麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第481回)

2015-05-02 14:05:12 | Weblog
5月2日

仏法部、角川文庫の上巻、読了。すでにスーパースター級の坊さんの話は少なくなり、有名無名各寺の和尚、はては乞食僧の話にまで話のすそ野は広がっています。なぜここまで飽きずに読めるのか考えてみると、結局私自身、坊さん側の人間だからなのだと思います。もちろん、徳が高いというようなアホな意味ではなく、名誉、富、子孫をまったく求めていないという点で。しかしまた彼らと違うのは、私が極楽往生も求めていないこと。本当にほしいのはひとりで紙に向かえる時間だけです。子供のころにはけっこうあった、「自由」。ひとり、とはいま現在の物理的な状態だけでなく、心のどこにも、めしを食うための人付き合いの影が一切ないこと。つまり、不可能な状態ということです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 生活と意見 (第480回) | トップ | 生活と意見 (第482回) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事