくお伝えください。   かしこ

・・・愉しかった茶会のあれこれを思い出しながら何度も読んでおります。 ありがとうございます!