鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

それでも面白い米アカデミー賞表彰式

2008-02-27 | Weblog
 米国映画界の祭典、アカデミー賞の受賞式の模様をWOWOWで見た。25日の午前9時60分から米ロサンゼルスで開催されたのを中継したもので、米脚本家組合の脚本料値上げをめぐってのストライキが数ヶ月前からあったため、開催そのものが危ぶまれていたが、無事開催された。ただ、その余波でか、大物俳優の出席がいつもより少なかったのと祭典を盛り上げるイベントがやや淋しかった。それでも日本のアカデミー賞と比べてすべての点で数段上でることを改めて感じさせた。
 今回80回目を迎えた米アカデミー賞の仕組みは、全世界にいる6000人の映画業界関係者が前年にロサンゼルス郡内の映画館で連続7日間以上、有料で公開された40分以上の作品数100本を対象に選考する。投票内容は会計事務所のプライスウオーターハウスが厳重に管理しているので、結果については当日までごく少数の関係者しか知らない。ただ、今回、音響編集賞だかのプレゼンターにトム・ハンクスが登場し、中継回線で写ったイラクにいる兵士が対照作品の紹介から受賞作まで発表していたのを見て、必ずしも情報管理が徹底していないのでは、との感じを持った。
 中継を見ていて一番面白いのは受賞が決まった瞬間の対象者の表情で、本当にうれしそうな顔をする。処構わず抱きついたり、関係者同士で握手をしたり、様々だが、日頃見られない生の顔がうかがえて楽しい。それと受賞後のスピーチが面白い。だれも受賞しあtら、こう言おうとか、ああ言おうと考えてはいるのだが、大半は忘れてしまうのだろう。ただ、サンキュー、サンキューと言うのみの受賞者もいる。それだけ感極まってしまったのだろう。今回は映画制作の関係者として98歳の老人が功労者として表彰され、意外と元気な声で往時のことを語っていたのが面白かった。
 WOWOWでは毎回、スタジオで事前の予想を含めたトーク番組を流しながら。中継するが、今回は六本木ヒルズのシアターで中継画面をスクリーンに映し出して、二元中継していた。
 アカデミー賞の最大の賞である作品賞と監督賞のいずれも「ノーカントリー」が受賞したが、事前に圧倒的な支持を集めたわけでもなく、淡々と終わった感がある。考えてみれば、ノーカントリーとはレイムダック状態にある日米の政治の現況を皮肉ったというか、象徴したタイトルでもある。
 今回は全体に小つぶな作品が多くて、盛り上がりに欠けた表彰式だった。
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